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留学Tips:ニューヨークで家を借りる

米国留学の際には学生寮その他大学が手配する物件に入居する方も多いかと思いますが、大学外で家を借りる(Off-Campus)の方も一定数いるかと思います。
以下では、2021年夏からニューヨークのLaw Schoolに留学した際に、大学外で家を借りた際の個人的な経験をまとめています。

注:家賃の高いアメリカの大都市では、学生や若者はルームシェアをするのも一般的ですが、本Noteでは単身で家を借りる場合についてのみ説明しています。家賃を浮かせたい場合には、ルームシェアを検討しても良いかもしれません。

①どこで物件を探すか?

日本ではSuumo等の不動産ポータルサイトで物件を探す方が多いかと思いますが、米国でも同様です。日本人留学生の場合、米国入国前に物件を探して入居を決めてしまう人が多いと思いますので、基本的に不動産ポータルサイトで物件を探すことになります。

アメリカの大都市では、エイブルやChintaiといった日本でもおなじみの不動産仲介業者が不動産仲介サービスを提供しています。日本語でやり取りが可能といったメリットがありますし、(現地の不動産仲介業者と比べれば)安心感もあります。ただし、(現地の業者に比べると)仲介手数料は高めですし、取り扱っている物件数も限られています。他にも小規模の日経不動産仲介業者は色々と存在するようです。

現地の不動産仲介業者を使うのであれば、掲載物件数や操作性を考えるとStreetEasy(https://streeteasy.com/)で物件を探すのがおすすめです。使い方は日本のSuumo等のサイトを使ったことがあれば、なんとなく分かるかと思います。ただ、エリアの名前は土地勘がないとよく分からないと思いますので、エリア名の記載されたマップ(https://www.nyc.gov/site/planning/data-maps/city-neighborhoods.page)や路線図(https://new.mta.info/map/5256)と見比べながら探すのがいいかもしれません。

②物件の種類

StreetEasyで物件を探すと以下のように”Condo”や”Rental Unit”といった物件の種類についての表示がされています。物件の種類によって、賃料の水準や賃貸する際の手続の重さ等が異なるので、注意が必要です。

物件の種類は基本的に、Rental Unit/Condo (Condominium)/Co-op (Cooperative housing)の三種類に分かれています。各種類の違いは以下の通りですが、留学生はRental Unit/Condoのいずれかを借りるのが一般的かと思います。

Rental Unitは、賃貸専用物件で、日本でもよくある賃貸用マンションのようなものです。契約手続に必要な期間が非常に短く(3日前後)、契約の際に必要な書面の量も少ないので、契約手続は簡単です。一方で、同水準の物件間で比較すると、賃料はやや高めなことが多いようです。

Condoは、個人のオーナーが建物の各部屋を所有しており、日本でいう分譲マンションです。オーナーによって賃貸に出された部屋を借りることになりますが、部屋を借りる際には建物の管理組合の承認が必要になります(原則として承認は下りるようですが、管理組合の会合日程次第では、全ての必要書類が揃い、オーナーとの間で賃貸借契約を締結してから承認が下りるまでに1か月弱程度まで待たされる可能性があります。)。

Co-opは、複数のオーナーが建物全体を所有する会社の株式を保有する形態で、Condoと同様にオーナーによって賃貸に出された部屋を借りることになります。しかし、Co-opは賃貸、売却に関する制限が厳しく、入居の際は書類審査や面接等が必要とされ、入居が承認されるまでの期間も相当程度長いのが一般的なようです。

③内見等

内見等はあまり日本と変わりませんが、完全セルフ方式(事前に不動産仲介業者経由でアポイントを取った上で直接物件に行き、鍵を借りて自分で内見する。不動産仲介業者は立ち会わない)だったりします。コロナ以降はオンライン内見に対応してくれる業者も多いようです。

StreetEasy等に載っている写真は実際の物件とは全く違うことも多いので、必ず(オンラインでもよいので)内見をすることがおすすめです。なお、ニューヨークは築古の物件も多いのですが(Post-Warの物件なのでそんなに古くない、と言われたりします。)、リノベーションしていて割と部屋は綺麗だったりします。

