青葉賞 2020【予想】
先週のフローラステークスと同じく、重賞実績がない1勝クラス上がりでも通用するレース。
過去5年の好走馬を見ても前走が1勝クラスだった馬が15頭中12頭を占めており、
中でも2200m以上の距離を使われていた馬がほとんどで11頭が長い距離を使われていた。
本日の1勝クラスのマイル戦が1分32秒1で決まっているように速い時計が出る馬場への対応も求められそう。
また、昨年こそ逃げたリオンリオンが3角前からペースを落としての瞬発力戦になったが、基本的にはダービーへの出走権を賭けた馬が多いことから、勝負処から11秒台のラップを刻む持続力戦になりやすい傾向。
コーナーから長い直線での争いになることは前走での上がり順位にも現れており、前走でメンバー2位以上の上がりか、せめて3位以内の上がりを使っている実績が欲しいところではある。
①フィリオアレグロ(△)
デビューからの2戦はいずれも道悪での競馬。半兄サトノクラウン(父Marju)は道悪の鬼だった馬で、父がハーツクライの半姉ポンデザールは4勝のうち3勝が北海道の2600m。本馬は父ディープインパクトだからスピードとのバランスでいえば一番だろう。実際、新馬戦での上がりは重馬場ながら34秒4。
高速馬場の1800mだと怪しいが、スタミナも必要になる東京2400mなら大丈夫だろう。
前走の共同通信杯(3着)で伸びを欠いた要因は馬場よりも約4か月ぶりで18kgの馬体増であったように思うが、暖かくなって絞れているようだし、ロスなく運べる最内枠に鞍上はレーン騎手。同厩のサトノフウジンを来週のプリンシパルステークスに回して必勝体制。
ただ、冒頭で述べたように重賞での実績よりも距離経験や過程を買いたいレース。前走の共同通信杯のレベルも疑っているし、取りこぼしは十分にあると見ており、勝たれたら仕方がないと諦める。
②アラタ
新馬戦は①フィリオアレグロに1秒8差つけられての8着に敗れた。雨と雪の影響で稍重発表ながら力の要る馬場コンディションをメンバー最速36秒9の上がりで差し切った未勝利戦の勝ち時計が2分5秒5だったようにスタミナならここに入っても見劣りしないが、このクラスではスピードが足りないと見る。
③オーソリティ
新馬→芙蓉ステークスの連勝が1000m通過65秒9、64秒3でいずれも10頭立て以下の楽な競馬。続くホープフルステークスと弥生賞ではワーケアに続けて敗れており、ダービーを展望する器ではないと見ている。
距離延長を歓迎する記事も見られるが、「使える脚が短く機動性に優れている」が個人的な見解で、東京2400mよりは中山2000mだと思っている。
戦ってきた相手が違うことは承知の上で今回は軽視したい一頭である。
④ブルーミングスカイ(△)
勝ち時計が2分29秒5も掛かった2400mの梅花賞を勝っているが、1800mだった未勝利戦を7馬身差で勝ったようにスタミナ一辺倒の馬ではなさそう。
前走のように瞬発力勝負では分が悪いので、長く脚を使う競馬が理想だろう。
その上で、テン乗りとなる北村宏騎手が持ち味を引き出せるかには不安があるが、もう少し評価されてもいい低人気には思う。
⑤ディアマンミノル
④ブルーミングスカイが勝った梅花賞で1馬身差の2着。次走のゆきやなぎ賞では⑦ヴァルコスから0秒6離された5着に敗れ、皐月賞を賭けて連闘で挑んだ前走の若葉ステークスが1秒7差の8着。
デビュー時464kgだった馬体は452kgになり、今度はダービーへの挑戦権を賭けて臨むが、新馬戦で負かした相手もまだ勝ち上がっておらず、ここではさすがに厳しいのではないか。
⑦ヴァルコス(○)
前走のゆきやなぎ賞では早めロングスパートから差し切るスタミナを感じさせる競馬だったが、未勝利戦勝ちは1800mでスタミナ一辺倒ではなさそうで、ノヴェリスト産駒は過去3年で東京芝2000m以上【3.4.2.27】複勝率25.0%とイメージよりは走っている。
ただ、前述の未勝利戦はレース上がりが35秒4で、前走も36秒0と掛かっており、34秒2の瞬発力戦だったセントポーリア賞では0秒3敗れているから、上がりが掛かって欲しいことは確かだろう。
長い直線で脚を伸ばすストレッチランナーを育てる腕が魅力の友道厩舎2頭出しの人気薄で、過去5年のうち前走2400mで上がり最速馬は【3.0.2.1】。
鞍上の三浦騎手が友道厩舎の馬で【0.0.0.2】(直近5年)と勝負気配に乏しく思えるが、このまま低評価なら狙ってみたい人気ではある。
