T-POPS的80年代アイドルソング「裏」ベスト100女性編(3)

 現在「80年代的」な雰囲気を身にまとったPOPSが1つの潮流になってきておりますが、あくまでニュアンスをなぞっているだけであって。やはりその時代の空気というものはその時代の「音」でしか体現できない部分があります。最近再現ライブなるものが流行ですが、それでもなお当時の空気感は戻せません。時代の空気は、その時代の「音」はCDやレコードといったパッケージの中に、そのレコーディング音源の中にこそあると個人的には考えております。
 そんな80'sの時代の「音」が詰まった今回の「裏」ベストシリーズ、本日は折り返し地点の第60位〜41位までです。それではスタート!



60位:「予感のスコール」 うしろ髪ひかれ隊 (1988)

 作詞:サエキけんぞう 作曲・編曲:後藤次利

画像1

アルバム「BAB」収録。眉毛担当の斉藤満喜子ソロ曲。ガンガン鳴るスネアのおかげか随分とインダストリアルなサウンドに。地味めのメロディもアイドル性の高い2人の陰に隠れた立ち位置を想起させます。


59位:「モザイクの城」 中森明菜 (1986)

 作詞:FUMIKO 作曲:小林明子 編曲:鷺巣詩郎

画像2

アルバム「Crimson」収録。明菜meets鷺巣サウンド。ビシャビシャなシンセベースにせわしなく走り回るひきつりシンセ等鷺巣色全開。控えめで大人なメロディは「恋におちて」大ヒット後の小林明子仕事。


58位:「ボディアクション、ダンスじゃないわよ」 
中村容子 (1986)

 作詞:冬杜花代子 作曲:タケカワユキヒデ 編曲:田中公平

画像3

「超新星フラッシュマン」挿入歌。ボーイッシュアイドルだった彼女が戦隊ヒロインに。かけ声サンプリングに耳がいきますが、間奏のノンエフェクトな剥き出しシンセソロが実に素晴らしい。


57位:「予感」 斉藤由貴 (1986)

 作詞:斉藤由貴 作曲:亀井登志夫 編曲:武部聡志

画像4

アルバム「チャイム」収録。アイドル史に残る名バラード。当時のテクノロジーな音楽が氾濫する中で恐ろしい程のナチュラル感でピュアテイスト全開。流麗なストリングスの中で乾いたメタリック音をアクセントにするのも良い。


56位:「悪戯な小鳥」 安田成美 (1984)

 作詞:松本隆 作曲:大村雅朗 編曲:萩田光雄

画像5

シングル「銀色のハーモニカ」B面。全体を包み込むリバーブの絶妙な響き、ラストの感動的なギターソロからのストリングスの入り方など大村雅朗&萩田光雄の80's王道バラードに対する完璧なプロ仕事に脱帽です。


55位:「だから南向き」 麻田華子 (1988)

 作詞:秋元康 作曲:小森田実 編曲:井上ヨシマサ

画像6

アルバム「13+」収録。当時13歳の年少アイドルらしいカラフルポップチューン。キュートで軽快なサウンドを井上ヨシマサが形づくり、コモリタミノルが隙のない高音を生かした旋律で彼女の魅力を最大限に発揮。


54位:「時からの誕生(パフォーマンス)」 黒木香 (1988)

 作詞:荒木とよひさ 作曲・編曲:江夏健二

画像7

アルバム「小娘日和」収録。クールでキレのあるテクノなリズムに乗るポエトリーリーディング。作編曲の江夏健二は中国人ジャズ音楽家で、成田勝といいキワモノの打ち込み曲はジャズ畑担当なのか。


53位:「YOKOSUKAルール」 本田美奈子 (1986)

 作詞:秋元康 作曲:筒美京平 編曲:大谷和夫

画像8

アルバム「LIPS」収録。スラップベースの効いた跳ねまくるロック歌謡。短く刻むシンセのリズム感も良く、Bメロからサビへ移るあたりの盛り上げ方が巧みです。パフォーマンス度の高い歌唱も魅力。


52位:「地下鉄におけるスタンリーキューブリック的考察」 奥田圭子(1985)

 作詞:秋元康 作曲・編曲:見岳章

画像9

アルバム「クレッシェンド」収録。見岳章お得意のヨーロピアンエレポップ。間奏では無線ボイスのコラージュでギミックも忘れません。連打連発のマシナリードラムが特に面白い。


