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YAUTEN アーカイブス【YAU STUDIO②GC Magazine編】

5月20日〜27日まで有楽町ビル10FのYAU STUDIOを中心に開催された「YAU TEN」。今回はYAU STUDIOの展示風景写真から、GC Magazineメンバーの作品をお届けします。


原 加那子 Kanako Hara

🏠✨️

家を蜘蛛の巣状にして、ドーナツ化現象が起きている有楽町を人の住む街にしようと計画した。行く先々で表札を撮影し、制作した家に引っ越しさせた。表札は家庭を示し、そこに家があることを強調させるものと言える。有楽町では見かけることがない表札が集まるこの家は極めて珍しいものではないだろうか。オフィス街としての認識から人の住む場所という新しい有楽町を制作した。


中崎 大河 Taiga Nakazaki

《Negative of preliminaries》

自らの芸術実践の中で、重要な役割を持つ金型造りとキャスティングをデジタル領域で展開し、有楽町エリアの金型を3D モデルで制作した。ここで可視化されたのは普段の生活では意識に上らないであろう、公共性を持った空間である。そこには人々の夢や期待、想像が充満していると中崎は考える。新しい空間の経験を可能にするだけでなく、この金型(アナログ写真でいうネガ)は、急激な新陳代謝を繰り返し変性していく都市、東京の形状の記録としての一面をも持ち合わせるだろう。


安藤 みやこ Miyako Ando

《訪問》

有楽町内の壁、地面、オブジェなど目に入るところにある表面のテクスチャーを紙と粘土で写し、街から剥がすことで、有楽町の痕跡を持ち帰ることを試みる。


黒瀧 倫太郎 Rintaro Kurotaki

《I'm a mover》

自分自身のことを考えるとどこにいても自室にいるような感覚を可視化するため、これまで作品制作してきた。有楽町でも、滞在したスタジオでの感覚を同じように立ち上がらせる。本作では、無人の日比谷公園を走る草刈りロボを見かけたところを出発点に、自室の間取りをスキャンさせた掃除ロボに展示室を清掃させる。床に置いた部屋の模型がロボにより移動していく。プライベートと公の場が曖昧になる本作は、様々な場所に存在させていくことで完成する。


横山 渚 Nagisa Yokoyama

《Window》

かつて有楽町エリアが埋立によって造られた土地であることを出発点に、カメラオブスクラを用いてYAU STUDIO と地下にある理容室跡を、窓というモチーフによってつなぐ。カメラオブスクラに投影された像はスマートフォンに記録される。映像はリアルタイムで地下に転送され、光学的な再構築を経て映し出される。記録すること、見ることの狭間にあるものについて模索している。5月20 日11 時より18 時まで、新有楽町ビル地下1F 理容室跡にて、投影された像にドローイングを行うパフォーマンスを予定。


宮本 十同 Judo Miyamoto

《The twisted border》

東京の中心には異空間が存在している。神話と現実が入り交じる皇居は、お堀と森の木々に囲まれ、輪っかのような形をしている。我々はこの異空間を見ることも立ち入ることもできず、皇居ランナーのように境界線沿いを周ることしかできないのだ。しかし、この境界線沿いを周っていると、どこか自分が輪っかの一部となり、異空間と繋がっているように思えてくる。もしかするとメビウスの輪のねじれのようにいつの間にか異空間の中へ入り、いつの間にか出ていたのかもしれない。本作はその異空間をメビウスの輪に見立て制作した。


荻原 諒子 Ryoko Ogiwara

《Hard and Soft》

約100 年間、大丸有エリアの街を地下で支え続けてきた存在を通して、現代の同エリアにおける街の再構築を考察する。


原 向日葵 Himawari Hara

《Layers》

約145 年前から年代別に作られた古地図「東京時層地図」から、大きな通りやビルの位置などに今と大きな変化がないことを知る。今では地図をスマホやパソコンで一画面に拡大縮小しながら場所を把握できるが、インターネット普及以前には、そのような見方ができなかった。古地図をスタジオ内に設置して人が踏み、破れた紙をレイヤーとして重ね合わせ、インターネット普及前と同じように身体を使って見ることを通して有楽町と地図の見方の移り変わり、また「見る」という行為にある身体の必然性を表現した。


Radio Studio TPR

YAU STUDIOでの4ヶ月間のスタジオプログラムを経て、YAUTENの会場でアーティスト達は何を語ったのか。ぜひRadio Studio TPRもお聞き下さい。


All images © TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH PROJECT

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