見出し画像

本当は勝てないけど勝てるように見えるフェイク手法集

※本来ボツにするはずだった記事です。
  毒にも薬にもなりません。

こんにちは。
今回はタイトル通り、めっちゃ勝てるように見えるけど実は全然勝てないフェイク手法達についてまとめていきます。
これらの手法は「なんかすごそう」「勝てそう」「バチバチに決まってるっぽい」などの特徴があり、”なんか凄そうな感じ”に見せたいエアトレ詐欺師さんや騙されちゃった養分達に人気の手法だと思います。

これからそういう手法の「勝てそうに見える部分」「勝てない理由」についてまとめていきたいと思ってるんですが、実は一番書きたい本題はこれじゃないんですよね。
本題を最後のまとめで書いてもいいんですが、最後まで読む人は少なそうなので初めに書いちゃいます。
最悪それだけ読んだら帰ってもらっても大丈夫です。
一応多方面に喧嘩を売るような記事なのでその保険も書いてます。平和がいちばん。

とても大切なこと


いきなりなんですが、このnoteはタイトル詐欺です。
これから紹介するすべての手法は、頑張ったらたぶん、一応、運が良かったり頭が良かったりすれば、、、ちゃんと勝てます。
タイトルに惹かれた方には申し訳ないですが、お許しください。

ここから本題です。
手法について語る上で非常に大切なことなんですが、手法とはすなわち「相場の見方や取引手順のパターン化」ですよね。
言ってしまえば「こういう時に、こうする/しない」というのが手法の全てです。
「こういう時」の解像度が高ければ高いほど「こういう時」のパターンが増えますし、解像度が増えてパターンが増えれば増えるほど「こうする/しない」の選択肢も増えていくわけですね。

さて、タイトルには「本当は勝てないフェイク手法」を紹介するとありますが、実はこの「フェイク手法」でも理論上は勝つことができます。よく考えてみれば当然ですよね。

勝てるように見せられる場面が少なからずあり、一時期でも一度でも勝てる場面があるということはそれ以外を取引せずにたまーに勝てる部分でだけ取引できればいいわけです。先ほどの話に沿わせると「こういう時」の解像度が非常に高く、「こうする/しない」の判断が適切なら勝てるんです。

極端に言えば「MAのゴールデンクロスで"ショートする"」という手法でさえ、「MAがゴールデンクロスした直後に反転して下落する相場」を正しく見抜き、それ以外は触らない判断ができる高性能フィルターを搭載しているのであればちゃんと勝ててしまいます。もちろん現実的じゃないですけどね。


つまり、「どんな手法を使うか」も大切ですが、それ以上に「その手法や相場に対する理解度の高さ」が非常に重要なんです。
とんでもない成績で勝ちまくる億トレのガチ手法を真似たところで、その手法や相場に対する理解が浅ければその人のように圧倒的に勝てたりはしません。(優秀な手法であれば真似るだけでも割とプラスになるやつは結構あると思いますけどね。)


ここまで読むと「およ??じゃぁフェイク手法なんて存在しないんじゃね?明らかなフェイク手法でもない限り、理解度を上げまくればどんな手法でも勝てるんだろ??」と思う方もいるかも知れませんが、これから私が「フェイク手法」として紹介する手法は、その理解度を上げるコストが死ぬほど高くて割に合っていないものや、必要な知識の方向性が合っていないものになります。

料理で例えると、とあるフランス料理のレシピを使って美味しい料理を作るために、レシピに全く書いていない日本料理やベトナム料理、インド料理に中華料理などの各国の高度な調理知識を要求されるようなものです。

「”料理”に対する理解度が高ければ美味しく作れるぞ?」と言われても、こんなものはフェイクレシピと言っても差し支えないですよね。きちんとした手順が書いてないし、フレンチが作りたいのに中華料理とか学ばなきゃだし、そもそも普通は誰も作れないんですから。

よい手法とは、それを正しく使うのに必要な知識の種類が明確にわかりやすく、必要知識と習得目的の方向性が一致しており、必要知識そのものを得るコストが現実的で、手法自体の使用コスト(知識習得後の状態での使用難度)が低いものです。一言で言うと「無駄がなくてコスパが良いもの」です。

そしてこれら「よい手法」は、基本的には商材を買ったり誰かのを真似しただけで身につくものではありません。自分の頭で相場にしっかり向き合い、丁寧に理解を深める積み重ねにこそ「よい手法」が宿るものだと思っています。

これから「フェイク手法」として紹介するものの一部を実際に使って勝っている方も少なからずおられると思いますが、きちんと勝てているのであればあなたのひたむきな努力、才能、そして幸運を誇りに思ってください。
そしてフェイク手法を使って負けている方は、これ以上のそのやり方を続けても多分無駄なのでさっさとやめて考え方を変えましょう。

以上、この記事で本当に書きたかったことでした。









と言うとでも思ったか!
処刑タイムじゃ。エアトレ、養分、全員○ね!!



