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ポートフォリオPDF作成時の注意

そういえば、私も昨年就職活動したのよ

デザイナーが就職活動で必要になるポートフォリオ。
ここ数年は新型コロナの影響で、実物のファイルを提出する事はほとんどなくなって、PDFをネットワーク経由で送るように変わっているみたい。
私も昨年の就職活動では自分のポートフォリオ作りましたが、実物持って面接に行ったのは1回だけで、他は全てPDF提出でした。面接もZOOMで共有しながらお話する感じ。アフターコロナ。まぁそういう時代なんでしょう。

今どきの就職活動で重要なこと2点

重要なのは、オンラインでの面談をする上での自宅の環境と、PDFのポートフォリオの作り方です。私は竹の台総合新聞の仕事でずーっとPDFを作って来たので、以下にPDF作成のポイントをまとめておきます。配信環境については次回。PDF圧縮について書くつもりが前提を長々と書く事になりました。
本当は全部読んで良く理解して欲しいのですが、急ぐ場合は「圧 縮」のみ読んでください。

ポートフォリオ作成手順

ブックサイズ

よくあるA4縦型を2ページ、見開きでA3横型にする造本で考えます。
見開きのPDFは閲覧環境依存で見え方が変わるため、私はA3横型1ページで作りましたが、どうもA4縦型が好きな人が多いみたいなのでここではそれで進めます。あとからPDFの設定を行うことで、見栄えもなんとかなる場合があるので後述します。

画像解像度

A4縦に対して、画像は全て横幅2500pixel以下にしておきます。A4短辺(210mm)は一般に印刷する300dpiで2480pixelになるからです。(細かい塗り足しは無視)
A3見開きの場合は倍の5000pixelです。ただしこれは印刷を前提とした解像度です。昨今多いPDF提出の場合は、1000pixelでもPC画面上ではだいたいきれいに表示されます。(見る側の環境はノートPCから4Kモニタまで条件がさまざまなのでだいたいです)

あと、メールやSNSの報告用に3000pixelなどの巨大画像を貼るのはやめてください。640pixelで十分です。前職でも社内メールに貼る画像については新人さんに色々細かく指導していました。これについては今度お伝えします。

画像モード

画像は全てRGBにしてください。PCで見る場合はもちろん、印刷の場合も昨今のインクジェットカラープリンタはCMYKよりRGBデータの方がより広い色域を印刷で再現する場合が多いのでRGBの方が良い場合が多いのです。
PC閲覧用にPDF作成後に圧縮する事を考えるとインデックスカラーにしておくのも得策ではありません。32bitRGBデータで貼り込んでください。

ページレイアウト

ページレイアウトはInDesign奨励です。最新のInDesign2022には色々なテンプレートも最初からついています。(その他のプリセット > 印刷 > シンプルな雑誌レイアウト とかここらへん)2時間程度触ればすぐに使えるはずです。そんなに難しくないと私は思うのですが、不安ならイラレでも良いです。
一応言っておきますが、ポートフォリオが20ページ以上になる場合、マスターページで複数ページの修正が一度にできるInDesignを強く進めます。1ページずつ修正するとか本当はありえないです。そういう考えがブラック企業を生むのだと思います。学生は全部入りのアカデミック版を使っているのだし、この際ちょっとくらい努力してInDesign使っても良いはず。頭を使って楽に生きてください。

  • Adobe Stockでも無料のテンプレートがあります。

  • 当然だけど有料の方が使いやすそうなの多いね。去年私はCS6しかなかったので自分でレイアウト組んだけどね。でも今はこういうのはお金出して良いと思うものを選ぶ方が早いね。私も4月くらいにはまだCC2022を入手してなかったから、学生には自分の好きな雑誌とかでかっこいいレイアウト探してそれを元に作ってねって言ってたんだけど、CC2022使えるようになったらここで選ぶだけでええやんと思います。