⑧アピテソーロ
「ブラックタイド×サクラバクシンオー×米血」の血統構成からキタサンブラックを期待したくなるが、未勝利を卒業するまでに8戦。その未勝利戦で負かした相手は2頭が勝ち上がっているが、それ以来となる約3か月ぶりの実戦でもあり、狙うには難しい。
⑨アイアンバローズ
レースをよく解っていなかった新馬戦以降は②③①②着と安定した成績で、1戦毎にレース内容が良くなっている様子。
ただ、ここ2戦が稍重で馬場状態による前進の可能性も考えられるし、池添騎手を配していたところで移動制限ルールにより武藤騎手へと変更になった点も痛い。
おそらく角居厩舎の馬への騎乗は初だと思うが、相手なりに走るタイプである可能性を考慮するまでが精一杯ではある。
⑩ダノンセレスタ(△)
デビューから4戦連続で2着して、前走の未勝利戦でこれまでの惜敗の鬱憤を晴らす2馬身半差の快勝。不良馬場~良馬場、内回りに外回りと負けても0秒3差以内で毎レース上がり2位以内をマークしている。
デットーリ騎手→ルメール騎手→川田騎手ときて、丸山騎手への乗り替わりでは鞍上弱化と言われても仕方がない面はあるが、音無厩舎の馬ではスティッフェリオとのコンビで重賞を3つ勝っており、先行力を身に着けた今なら手が合う可能性もある。
前走未勝利戦組の成績は壊滅的だが、ノーザンファーム生産のハーツクライ産駒で、相手なりに走るタイプの可能性もあるから、レース後に最強の1勝馬と呼ばれているかも知れない。
⑫メイショウボサツ
これまで8戦のキャリアを積んでおり、着外に敗れること4度。しかし、左回りの中京に限ると【2.1.0.0】
前走の大寒桜賞は本レースと相性がよく、昨年のリオンリオンを含めて勝ち馬に限ると【1.3.2.1】。
その大寒桜賞は重馬場での勝利だったが、3走前の未勝利戦はこれも中京で2分1秒7の2歳レコードで勝っており、スピードがないわけではない。
初年度産駒となる父エピファネイアは芝のレースでの単勝回収率が 161%というだけでも優秀なのだが、東京芝2400mだとサンプルがまだ少ないが【1.2.1.1】。
⑬ロールオブサンダー(△)
63秒2 - 60秒2 のスローペースに落として逃げ切った紫菊賞から臨んだ京都2歳ステークスと京成杯はそれぞれ0秒8差、0秒9差の敗戦。
東京芝2400mのエプファネイア産駒だから、無警戒にゆったり走らせてもらえれば。
⑮フライライクバード(☆)
デビューから勝ち切れないレースが続いていたが、2400mに距離を延ばして連勝。
前走のアザレア賞は勝負処から加速する4F持続力戦をメンバー最速の上がりで差し切り勝ちで、本レースに対する適性は十分。前走アザレア賞組は【3.0.1.0】と大寒桜賞組より好成績でもある。
連勝した勝ち時計はいずれも2分27秒台で、ダービーとなるとスピードの面で不安があるが、今回はおそらく24秒台での決着になりそうだから3秒近く詰める必要がある。鞍上の福永騎手は先々週のコントレイルに先週のインディチャンプと乗れている。
不安な点はその時計面と前走でも細くは見えなかったが、デビューから20kg近く落ちた馬体重はさすがに気になるところで初の関東遠征となる今回はどうなるかだろう。
⑯プリマヴィスタ
こちらはデビュー時から体重を20kg以上も落としており、前走は福島への遠征で、今回も東京への長距離輸送となる。矢作調教師の策も読めない。
⑰ディアスティマ(△)
重賞も含めて条件問わず①③③②着と崩れずに走れる先行力が武器。ズブさを距離で何とかしたいところではあるが、今の東京ではどうだろう。
置かれてしまう可能性は高いと見る。
⑱コンドゥクシオン
2勝馬ではあるが、馬場状態はそれぞれ不良と重。母父はハーツクライだが、父がダイワメジャーで良馬場の東京2400mを走るイメージが湧かない。
【結論】
本命 ⑫メイショウボサツ
来年2月で定年を迎える西浦調教師にとっては最後のダービーチャンス。幸騎手の口利きがあったのか鞍上は吉田豊騎手での挑戦となった。
移動制限による関東所属騎手に頭を悩ませるが、年明けにクリスタルブラックで京成杯を勝っており、本レースにおいても2014年に10番人気でショウナンラグーン、1997年にトキオエクセレントで制している。
ここまで時計が出る馬場への対応も鍵になりそうではあるが、馬の力があることを祈って本命にする。
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