フェイク手法博覧会

ここから先はエンタメの性質上、わざと少し荒い書き方をしてます。(上のやつみたいな)そういうものだと思って楽しんでもらえたら嬉しいです。

フェイク手法No.1 【くっそ浅いチャネル】

まずはこちら。


ふむふむ。
なんか線が引いてありますね。
どういうことか見てみましょう。


なるほどなるほど。
紫丸3点で紫チャネル、オレンジ丸3点でオレンジチャネルを引いたんですね。
チャネルは角度と幅が決まれば引けますから、3点決まれば引けるわけです。

このチャネルはそれぞれ、現在上昇トレンド中のチャートに対し、角度が若干鈍角になったトレンドに沿って引いた紫チャネルと、鈍角な角度を作る原因となった「押し目」の部分に引いたオレンジチャネルとなっていますね。

それぞれのチャネルの意図としては、紫チャネルでトレンド把握、ライン反発での押し目買い、ライン抜けでの目線変更など。
オレンジチャネルでは次の押し目の目安にしたり、下抜けた後のネックラインになることを期待してこのチャネルを軸に戻り売りを計画したり、さらには紫チャネルを下抜けた後、レンジしてさらに大きな上げへ転じるパターンの時にロングをRR(リスクリワード)よく積むための背にも使えそうであり、多くの意味を持っています。

流石にチャネル2本だけでは少ないので、それぞれ等倍して重ねて使っていきます。

それを踏まえて続けて見ていきましょう。


はい。もう完璧ですね。
あらゆるラインがバチバチに効いてて天底トレードし放題です。
完全に聖杯。我こそは天才。俺のトレードは奇想天外。


。。。はい。
まさか騙される馬鹿は居ないだろうな。
ちょっとでも「んえ、これは別に良くない?」とか思ったりしてないだろうな。
「これはちょっとあからさまだけど、少し改善すれば全然使えるんじゃね?」とか思ってないだろうな。

それでは種明かしです。

まず一応言っておくと、この線引きそのものはフェイクではないです。
実際に誰でも同じ線が引けます。

ということは、これと同じトレードできるんじゃね??
と思うかもしれないんですが、残念ながらそれは無理です。

簡単に言うと「どの目線でトレードしてんの??」って話です。

確かに線に当たったところでドンピシャで跳ね返ったりしてますよ?
しかし、その何倍もストレートに貫通してたりスルーされまくってたりしますよね。

それだけじゃないです。

仮にスルーすべきところをスルーしたとして、じゃぁその「入るべきところ」で本当に入れるのか?
という問題があります。

今回はうまく「太線(チャネルの中段じゃなくて外の2本)」で跳ねてることが多いので入れるかもしれませんが、中段で折り返したり、太線を抜けた後で少し先の交差した別の太線に跳ね返ることだって多いです。(こんなやつ)

その時はどっちで入る?奥まで待つ?
その時だけ手前で入るけどSLを広げて奥も耐えられる様にする?
奥がヒゲで抜けて実体で返してきたら?
損切り後に追撃?

「実体で返した」の判断はいつできる?
ロウソクを見て判断?

チャネルを引くのをこんなに練習してやっと色々決まるようになってきたのに、これからさらにロウソクの勉強するの?

それでできるなら良いけど、それならチャネルは要らなかったのでは?
ロウソクで転換見抜けるのにチャネル必要?

最初からロウソクだけやってれば良かったのでは?
なんで無駄なことするん?

と、色々問題があるわけです。

そしてなんとこれ「チャネルがうまく決まっている状態」でさえこれなんです。
うん。ここから先は地獄だ。

続きのチャートを見てみましょう。


おやおや。
チャネルが古くなってきてあまり効かなくなってますね。
いわゆる賞味期限切れです。
ここで紫チャネルをさらに重ねる人がいますが、正直それはもう救いようがない愚行なので今回はやりません。

賞味期限が切れたなら、引き直しが必要ですね。
早速引き直しましょう。


同じようなロジックで引き直してみました。
今回もバチバチに天底取っていきましょう()


??????

なんの役に立つんだこれ。

・・・線引きの時に角度と幅を少し間違えてしまったみたいですね。
うん。誰にでもミスはあります。

・・・・・・・・・

角度と幅を少し間違えた?
その「少しの間違い」でめちゃくちゃ金溶けるんだが。

その上、間違えたのに気づくの結構時間かかるだろ。
その間ずっと負け続けるの?
冗談じゃない。

・・と、こんな具合に、チャネルの引き方を「少し間違える」と大変なことになるんです。

とは言え、チャネルを長い間使ってる人がこれを見ると
「こんなチャネル引かねぇよww」と思うかもしれません。
私もそう思います。

しかし、あなたがそうやって笑える技術を手に入れるまでどれくらい苦労しました?