51位:「Rainy Night Lady」 ラ・ムー (1988)

 作詞:田口俊 作曲:和泉常寛 編曲:新川博

画像10

アルバム「Thanks Giving」収録。のっけから圧倒されるズシッ!というスネア音色。これに尽きます。バックに散りばめられるシーケンスも美しいレイト80'sなリゾートPOPS。


50位:「「嘘つかない」ってウソ」 我妻佳代 (1988)

 作詞:森雪之丞 作曲:和泉一弥 編曲:鷺巣詩郎

画像11

アルバム「Merry! Go Round」収録。このアルバムの鷺巣仕事は凄まじい。この曲もピアノ&シンセによるダンサブル感が絶妙。加えてノイズやSE的シンセの異常な引き延ばしのタメは異常。


49位:「一幕のComedy」 原田知世 (1986)

 作詞:湯川れい子 作曲・編曲:後藤次利

画像12

アルバム「Soshite」収録。後藤次利のアクの強さと原田の繊細なキャラが相殺されて絶妙な味に。サビはまさにキラーフレーズで入り方で一発持ってかれます。ストリングスの入れ方もオシャレこの上ない。


48位:「Down Town Boy」 小泉今日子 (1988)

 作詞:小室みつ子 作曲:小室哲哉 編曲:戸田誠司

画像13

アルバム「Beat Pop」収録。モロTMネットワークを狙った小室哲哉作曲。しかし編曲の戸田誠司がさらに人間的ノリを無視したプログラマブルなアレンジに進化させ、サイバー度がUP。


47位:「お願いスピルバーグ」 伊藤つかさ (1984)

 作詞:岩里祐穂 作曲:見岳章 編曲:清水信之

画像14

アルバム「オススメ!」収録。ELO路線を狙ったタイトル通りSF映画チックなエレポップ。そんあスペイシーなサウンドはお手の物な清水信之の壮大なシンセオーケストレーションが躍動しています。


46位:「ヒューマンタッチ」 セイントフォー (1984)

 作詞:岩里祐穂 作曲:岩里未央 編曲:船山基紀

画像15

アルバム「ザ・オーディション」収録。悲壮感漂うイメージの彼女達の1stアルバムにして希望に満ちた開放感溢れるポップソング。軽快なリズムとキラキラした岩里未央の青春メロディが爽やか過ぎます。


45位:「よい子は恋泥棒」 島田奈美 (1986)

 作詞:サエキけんぞう 作曲・編曲:福原まり

画像16

アルバム「放課後のスケッチ」収録。メルヘンチックなサウンドの構築は福原まりの得意技でほぼSHI-SHONEN。しかし島田の歌とユニゾンで福原がコーラスを重ねたため福原が主役を食う面白い現象に。


44位:「Can't Take My Eyes Off Of You」 少女隊 (1987)

 作詞:Bob Crewe 作曲:Bob Gaudio 編曲:丸山恵市

画像17

12インチ「FROM SANTA CLAUS VILLAGE」収録。某有名曲のリメイクをさらにダンスリミックスに。これ以上ないド派手なドコドコリズム&オケヒット。


43位:「魔法の時間」 真璃子 (1986)

 作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:山川恵津子

画像18

アルバム「真璃子」収録。リバーブの膜に包まれた幻想的POPS。爆音ドラムにカッティングで主張するギターの音響面でも厚みが半端ない。実験性と冒険心が感じられる山川恵津子&森達彦の研ぎ澄まされたセンスが光る。


42位:「水の中のナイフ」 杉本彩 (1988)

 作詞:森雪之丞 作曲・編曲:勝又隆一

画像19

アルバム「水の中の小さな太陽」収録。レゾナンスの効いた濃いシンセベースとシンセ&80'sドラムなアーバンファンクポップ。後に米米クラブのサポートを務めるジュリアーノ勝又が作編曲。後半はシモンズ乱れ打ちの鷺巣風はしゃぐシンセブラスで聴かせます。


41位:「リボンとやきもち」 伊藤つかさ (1984)

 作詞:岩里祐穂 作曲・編曲:清水信之

画像20

アルバム「オススメ!」収録。大貫妙子を彷佛とさせるほのぼのエレポップ。 これも清水信之シンセワークの真骨頂ですが、特にシンドラ風音色の連打から高速ディレイでブーンッと言わせる遊び心に乾杯。














いいなと思ったら応援しよう!