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クアラルンプール四日目の日記(人生で一番ゆるい国境越え、の巻)

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バンコクに帰ってまいりました!鉄道旅、な、長かった…!

順番が入れ替わってしまいますが、クアラルンプール四日目の日記のほうを先に書き進めていたのでこちらからアップしたいと思います。ほとんど鉄道の旅の話。

※クアラルンプールからバンコクまでの鉄道チケット手配の話について、詳細を知りたい方は、よろしければ私が別ブログに書いてる記事をご覧くださいませ~。

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今日は、クアラルンプールからバンコクまで鉄道で移動する。20時間以上の大移動になる予定。7時12分の列車に乗るので、5時頃起きる。

初めてGrabのアプリ(登録した民間のドライバーがタクシーのように目的地に行ってくれるアプリ。ちなみに登録者の中にはタクシードライバーもおり、そちらを指定するとちょっと高い)を使い、車を呼ぶ。

お世話になった先輩にお別れして、真っ暗なクアラルンプールを走る。10分くらいでクアラルンプールの中心駅、KLsentral駅に到着。

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Grabは、利用後にドライバーの評価を★5つまでですることになっているんだけど、★5にしたかったのにどうやって入れたらいいかわからない。なぜか★1になってしまって、そのまま提出されてしまう…。

修正の仕方もわからず、ドライバーさんにひたすら申し訳ない…。彼に落ち度はないのに…ごめんなさい…!昨日も予約に挑戦したけどうまくできなかったし、Grabは難しい…。

KLsentral駅には、通勤用の電車なども乗り入れているのだけど、私が乗る電車はどこで待っていたらいいんだろう…。

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お、あれは、ETSという文字では。(この写真だと見えないですが…)たぶんこのETSというやつに乗るはずだ。私が乗る電車の時刻表がおいてあったりするし、たぶんここだな。チケット売り場がどこかよくわからないので、事前にオンラインで買っておいてよかった…。

朝ごはんに、待ち合いスペースのようなところで昨日買っておいたパンをむしゃむしゃ食べる。

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マレーシアのファミリーマートには、なんだか日本語が書いてある商品が多かった。ハニーマスタードソーセージパンは3.5リンギット(約105円)、バナナケーキは2 .7リンギット(約81円)。

6時50分頃、乗る列車の番号が書かれている看板が出され、アナウンスがある。乗る予定と思われる人々は立ち上がるが、看板が出されてからしばらくは特にゲートは開かない。そして、このチケットで入れるのかも謎…。

数分後、ゲートが開いて、係の人によるチケットチェック。印刷されていたQRコードは特に使わず、目視による確認。前の人たちが持っているチケットと見た目が随分違うので、これでは入れてもらえないのでは…と不安になったが、何事もなく通れた。

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わくわく。

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車内は、かなり新幹線っぽい雰囲気。
例によって、極寒。ウルトラライトダウンを着る。

チケットは、乗車後も車掌さんのような人によって確認される。

一人だから荷物をちゃんと見ておかねば…と思いつつ、どうしても睡眠不足で爆睡。静かで、わずかな揺れがあって、寝心地がいい。

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11時半すぎ、起きてマフィンを食べる。バナナ系のパンがおいしいので、そういうのばっかり買ってしまう。1.5リンギット(約45円)。

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車窓からは、わさわさとヤシの木が生えているのが見える。後方の座席から、ハッシュドビーフみたいなおいしそうなにおい。どこで買ったのかな。

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たくさんの駅を経て、13時半ぴったりにタイとの国境の街、パダンブサールにつく。予定よりも遅れての到着だ。

着いてすぐに、スマホの時計が1時間巻き戻り、12時半と表示される。タイとマレーシアは時差が1時間あるから、その調整が入ったみたい。ということで、ここから書く時間はタイ時間。

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さて、今日最大の関門はここ、イミグレーション(以下、イミグレ)である。マレーシア側で出国審査、タイ側で入国審査をする場所なわけだが、数々の旅人のブロガーさんが、「すぐ閉まる」とか「管理がゆるすぎるために出入国審査をしないで通り過ぎて、あとで面倒なことになってしまった」とか、様々な苦労を報告されている場所…。

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さんざんさまよった後、それらしきところにたどり着いたが、予想通り誰もいない。

こんなに大事なことなんだからちゃんとやってくれよーーー

(というか不法入国者いっぱい出そうだがいいのかよーー)

警察官詰め所みたいなとこで聞いてみると、16時に開くといってる。ほんと?ほんとなの?電車は17時に出発するんですが、間に合いますか?!

