孫泰蔵もやらないから自宅でDNA抽出実験をやってみる③DNA抽出実験リベンジ!
前回までの記事はこちら↓
こんにちは。
前回までの記事↑で、キットを使ったDNA抽出実験を試みましたが途中でトラブルが起き、断念しました。
そこで、より正確なサンプルの量を量り取るためのはかりと、回転数や時間をしっかりと確保できる遠心分離機を購入しました。
今回は、これらの機材を使って、実験にリベンジしたいと思います。
サンプル採取
まず、はかりを使って、前回と同じ4つのサンプルを採取します。
採取したサンプルの重さ。↓
ハサミで切り刻み、ピンセットでチューブの中に入れていきます。↓
切り刻む際に少しだけサンプルをロスした可能性があります(=先程の写真より少し軽めの重さの可能性)。
先が尖ったピンセットを使ってサンプルをつつき、さらに細かくします↓
サンプルの溶解
↓サンプルに200ulのTL(溶解)バッファーを加えます。
↓そこに、冷蔵解凍したProteinaseKとRNaseを入れ、ピペッティングします。
操作後のサンプル↓
↓60℃で加熱し、組織を溶解します。
30分経ったところでピペットの先で組織をぐりぐり潰し、ピペッティングで混ぜて組織を溶かします↓
↓再び10分加熱します。サンプル②が一番溶けていなかったので、そちらを集中的に溶かします。
加熱後のサンプル↓
カラムでの精製
GBバッファーを加えます↓
加える際には組織の破片が残っていたサンプルもありましたが、ピペッティング後は目視で見えなくなっています。
加えた後のサンプル↓
前回ではやりませんでしたが、マニュアルには軽く遠心し蓋についた液を落とせと書いてあったので、軽く遠心します↓
↓サンプルをカラムに移します。
移す際に白いものが見えていました。
泡か、溶け切れなかったサンプルだと思われます。
8000rpm,1分遠心します↓
前回はカラムが通らなかったから、通るか心配です。
どうだっ!!
↑おお!うまくできてます!
操作通りにWAバッファーを加え、8000rpm,1分で遠心します↓
次はWA2バッファーを加え、同じ条件で遠心分離します↓
高速で遠心し、カラムの底のエタノールを完全に落とします。
本来は13000rpm、1分でやるみたいですが、買ったやつはそこまで出ないので10000rpm、2分で代替します↓
カラムを取り外し、エタノールがついていないことを確認して↓
1.5mlチューブにはめ、DNAを溶解するためのEAバッファーを加えます↓
キット付属のチューブよりも、持ってたチューブの方がよくはまりました。
しまった!
実は、EAバッファーは加える前に60℃で余熱する必要がありました。
余熱する前にEAバッファーを加えてしまいました。
応急処置としてチューブを60℃で1分加熱します↓
1.5mlチューブに熱湯が入るため、新しいものに取り替えて冷まし、少し置いたあとに↓の上写真のような配置で8000rpm、1分で2本ずつ遠心します。
遠心後のサンプル↓
考察
はかりで規定量を量れたこと、そして新しい市販の遠心分離機を使ったことで、前回の実験ではできなかったカラムでの濾過を行うことができました。
ただ、「EAバッファーをあらかじめ60℃で予熱する」という操作を忘れてしまいました。
マニュアルによると、EAバッファーの予熱はDNAを溶かしやすくするので、DNAの量が下がっている可能性があります。
次回は、もちろんEAバッファーの予熱を忘れないようにし、似たようなミスがないようマニュアルをもっと読み込んでおきたいと思います。
次回の記事↓