私も以前はチャネルメインで専業やってた身なので、今ではこういう下手くそなチャネルを引く方が難しいくらいなんですが、この立ち位置に来るまでかなりの労力を要しました。

チャネルをある程度「使える」レベルにまで磨き上げる時間の1/10もあれば、ある程度、最低限「あんまり増えないけどあんまり減らない」くらいのトレード力は身につけられるかと思います。
これが最初に言った「コスパの悪さ」です。

わざわざ性質の違う分析方法を2つ習得するより、1つの分析方法を深く身につけた方が「コスパが良い」ということです。

一応補足ですが、チャネル自体を否定しているわけではありません。
私も使っていましたし、きちんと使えば非常に優秀なツールです。
ただ、その「きちんと使う」のに必要なものがあまりに多すぎてコスパが悪いと言わざるを得ないんですよね。

その上最初に見せた通り、画像だけ見るとバッチバチのビッタビタに見せることも出来るので、エアトレや養分に大人気なんです。



フェイク手法No.2 【エリオット大先生】

続いてはこちら。


はい。みなさんご存知エリオット大先生ですね。
エリオット波動は非常に面白い概念で、私も気に入っています。(皮肉とかじゃなくて本当に良い意味で)
こちらの手法についてお話ししていきましょう。

まずはこちらをどうぞ。


こちらは下降トレンドのエリオット波動5波を図示したものです。
エリオット波動にはいくつか性質がありますが、有名なもので言うと

・5波のうち3波が「最小にはならない」
・4波は1波と重複しない

などがありますね。
上記の画像ではそのルールがしっかりと守られています。

また、エリオット波動の面白い性質として、フィボナッチと相性がいいんですよね。
詳しく見ていきましょう。


こちらは先ほどの画像の1波にフィボを当てた図です。
2波の長さはおおよそ1波の0.618倍になっていますね。
続いて、フィボの長さを変えずに、フィボの位置を2波の終点に動かして見ましょう。


おお!
少しはみ出してはいますが、3波は1波のおよそ1.618倍の大きさでしたね。
続いて同様に4波も観測していきます。


・・ナンテコッタ
2波と同様、4波の大きさも1波のおよそ0.618倍でした。
面白いですね。
最後に5波も見てみましょう。


・・・!!
5波の大きさは1波とほぼ同じでした。
これが全て偶然と言うのはいささか無理があるでしょう。
エリオット波動にはフィボナッチと関連した性質がありそうですね。

ここまでのまとめでわかる通り、エリオット波動の1〜5波動は、1波の大きさに依存して変化する性質がありそうですね。

これはトレードに活かせそう!!


・・・・・


と思っていた時期が私にもありました。

はい。

えーっとですね。
まずお断りとして、最初に書いた通り、私はエリオット波動については肯定的に考えています。
未だに研究されている概念ですし、何らかの法則や優位性もあると思います。

ただですね。
「トレードで相場から金を抜くための分析手法」としてはあまり良くない手法だと思います。

例えるなら、部屋の床掃除を全自動でするための手法として、次世代AIを搭載した人型自立思考ロボットの開発をするような感覚ですね。

効果はあるし夢もあるんですが、それを用意するコストと部屋の掃除という結果が全く釣り合っていません。ル○バでええやん。

エリオット波動は非常に複雑かつ難解で、全てを理解するには途方もない労力が必要です。
その反面、基本的な概念は非常にシンプルでとっつきやすいです。

これらの性質から、「完成したチャートであればエリオット波動を使ってほとんどの値動きを解説できるし、めちゃくちゃ説得力があってすごく見える」というとんでもない特徴があります。

難しい数学の問題でも、解答解説と教科書があれば誰でも「理解」はできますよね。

では、その「理解」だけで類似問題を1から解けるかというと話は別で、ほとんどの方は解けません。

それと同様に、複雑なチャートであっても完成済みの過去チャートであれば、エリオット波動の本と照らし合わせることで見事に相場を解説し切ることができます。
エリオット波動恐るべし。

逆に、右側が明かされていない状態では、たとえ教科書を握りしめていようと、それをトレードの指標として活用するのは非常に難しいのです。
ただ予測するだけでもむずいし、予測を当てるのはもっとむずい。