なお、NYCエリアのApartmentは多くの物件が各部屋には洗濯機が備え付けられておらず、共用施設のランドリールームで洗濯をすることが多いです。古い物件だとランドリルームが無いことも時々ある(かつコインランドリーまで洗濯に行くのは相当面倒くさい)ので、ランドリールーム含めた共用設備がどの程度充実しているかは確認した方が良いかと思います。

④賃貸借契約締結

アメリカで賃貸借契約を締結し、建物の管理組合への承認申請手続をする場合には、オンライン上で書類の確認・サイン・提出等を行うことが多いようです(僕の時には、Board Packager(https://www.boardpackager.com/)というウェブサイトを利用しました。)。

個人的に驚きだったのが、賃貸借契約締結時に確認・サイン・提出等する必要のある書類の多さです(Notice of Intention to Lease、Lease Agreementなどの書類に加え、Smoke and Carbon Monoxide Detector Rider、Sprinkler Disclosure Formなどの細かい書類も含めると20以上ありました)。必要書類についてはなるべく早めに確認し、Bank Statementsなどの手配が必要な書類は手配しておくのがおすすめです。
すべての書類がそろわないと承認申請手続が開始されない(かつ、不動産仲介業者はろくに内容チェックもしてくれない)ので、誤記や抜け漏れがないように注意する必要があります。

契約締結・承認申請手続の時点で家賃や敷金等に加えて、様々なFeeが徴収されますが、僕の場合は以下のようなFeeを払う必要がありました。なお、Move-in Depositは入居完了後に返還されるはずの預り金ですが、(日本と違って)ちゃんと請求しないと返還されず、放置されそうになりました。

  • Application Fee

  • Credit Report Fee

  • Degital Submission Fee

  • Move-in Deposit (Refundable)

  • Waiver of Right of First Refusal

各書類につき、気を付けた方が良いのは、Notary(公証)しないといけない書類があるかどうかです。日本と異なり、アメリカでは少なくとも賃貸借契約については公証人からのNotary(公証)を受ける必要があり、これが終わらないと契約締結手続が完了できません。
アメリカ国内では、USPS(郵便局)、銀行(その銀行のアカウントを持っている必要あり)、UPSなどの店舗に公証人が常駐しているため、特に事前に予約等しなくても賃貸借契約書と身分証明書を持って店舗に行ってNotaryをお願いすれば15ドル程度でやってもらえます。
使ったことはないですが、米国外からもオンラインでNotaryできるサービスもあるようですので(http://usvirtualnotary.com/service/international-notarization/など)、日本国内にいるうちに賃貸借契約の締結まで完了したい場合にはこれらのサービスを利用するのが良いかもしれません。

契約期間は1年更新がNYCエリアでは多いようですが、オーナーとの交渉次第で2年や18ヶ月といった期間を設定することも可能な場合があるので、留学期間に合わせて交渉すると良いかと思います。

⑤家賃保証会社との保証契約の締結

日本と同様にアメリカで部屋を借りる場合には家賃保証会社と保証契約を締結することが求められるのが一般的なようです(保証料として1か月分の家賃相当額を支払う必要があります。)。家賃保証会社への申請・書類提出はすべてオンラインで可能なので手続の負担自体は大したことはないですが、審査には数日程度かかる(かつ、審査が完了していないと賃貸借契約の締結に進めない)ので、申し込む物件候補が固まり次第、どの家賃保証会社に審査を申し込めばよいかを不動産仲介業者に聞いて、家賃保証会社への申請手続も進めておくのが良いように思います。
ニューヨークの家賃保証会社への申し込み手続については、以下のウェブサイトの解説が詳しいので参考になります。

⑥引っ越し

日本と同じく、引っ越しの際にエレベーターを使う場合には事前に予約が必要になるので、(引っ越し業者や家具のレンタル業者等を通じてか自分自身で)建物の管理会社に連絡し、事前に予約しておく必要があります。
物件によっては、引っ越しに使えるエレベーターの時間等が限定されており、早めに予約しておかないとスケジュールがおさえられないこともあります。

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