…とは言っても、現状誰もいないのでとりあえずご飯でも食べよう…。

13時55分、駅の2階にあるカフェテリアに行くと、中年の男性が「1階で手続きできるけど、開くまではここに腰掛けて、なにか食べたらどうでしょう」と言ってくれる。

国(&人)によっては、お金を取られたり営業だったりするけど、マレーシアの人は本当に親切でそう言ってくれているという感じがする人が多いな…。この人もそうだろうと考え、腹ごなしをすることに決める。

ちなみにカフェテリアは売店?も兼ねており、パンやお菓子、飲み物、コンセントの口を変える部品などが売られている。

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14時過ぎになったらもしかしたらイミグレに動きがあるかもしれないので、サクッと食べよう。聞いたことがあるメニューを頼もうと思って、ナシゴレン・アヤムにしてみる。たぶん、フライドチキンが載ってるナシゴレンではないかと予想。

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8リンギット(約240円)。スパイシーにするか聞かれるので、辛くないのにしてほしいと頼む。

金属の器で出してくれて温かく、期待していたよりもおいしい。
チキンを手づかみで食べてみるも、「左手はイスラム的に不浄の手だから…」とふと思い、右手のみで食べる。

寝台車で朝ごはんにする用のパンと、水も買う。パン3.5リンギット、水1.5リンギット、合計5リンギット(約150円)。

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巨大なパン(たしか280gと書いてあった)を買ったので、お腹が減っても安心である。

ご飯を急いで食べて、再びイミグレへ。

タイ側の税関のドアがほんのり開いているので、ここぞとばかりに顔を出して、そこにいた人にいつから手続きができるか、聞いてみる。イミグレは、15時に開くとのこと(さっきの人と言ってることが違いますが、外国ではこういうことが起こりがち)。イミグレは15時に閉まると思っていたけれど…まあ近くで待っておくことにする。

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駅で魚が飼育されている模様。 (しかし、ひどい写真)

15時10分、マレーシア側のイミグレ窓口に人が来る気配。至近距離まで行って、スタンプ等準備する様子を見守る(こんなことは初めてである)。

そろそろいいのでは?というタイミングにぐいぐい窓口に行き、パスポートを渡してみると、細身の青年にどこまで行くか聞かれる。バンコク、と答えると、青年は何やら他の窓口の人と相談を始める。その後戻ってきた青年、15分後にまた来てください、とのこと。たぶん、予定されていた時間よりも先に通してもいいか相談していて、やっぱり決まった時間からのほうがいいのでは、との結論が出たのでは、と予想。

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再び外のベンチで待機する。

15時半になったので、もう一度先程の青年の窓口に行く。青年いわく、私達はインドネシアの人(VIPと言っていた気がするが不明)を待っていて、そのあとあなたの手続きをします、とのこと。通す人の順番がある?ようだ。えー…。な、謎だ…。インドネシアの人、今来てないんだから通してくれよ…。謎だけれど引き続き待ってみるしかない…。もう列車が出るまで1時間半もないんですけど…。

乗る電車がどのプラットフォームに来るかもわからないので引き続き不安である。早く着いたのに意味はあったのか。でもギリギリだったらもっと怖かったか。

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15時46分、新しい電車が来て、その降客たちの入国審査が始まる。青年らは、この人たちを待っていたのかもしれない。いや、この人たちを待ってた間に絶対手続きできたでしょ…と思うけれども、あちらにはあちらのルールがあるのだろう。この人たちが終われば通してもらえるはずだ。目処が感じられるとちょっと安心する。