まとめると、真面目にやると超絶にコスパが悪いけど、嘘ついてドヤるのにはめっぽう使いやすい。
つまりそういうことです。


フェイク手法No.3 【すべては自然の摂理なり。】


最後はこちら。


見たことありますよね。
N波動とかN計算とかN値とかいろんな呼び方があって、先ほどまでに紹介したチャネルやエリオットと非常に相性が良い、よく知られた概念です。

NとE以外にも色々種類がありますが、全部やってたらキリがないので、とりあえず最も有名な2つを軸に話します。

また、これらの値幅計算の概念は、既に多くの方がその使い方と実力の両方をご存知だと思うので、チャネルとエリオットでやったような茶番パート(効いてるように見せるところ)は省略します。


さて、広く知られていて、多くの手法の補助や前提になっているこの概念。
疑いの余地なく使うべきに見えますが、一体何が問題なのでしょうか。


これはド初心者的頭で見つけたN波動の例です。
ヒゲが少し飛び出したりしてますが、概ね教科書通りと言って良いでしょう。
フィボを当ててみると、左BOXの38.2%付近で跳ねているところもポイント高いですね。

はい。
それだけです。

え?
いや、それだけです。

NやEを測って、綺麗に効いてました!って、それで一体何ができるんですか。
38.2%に来たら買って、Nが出たら利確とかやるつもりですか?

61.8%まで押すことも多いですよね。そこまで耐えてそこでナンピンとかやります?それとも、38.2の方は否定されたら切って61.8%まで待ちます?

どちらにしても、とてもじゃないけど損益がプラスになるとは思えませんよね。というか、誰もが一度はこれをやったことがあると思うし、それでみんな負けてますよね。

「過去チャートを見ながら当てはめてる時はしっかり勝てる(脳内)けど、実際やると何故か負ける。」違いますか?

これにはちゃんと理由があります。
それは「1波の定義ができていない」からです。


この下降トレンドを例に話します。
これが下降トレンドである、もしくはそうなりそうだと誰もが判断できそうなのは、赤線を下抜けた地点からですよね。
早速NやEの概念を利用してポジを持ってみましょう。


天井を下降トレンドの起点として、とりあえずリバが来るたびにフィボを伸ばしてみましたが、一度も38.2%に届かないまま爆リバ終了となりました。

でもこれじゃぁさすがに工夫が無さすぎますよね。
次はもう少し考えてやってみましょう。


トレンドが本格的に走り始めたポイントを起点として引いてみる!
・・・
・・・・
・・・・・
惜しい。ギリギリ届かない。。
しかも2回目以降は仮に届いててもN達成できてない。

「いや待て待て。
 お前はMTF分析を知らないのか。
 こういうのはちゃんと短期足に落とし込んで考えるんだよ。」

わかりました。時間足を落として考えてみましょう。


はい終了。
キリがないのでここまでです。


お気づきでしょうか。
1波の起点も終点も、どの時間足で使うかさえも、全くもってルールが決まってないんです。


「ならしっかり自分の中で定義を決めてからやればいい」と思うかもしれませんが、「それができれば苦労はしねぇ」案件です。

波動の起点終点の定義付けなんていう偉業ができるなら、そもそもNやEなんていう殻に閉じこもる必要さえ無く、単純に「押し目で買って高値で売る」という抽象的かつ最強のトレードができる力があるはずなんですよ。

これまで紹介した手法でも言えることですが、それを習得する実力があるのであれば、それ以上の力を発揮できるということですね。
わざわざやる必要がないわけです。


ちなみに大事なことを書き忘れてたんですが、「NやEが出た後の天井や底で逆張りして天底を取る」という使い方は基本的には愚の骨頂です。


これは99.9%の雑頭が無限に負けて、0.1%の天才が神のトレードをやるタイプの手法です。

現時点で億トレじゃないなら、まず間違いなくあなたは雑頭側の人間なのでやめておきましょう。

NやEの概念は、他の手法を使いながら、補助的にふんわりと意識する分には利確の目安になったりして便利だと思うんですが、メイン手法として真剣に取り組むのには向かないかなと思います。

また、過去チャートを見返せば、面白いほどに、そして芸術的なほどに、NやEなどの値がビタビタバチバチ出てきます。
適当にドヤりたい人や、無垢な養分にとっては垂涎ものです。


おわり

これ以上手法を紹介してもあまり意味がなさそうなので、この辺で終了とします。

書きたいことは一番最初に全部書いたし、もう書くことはありません。
退屈な内容だったと思いますが、元々ボツnoteなので許してくださいね。


ここまで読んでくれたあなたは多分、超暇だったか、私のことめっちゃ好きか、忍耐力が死ぬほど高いかのいずれかだと思います。

3つともトレードで勝ち続けるために欠かせない能力なので、自信を持ってこれからも頑張ってください。

あと、多くの人が使ってる手法を煽り散らかして流石に罪悪感があるので、次は「馬鹿にされがちだけど案外勝てる手法」「『よい手法』を作るための考え方や取り組み方」のどちらかを無料で書いて免罪しようかなと思います。

ではありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?