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孫泰蔵もやらないから自宅でDNA抽出実験をやってみる④DNA抽出3回目

前回までの記事↓


こんにちは。


前回、DNA抽出実験の方法(プロトコル)を改良し、あと一歩というところまでやってきました。

今回は、3回目の実験をしていきたいと思います。
 


サンプル採取

サンプルを4つ採取していきます。

各サンプルの重さ。↓

サンプル①
サンプル②
サンプル③
サンプル④

前回同様、組織をハサミで切り刻み、ピンセットに付けて……↓

マイクロチューブの中に入れます。↓

↓先が真っ直ぐのピンセットで、サンプルを下の方によせながら、潰してサンプルの用意完成です。

用意できたサンプル↓

サンプル①
サンプル②
サンプル③
サンプル④

サンプルの溶解

続いて、バッファーを加え、組織を溶かします。

まず、TLバッファーを200ul加えます。↓

↓冷蔵解凍したProteinase KとRNaseをそれぞれ20、10ul入れます。

Proteinase K
RNase

できたサンプル↓

サンプル①
サンプル②
サンプル③
サンプル④

今回は器具を使って、サンプルをバッファーによく浸かるようにし、組織が解けるようにします。

↓の道具(じゃがいも潰し器)に

マイクロチューブを付けて↓

↓湯につけます。これでチューブが立った状態で熱せられ、溶解が進むはずです。

このまま30分放置します。


あれ?

サンプル①以外のサンプルが、あまりよく溶けていません……

今回の加熱で攪拌せずに加熱したからでしょうか。

サンプル①はきちんと溶けています↓

数回加熱・ピペッティング後のサンプル↓

サンプル①
サンプル②
サンプル③
サンプル④

サンプル①以外は微妙ですが、一応操作を頑張ってみます。

GBバッファーと無水エタノールを加えます。↓

加えた後のサンプル↓

サンプル①
サンプル②
サンプル③
サンプル④

↑目視ではわかりにくいですが②、③、④は肉片が混ざっています

ふたの液を落としたり組織片を沈殿させるため、1000rpm、1分で遠心します↓

サンプル濾過

↓溶液をカラムに移します。
したの方に肉片があるので①以外はそこの部分は取らないようにします。

↓8000rpm、1分遠心します。

遠心した後の各サンプル↓

サンプル①
サンプル②
サンプル③
サンプル④

2番と4番がたまってるな……

そういう場合、マニュアルに従い、透過するまで10000rpmで遠心します↓

1分遠心したところ、見事透過しました↓

サンプル②
サンプル④

↓WA1 バッファーを500ul加え、8000rpm、1分で遠心します。

↓遠心後のサンプル。今回は全て透過しています。


サンプル①
サンプル②
サンプル③
サンプル④

W2バッファーを加え、同じ条件で遠心します↓


↓カラムの底を取り替え……

↓10000rpm、2分で遠心し、カラムに付いたエタノールを落とします。

↓カラムをマイクロチューブにはめます。
付属品より、持っているやつの方がうまくはまります

DNAの溶出

最後に、EAバッファーを予熱して、それを加えてDNAを絡むから溶かし出します。

マイクロチューブでEAバッファーを予熱します。

必要なのは1サンプルあたり200ulなので200×4=800ul入れ、予熱します↓

EAバッファーをスピーディーに加え、5分間室温でインキュベートします↓

↓の位置でチューブを2本ずつセットして

8000rpm、1分遠心を2回して実験終了です。

できたサンプル↓

サンプル①
サンプル②
サンプル③
サンプル④

↓カラムを外し、ラベリングします。

↓ジップロックに入れて、冷凍庫に入れて完了です。

考察

前回の記事の反省から、マニュアルのプロトコルの把握、EAバッファーの予熱を行いました。

EAバッファーの予熱により、カラムから効率よくDNAを溶かすことができたと考えています。

一方で、今回編み出した、ジャガイモ潰し器を使った加熱法では、組織の攪拌がなく、組織が溶けづらいことが分かりました。

また、最初の段階で溶解を効率よく行わないと組織が固くなり、さらに溶解しづらくなることが分かりました。

ただ、ジャガイモ潰し器の加熱法は、EAバッファーを加熱するときには役に立ちました。

DNA抽出実験をする際は加熱方法の使い分けをしっかりとしたいと思います。


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