降客たちの流れを見るに、今私がいるのと反対側のプラットフォーム(1番)から入るのが正解のようなので、またちょっと移動。先程からちらほらみかけた欧米人旅行者と思しき人々もこちらで待機している。みんな既にこっちで待つと知っていたのか!情報通だな…。

1番のプラットフォームにはタイ側のチケットオフィスもあり、駅で二段ベッドの下の段のチケットがないか、確認しようと思っていたことを思い出す。(オンラインでは上段しか買えなかったのだけど、上段からは景色が見えづらいので駅で下段に替えてもらった、と書いてるブロガーさんがいたのだ)

窓口で聞いてみると、無事に空きがあり、13リンギット払って下の段のチケットと交換。バーツ払いだと90バーツみたいだった。360円〜390円といったところか。トイレに行っておきたいが、たぶん列車の中のほうが清潔かもしれないなあと考え(ここに来るまでの列車のトイレが清潔だったため)、少し我慢することにする。

そして16時17分、ついにイミグレが開く。3時間弱待ったことになる。旅っぽいねぇ…。

まずは、マレーシア側で出国審査。最初に案内された窓口では、指紋を記録する機械の調子が悪そう。あちらの窓口に行って、と言われて、2回質問しにいったお兄さんと3回目の対面。ハーイ!と言ってくれていい人。

タイ側の出国審査では、じっくりパスポートを見られている雰囲気。16時31分、審査が終わり、ほっと一息つく。電車に間に合った!

しかし、肝心の電車がどこに来るのかは引き続きわからない。チケットオフィスで尋ねると、1番のプラットフォームから、とのこと。これは私の予想だけど、2番のプラットフォームからはタイ行きの列車は出ないようだ。

今、16時50分発の別の列車が止まっているので、私の乗る列車はこれが発車したあとにやってくるのだろうか?かなりぎりぎりで乗り込むことになるなあ。不安だ…。

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私の焦りをよそに、駅のあいだを心地良い風が吹き抜けていく。

17時5分、既に発車予定時刻を過ぎたが、電車はまだ来ない。
バスのように、間違えて一本逃してもまあ次があるだろう、と思えないのが恐ろしい。この電車を逃すとどうしたらよいかわからない。駅で野宿…?とりあえず、先輩にもらったおやつ(カシューナッツのおこしみたいなやつ)を食べる。

それでも電車は来ない…。
電車は来ているがまだ出発しない、というのならそんなに心配はないのだけど。

17時25分
まだ電車が来ない。かなり不安になる。
17時出発、というのはタイ時間じゃなくてマレーシア時間で予定が書かれてるのだろうか?謎…。

17時30分

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ついに電車が来る!しかし、この電車が本当に私が乗るべき電車なのかわからないので、近くにいたベージュの制服の人に聞いてみる。どうやら、合っているようだ。
何時に出るのかわからないので、写真を撮るのもそこそこに乗り込む。
先程のベージュの制服を着た人、駅のチケットオフィスの人の制服だと思っていたのに、この人も列車に乗り込む。この人は列車の関係者ではないのか…?

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車内はかなり空いている。オンライン予約システムの画面では、どこもいっぱいで一つしか空きがなかったのに…。
(その後、何駅か止まる間にだんだん人が増えてきて、あの予約状況は全部が嘘でもなかったのかな…?と思うに至る)

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大きい荷物を持って一人で移動しているとき、困るのはトイレだ。これを持って入るのは、かなり困難…。もっと早くパックセーフ(荷物用鎖かたびらみたいなやつ。荷物を固定できる)を買っておけばよかった…。とりあえず人が少ない間に、ササッとトイレに行こう…。

(残念ながらあまりきれいなトイレではなかったが、鉄格子みたいな窓から外が見えるのは旅情があってよかった)

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タイ時間の18時、マレー時間の17時に出発。マレー時間であれば定刻通りの出発なわけだが、タイ時間であれば1時間遅れての出発。むむむ…?

