T-POPS的アイドルソングベスト100女性編(1)
これは2015年1月から2月にかけてTwitter上で企画した一口レビューシリーズです。T-POPSとは「TECHNOLOGY POPS」の略称です。もともと「TECHNOLOGY POPS」は、電子楽器などをセンスよく利用して制作されたPOPS、という大きなくくりで私が便宜上名付けたジャンル名でして、テクノポップやニューウェーブ、プログレッシブロック、ハードロック、シティポップ、アイドル歌謡、アニメソング、ネオアコースティック、等々のジャンルに縛られず、サウンド面の印象を切り口としたものです。端的に言えば、私の好きなタイプの音が聴ける楽曲(笑)、という身も蓋もない枠組みなので、特にお気になさらず見逃していただければと思います。
で、このアイドルソングベストシリーズですが、きっかけとなったのは雑誌「レコード・コレクターズ」2014年11月号の特集「1980-1989 日本の女性アイドル・ソング・ベスト100」でした。非常に興味深い企画だったのですが、ここで自分が選ぶとしたらどうなるか、というモチベーションが当時は高まっていましたので、手軽にTwitter上の企画として実施したのでした。
というわけで、別邸企画第1弾は、「T-POPS的アイドルソングベスト100女性編」の再掲です。ベスト100ということですが、このランキングはシングルA面縛りでした。ランクの順番は当時の気分ということで。なお、Twitterでは140字の制限があり掲載できなかった、作詞者・作曲者・編曲者のデータを追加しておきました。なお、100曲全ては長過ぎるので、1つの投稿につき10曲とします。今回は100位から91位までです。ではどうぞ。
100位:「エスケイプ!」 五十嵐いづみ (1987)
作詞:石川あゆ子 作曲:朝倉紀幸 編曲:芳野藤丸
ドラマタイアップのためジャケがコマンドーですが、曲調もハードでロックな歌謡メロディ。何といってもダラッと歌が流れていって最後の「ゲッバッ!デンジャーゾーン↓」の語尾下がりが魅力的です。
99位:「ティーンエイジ・セレナーデ」 里中茶美 (1989)
作詞:松本隆 作曲:小森田実 編曲:佐藤準
DA PUMP ISSAのお姉さんのデビュー曲。歌の上手さが有名な彼女ですが、佐藤準のアレンジが無駄にコロコロしてるのは89年らしい。間奏のバスドラ連打に控えめなスラップが楽しいです。
98位:「哀愁エクスプレス」 佐野量子 (1988)
作詞:有川正沙子 作曲:牧野信博 編曲:鷺巣詩郎
武豊の奥様の列車モノ。全般にストリングスで盛り上げながらもリズムはエレドラ含めてしっかり80's。大仰過ぎて臭さ全開のピアノソロがハイライト。この派手さも鷺巣アレンジの嗜みですね。
97位:「男のコになりたい」 酒井法子 (1987)
作詞:三浦徳子 作曲:Frankie. T 編曲:萩田光雄
騒がれてしまいましたがこのデビュー曲は別の意味で驚かされました。落ち着きあるサウンドが定評の萩田光雄編曲でまさかこんな安直なイントロが。彼女のじゃじゃ馬なキャラを想起させる名イントロだと思います。
96位:「雨に消えたあいつ」 伊藤智恵理 (1987)
作詞:戸沢暢美 作曲:岸正之 編曲:新川博
こちらも歌が上手いと定評の名曲。知名度が少し低くてもこの曲は本当に良くできていて、特にサビの入り方が絶品です。後半転調して最後はカラッと冬晴れになるサウンドの演出がニクいですよね。
95位:「DESIRE-情熱-」 中森明菜 (1986)
作詞:阿木燿子 作曲:鈴木キサブロー 編曲:椎名和夫
言うまでもない大ヒット曲ですが、なーんてね♪の後のゲートタムが全てを持っていくので個人的には普通にテクノ歌謡です。イントロのシンセ、ハンドクラップ、スラップ等デジタルシンセの宝庫のような曲。
94位:「唇のプライバシー」 河合奈保子 (1984)
作詞:売野雅勇 作曲:筒美京平 編曲:鷺巣詩郎
魅惑のベースラインに乱れ打つシモンズ、チープなシンセ・・イメチェンを狙う彼女だったのですがやはり鷺巣アレンジにかかればやりたい放題にw サスペンスな間奏もシモンズ&オケヒットが暴れん坊です。
93位:「New Season」 森高千里 (1987)
作詞:HIRO 作曲・編曲:斉藤英夫
80年代も末になるとドラムも叩くよシンセも弾くよアイドルが登場。ロック風味なイメージですが余りに曲が青春過ぎて眩しい。その後ブレイクよりも、やはりこのデビュー曲の不安げなシンセ?ソロが魅力的。
92位:「花の精-わたしのOn-Air-」 沢田玉恵 (1986)
作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:武部聡志
歌がうまいのに2曲で消えていったこの人も歌が上手いアイドルの1人。明菜路線のデビュー曲ですが顔は素朴でした。86年の武部サウンドですが崩れていくような残響音イントロが美しいです。
91位:「夢・恋・人。」 藤村美樹 (1983)
作詞:松本隆 作曲・編曲:細野晴臣
80年代前半を席巻した松本隆&細野晴臣コンビの名曲。こうしなきゃOKが出なかったと思わせるほどの定番シンセベースライン。元キャンディーズとか別にしてこんなジャストなリズムに憧れたこの頃でしたね。