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書いてみよう、29日目。

春眠暁を覚えず。

春の夜は短い上に気候も丁度よい、だから夜が明けたのにも気づかずついぐっすり寝てしまう、意訳だがそういうことらしい。
確かに春の夜は他の季節に比べて特別な気がする。
暑くて寝苦しさもある夏、虫の声が響く騒々しい秋、静かでこのまま夜が明けないんじゃないかと暗さに怯える冬。
夜なら寝やすさは段違いだ。

でも、春の夜は寂しくもある。
夜が明けたら明日にはお別れ、新しい生活、ひとりきりの寂しさ。
はじめて一人暮らしをした春の夜、次の日の朝が来るのが待ち遠しいような、これまで過ごしてきた日々が終わってしまう気がしていつまでも明けないでほしいと願いたくなるような、そんな気持ちになったのを良く覚えている。
そんな感情を持つのも春の夜ならではだ。

そういえば春夏秋冬が擬人化になって話題になった作品ってまだ見たことないかもしれない。
あまりにも概念すぎて擬人化しがいがないのだろうか。
年号ですら擬人化する日本人がたかが概念くらいで狼狽えるようにも思えないし、多分知らないだけであるんだろう。

探したらしっかりあった。
さすが日本。
だが見覚えのある作品は無かったので擬人化界のブルーオーシャンかもしれない、今がチャンス。
問題は登場人物がどこまで増やしても10人未満であることくらいだろうか。
四季が移り変わる瞬間の描き方も人それぞれだろうから見てみたい。
四季が同じ空間にいれるのか、いれないのか。
本来なら交代で訪れる四季だからこそ、擬人化の表現には様々あるはず。
私なら四季が移り変わる瞬間だけ一緒にいられて、己の季節の時はずっと孤独である設定がいい。
四季を司る神様ではなく、本当に擬人化として一切接触せずたまに配達で各々を象徴するような品物が送られてくるくらいの関係だといい。
春が冬に桜の花びらの栞プレゼントしてほしいし、夏と冬が会えないもの同士それぞれの印象を勝手に話し合う日常回もいい。
そうか、春と秋も会えないのか。
その設定はちょっと寂しいかもしれない。

書き出したら楽しくなってきた、しばらく書く内容に困ったらこの話をしよう。

29日目おわり。