17時3分、誰かが車内にSIMカードを売りに来る。たぶんこの調子で、ご飯も売りに来るのではないかと予想。冷房が寒いので、バックパックからパーカーを取り出して、着る。

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17時51分、また鶏だな!と思いながら、売り子さんからフライドチキンを買ってしまう。(フライドチキンが好きすぎる問題…)40バーツ。お米と、スイートチリソースもついている。

かなり冷めていて、悲しい。お米も強飯の柔らかいの、みたいになっているが、これは案外おいしい。結構お腹いっぱいになる。

窓の外は、夕方の金色の光が注いでとても美しい。
これが見られただけでも、鉄道の旅をスケジュールに入れていてよかった、と思う。南国の植物の大きな葉っぱや、お父さんとおぼしき男性に止めてあるバイクに乗せてもらう子供などを眺めていると、気持ちが落ち着く。朝日も絶対にきれいだろうなあ。楽しみだ。

しばらく外の様子を撮影したりしていると、通路を挟んで隣の座席にかけており、サッカーのユニフォームみたいな黄色い服を着たまるっとした中年の男性が英語で話しかけてくれる。

どこから来たんですか、と聞かれて、ジャパン、というがやはり伝わらない。トーキョーというと伝わる。タイで起こるこの現象は、引き続き謎である。マレー人かと思った、と言われる(私はどんどん、なに人なのかよくわからない見た目になってきている)。バンコクのどのあたりに泊まるのか、学生なのか、前はなんの仕事をしていたのか、等聞かれて答える。フレンドリーな、柔和な感じの方と話せて、盗難を警戒していた気持ちがちょっとほぐれる。

まるっとした方の向かいには、私とほぼ同じ駅から乗り込んできた小柄なおじいさんがいる。おじいさんは、大きな黒いビニール袋を持っているから、売り子さんなのかと思っていたがそうではないのかもしれない。たぶん私が日本人とわかったからか、あなたの名前を漢字で書いてみてほしい、と言われ、おじいさんに差し出された紙とペンで書く。おじいさんは、それを中国語読みしてくれる。彼は英語は話さないけど、中国語ができるのかもしれない(自身のことを指差して、漢字、と言っているのでたぶんそうだと思う)。

その後、車掌さん?が切符を切りに来て、「座席が間違ってるよ」と言われる。

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たぶん寝台車のときは、赤字の座席番号を見ないといけなかったみたい。1区画で4人分チケットを売ってるとしたら、どうやってベッドにするんだろう…?(ベッド化は、二人分しか無理では…?)と思っていたので、謎が解けた。話しかけてくれた二人に、座席が間違ってたんだよねえ、と話し、手を振って別れて、少し遠くの席に移動する。

18時35分頃、ついに窓の外が暗くなる。

18時49分、パリパリにアイロンがかかったシャツを着た乗務員さん、座席を手際よくベッドにしてくれる!そして同じ頃、オレンジ色の服を着た人が弁当っぽいものを運搬しているのを目撃する。車内食の注文を取りに来る人がいる、という情報をネットで読んでいたが、きっとこの人がとっていたんだな…気づかなかった。ちょっと悔しい(こういうときのために、事前に鶏を食べたのに)。

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19時30分頃、既に座席はベッドになってしまったのでとりあえず横になる。カーテンも取り付けられているので、プライバシーも確保されてちょっとほっとする。

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ベッド、たぶん高さは170cmくらいかな?足の裏が底面につく。背中からダイレクトに振動が来る。この寝台車は読書には向かない、とブログに書いていた方がいて、なぜかな?と思っていたが、わかった。画面が震えすぎて文字が読みにくいのだ。

23時半頃、誰かが話す声で目覚める。たぶんトイレに行くときなどに不便でないように、明かりはつけっぱなしにするのかもしれない。

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(これはトイレから撮影した写真。笑)

カーテンの外は、ぎんぎんに明るい。停車時など、揺れが落ち着くタイミングに少し本を読んだりするも、すぐに本格的な眠りに落ちる。

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けそ
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