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宮城県と仙台市における宿泊税の経緯をまとめてみました。

こんにちは。みやぎ減税会です。
ネットのニュースなどで皆さんご存じかもしれませんが、
宮城県と仙台市において宿泊税が導入されようとしています。
最近のニュースではこんな感じです⇓

https://www.khb-tv.co.jp/search/?q=宿泊税

ここに至るまでの経緯を、宮城県、仙台市のHPや、ネットニュースなどからまとめてみたいと思います。


〇宮城県の宿泊税検討のはじまり

宮城県の宿泊税導入の話は2018年ごろから始まっています。

https://www.fnn.jp/articles/-/23123

(引用) 2020年現在 230万人の人口は、今後25年間で約50万人減少し、縮小が予想される地域経済に対応するため、
観光振興に力を入れ、交流人口を拡大すれば、人口減少の影響を軽減できるというのが県の考え。

短期間での導入を推し進める村井知事に…

(引用) 震災後、「即断即決」がスピード感あると評価されてきたが、
それが今「独断専行」との批判に変わりつつあると、ある議員は漏らした。

しかし2019年末ごろから始まったいわゆる「コロナ禍」によって、その案は一度取り下げられました…


〇復興支援金の終焉は分かっていたはずなのに…

もう一つ大事な点が…

(引用) しかし、国の復興・創生期間は2020年度で終わる。
これまで観光振興財源の7割を占めてきた国の復興交付金などが、2021年度以降、見込めなくなる。

ここで重要と思うのが、復興交付金などが2021年度以降なくなると分かっていたということです。
これは震災以降、交付金に頼った予算編成を村井知事の「即断即決」で実行された事と思いますが、
復旧、復興予算が何時までももらえるわけではありません。

10年先を見通すのは難しいですが、数年後ならある程度見通せるのではないでしょうか?
もらえなくなるであろう交付金を見越した予算編成が行われていれば、宿泊税導入を検討することもなかったのではないか…と考えます。


〇コロナ禍の回復を見守りつつ再び県が検討を再開。仙台市も検討を開始する。

2023年の5月頃、新型コロナウイルスの感染症分類が5類に移行したことを受けて、
再び宮城県の宿泊税の導入が検討されるようになりました。

同じく11月頃から仙台市でも導入の検討が開始されています。

https://www.city.sendai.jp/sesakukoho/gaiyo/shichoshitsu/kaiken/2023/10/30kouryuuzinnkoukakudai3.html

(引用)
Q3
スピード感を持って検討してほしいという思いはないという受け止めでいいですか。
A3
いや、都市間競争はもう既に始まっているところだと思いますので、できる限りスピード感を持って議論していただきたいというふうに思ってはいるところです。

…この質疑応答を見る限り、先行している他都市を意識して導入を検討し始めてた…と推察されます。
宮城県が導入を検討しているのを知った上で、他の都市でも既に導入されていることもあって、
仙台市も一枚噛みたい…という意図が見えます。
これは庶民から見ると、県と市で同じ財源の取り合い…と見えるのではないでしょうか?
財源として取れるものなら確保しておきたいと…


〇宿泊税導入している他の都市で相次ぐ「増額」

既に宿泊税が導入されている京都市と大阪府で「増額」が検討されています↓

京都市のニュース↓
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240205-OYT1T50067/

大阪府のニュース↓
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20240830/2000087200.html

…お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが…前出のこの記事で↓
https://www.fnn.jp/articles/-/23123

この2つの都市で宿泊税導入が検討されていた時と、共通している方がいます。
この方個人が増額を示唆している様子はありませんが、
この方が検討委員を務めたこの2都市で「増額」が検討されているのです。

ご承知の通り、一度税が導入されると、後で増額されてきたのは枚挙に暇(いとま)がありません。
このような経験の持ち主を宮城県の宿泊税検討委員会の会長に据えていました。
これは新しい税の導入ありきの人選…いわゆる「御用学者」さんと言えるでしょう。
(学者さん個人を悪者扱いするつもりはありません)

宮城県&仙台市でも、宿泊税導入となれば同様に「増額」の可能性がある事は否めないでしょう。


〇目的税である宿泊税をどのように使うつもりなのか

宮城県が開催した宿泊税の説明会が、村井知事も参加して行われました。
https://www.khb-tv.co.jp/news/15426193

参加者からは「残念ですね。(県側が)一方的に話されるだけなので。残念です」という声が聞こえています。

宿泊税を導入したとして、目的税であるその予算をどのように使うのか…という論点が欠落しているように思います。

以前、仙台市も「仙台市交流人口拡大推進検討会議」を九回行っており、議事録が残っています。
https://www.city.sendai.jp/kankokikaku/zaigennkenntou.html

第7回の会議においてとある委員から、現在徴収されている入湯税(目的税)の使途についての質問があり↓

入湯税の使途について

第9回(最終回)においても、資料が提供されていない事が議事録に残っています↓

資料が準備されなかった?

この様な所が不鮮明なまま行政任せで安易に宿泊税を導入してよいとは思えません。
委員として出席した宿泊事業者からの意見は至ってまっとうだと思います。


〇宮城県では目的税から一般財源へ変わった「軽油引取税」

宮城県のHP。税務課の所に、軽油引取税の説明があります↓
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/zeimu/keiyu.html

(引用) その収入が道路の整備費用等にあてられる目的税でしたが、平成21年度からは普通税として位置付けられています。

普通税とは、目的税とは丁度対照になります↓
https://www.ifinance.ne.jp/learn/tax/tax09.html#gsc.tab=0

…予め使用目的が決まっている目的税に対して、普通税は一般財源と言えるでしょう。
行政にとってはどちらが「使い勝手が良い」でしょう?
…明白ですね。
目的税として導入されても、後に普通税にしてしまえば都合がよいわけです。


○宿泊税…その増額分は本来宿泊事業者が値上げする分?

宿泊税は本来、宿泊事業者が値上げする分を横取りする構図です。
民間企業ですから、値上げになった分、設備の修繕やサービスの向上、
従業員待遇の改善などに使われることは想像に難くないでしょう。
それは利用者にとってもプラスなることだと考えます。

これ以外にも、インバウンド対策としての宿泊税に関して…
経済学者の柿埜真吾さんの良記事がありますので、よろしければ↓

https://shingokakino.hatenablog.com/entry/2024/03/09/232552


〇まとめ

…という訳で…

#宿泊税に反対 します。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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