  • 30分でできるらしいよ。

  • イラレのフォーマットも紹介されています。一応言うときます。

PDFを焼く

これは各自うまくやってください。特別なことをせずに書き出しプリセットから、新しめの規格を指定すれば大きな問題はないはずです。わからんかったら聞いて。
おっと、忘れてた。InDesignもイラレもRGBモードでドキュメントを作成してください。画像フォーマットをRGBにしてもドキュメントがCMYKだと結局CMYKに変換されてしまします。InDesignはドキュメント設定からドキュメントプロファイルを「プリント」から「WEB」へ変更してください。
CS6などの古い環境だとRGB形式のPDF作成にさらに工夫がいりますが、最新環境だとこれだけでうまくいくはずです。

Acrobat DC PROで後処理

前置きが長くなりました。このエントリーで言いたかったのはこのセクションです。PDFはAdobeが作った規格で、PDFを編集する公式のツールがAdobe Acrobat DC PROです。ネットで検索した変なサイトでPDFを作らないこと。インストールしていない場合は、まずAcrobat DC PROをインストールしてください。これもアドビ全部入りに入っています。
このツールでは今回以下の事を順番に行います。

  1. 複数ページの結合

  2. 見開き表示(表紙の設定も)

  3. ページ開き指定

  4. 圧 縮

複数ページの結合
イラレは複数ページ対応になったため、ほとんどの場合は不要な工程です。たまたま1ページずつPDFを作っていた場合は、最初に結合します。
ファイル > 作成 > ファイルを単一のPDFに結合 でOK。

見開き表示(表紙の設定も)
A4縦型で作成すると、1ページ縦型で表示されます。画面は左右に広い長方形ですよね。そこに2ページずつ見開き表示をさせたい。その場合は以下のように設定します。表紙のみ1ページで表示させます。
ファイル > プロパティ > 開き方 > ページレイアウト > 見開きページ(表紙)
ただ、これ全てのPDFビュワーできちんと反映されるわけじゃないのです。公式のPC版最新Acrobatであればうまくいくみたいです。iPad版Acrobatはアプリの表示指定で上書きされます。環境依存をさせないために私はA3横で最初から組んでいます。これなら確実に横長で表示されます。こちらは、見る人のリテラシーに依存しますが、そんなに気にするところではないでしょう。

ページ開き指定

たいていの場合、ポートフォリオは横書きです。従って、左綴じ(左開き)になります。これが間違っていると見開き表示のページが左右入れ替わってしまいます。Acrobatで正しい設定になっているか確認してください。
環境設定 > 言語(左側タブ) > デフォルトの読み上げ方向  > 左から右へ
「左から右」が左綴じを指すようです。(2022.9.6修正。逆でした。文章修正済。すいません。)
再生環境でテストする場合、確認する事は2点あります。

  1. 見開きに左右のページが左から右へ進む順になっているか。(順番が正しい)

  2. iPadなどで右方向にページが進んでいくか(スクロールが正しい)

これも正しい挙動が再現する環境は少ないです。iPad用Acrobatで、1はうまくいくけど2はダメです。全て横書きの本扱いで左綴じになります。幸いなことに、ポートフォリオは横書きなのでOKです。日本人の縦書きの本は読みづらいです。従って私は専用のSideBookで縦書きの本を読んでいます。

圧 縮

元々ここをわかって欲しくて書き始めました。ただ前提がなってないと意味がないのでここまで延々と書きました。単に圧縮したい場合はここから読むだけでOKです。
これまでの説明では、アフターコロナでPC画面用のPDFが主流になってきたけど、印刷も可能な解像度でPDFを作成してきました。
もちろん、何も考えずに大きな画像でPDFを作った場合でも対応しています。

このままの印刷用の大容量のPDFでは、企業にポートフォリオを提出する際の上限を超えてしまい提出ができません。学校のサーバーもすぐにいっぱいになるし、先生も開けるたびに重くてイライラして残業をしてしまいます。

そこで100MB以下を目標に圧縮をします。
ファイル > その他の形式で保存 > 最適化されたPDF... です
プリセットは「標準」でやってみて、どうしても100MB以下にならない場合のみ「モバイル」を使ってください。

Acrobatでのサイズの縮小 他に「ファイルサイズを縮小」などがあるけど惑わされないように

元のPDFは印刷用においておき、圧縮したPC閲覧用データを別名保存するのをお忘れなく。
プリセットの中身の説明は省略します。印刷に関する知識が必要なので説明が更に長くなってしまうからまたにしましょう。


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