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エプソムカップ 2021【予想】

エプソムカップ 過去

GⅠシリーズを終えて夏競馬の開幕週と同時に連続開催最終週にある非根幹距離の重賞。
別定戦だが、賞金額で重量が決まるため重賞で好走を続ける馬の出走は少なく、前走がオープンクラスでも通用するレース。

エプソムカップ 前走クラス別

出走数が多いために過去5年の複勝率12.8%に過ぎないが、その前走で3番人気以内に支持されていた馬に限れば複勝率は41.7%と期待値は上がる。

昨年シンガリ人気で3着に好走したトーラスジェミニを始め、近5年中4年で逃げ馬が3着内に好走しているレースでもあり、上がり最速馬は【2.1.0.5】と決め手だけではなく位置取りも重要。

近年は道悪での開催が続いていたが、今年は良馬場が見込まれており、外差し傾向。
時計の出方はペースもあって落ち着いた印象も、それでも速い時計は出る馬場。


①プレシャスブルー(⋯)

オープン入りするまでに29戦も要したが、本馬を除く掲示板に載った4頭の4角通過順が④①⑥⑥番手だった昨年の新潟大賞典は4角10番手で外から最速上がりで追い込む3着に好走。

重賞初勝利も期待されたが、函館記念は20kgも馬体を減らして、続く新潟記念ではさらに4kg減。
本調子でなかったことは間違いなく、夏の暑さに弱いタイプだったのかも知れない。

立て直しを図って約7か月ぶりの実戦となった前走の福島民報杯では、スロー映像に見えるほどの不良馬場であったが、勝ち馬にこそ大差をつけられたものの、2着は確保してみせた。

懸念された馬体重も前走で10kg回復しており、さらなる上昇が期待される一戦になるが、これから気温も上昇してくる季節であり、昨年の新潟大賞典を含めた過去12度の3着以内好走の内、9度が中4週以内。

33秒台の上がりを使うタイプでもなく、今回は厳しいレースになりそう。

②マイラプソディ(△)

3連勝で京都2歳ステークスを勝利し、コントレイルやサリオスとともに3強と騒がれていた時から鞍上の武豊騎手の評価は決して高くはなく、実際にクラシックは皐月賞13着→ダービー9着と望んだ結果は残せず、秋の神戸新聞杯は鼻出血を発症。

2020年は一度も3着内に好走することなく終わってしまったが、約5か月ぶりの復帰戦となった前々走の大阪城ステークスで0秒2差の5着に健闘すると、前走の都大路ステークスでは好位から渋太く粘って2着。

4角を3番手以内で通過した3頭で決まったが、ラスト1000mからのロングスパート戦で展開に恵まれた訳ではなく、騎乗した武豊騎手も追ってからの反応が今ひとつだったと話していたように、本調子ではなかった可能性もある一戦。

それだけに使われた上積みを期待することも可能で、2歳で活躍→3歳で伸び悩んで→4歳になって開花するハーツクライ産駒の可能性を考えると、10番人気なら一発に期待してみたくもある。

③ヴェロックス(⋯)

皐月賞2着→ダービー3着→菊花賞3着と三冠すべてで好走、早くに引退した皐月賞馬サートゥルナーリア、ダービー馬ロジャーバローズに代わり世代を代表する存在を期待されながら、2019年の若葉ステークスを最後に勝利から遠ざかったまま。

古馬一線級が揃っていた有馬記念はともかく、4歳の始動戦に選んだ小倉大賞典は重たい特殊な馬場が厳しかったのか9着に大敗。約10か月の休養明けとなった昨冬の中日新聞杯で3着に好走して立て直しが成功したかに思われたが、日経新春杯で再び9着に大敗。

予定していた東京新聞杯を歩様の乱れから大事を取って回避して、日経新春杯以来約5か月ぶりの復帰戦。
3着に好走した中日新聞杯のレース後に川田騎手が4角での手応えほど伸びなかったと話しており、川田騎手が手綱を譲る形で今回は浜中騎手への乗り替わり。

マスターフェンサーにしてもアウィルアウェイにしても古馬になってひと皮むけるジャスタウェイ産駒。
若駒に強い反面、古馬になってからの成長力に乏しい中内田厩舎の管理馬だけに今回は様子見とする。

④セダブリランテス(○)

体質の弱さから順調に使うことが出来ない中、3歳のラジオNIKKEI賞を無傷の3連勝で制した素質馬。

同年秋のセントライト記念も右前脚の挫跖で回避してクラシック出走は結局叶わなかったが、目標を切り替えたアルゼンチン共和国杯でスワーヴリチャードから0秒6差の3着に好走すると、続く中山金杯では中山巧者のウインブライトとのクビ差の接戦を制して、重賞2勝目を挙げた。

骨折による約8か月ぶりの休養明けで57.5kgのハンデを背負わされた新潟記念で初の大敗を喫すると、休養期間中に再び骨折。
夏バテもあって約1年3か月ぶりとなった昨冬の復帰戦ディセンバーステークスを快勝したものの、今度は浅屈腱炎を発症して約1年3か月の休養。

前走の六甲ステークスはその休養開けに加えて初めての関西への長距離輸送に1600mも初と、厳しい条件が重なった中で0秒4差の6着。
7歳馬となったが、キャリアはまだ8戦で明け4歳馬程度しか使われておらず通用する可能性はある。

6番人気は妙味として今ひとつではあるが、長期休養明けを一度使われた上積みと地力に期待。

⑤エアアルマス(⋯)

2019年の夏にダート路線に転向してから3勝クラス→エニフステークス→太秦ステークスと3連勝。
続く武蔵野ステークスは初めて砂を被る競馬になったことで11着の大敗を喫したが、昨年の東海ステークスでは重賞常連馬のヴェンジェンスやGⅠ馬インティらを抑えて重賞初制覇を飾った。

昨冬のチャンピオンズカップでは内枠を引いたことで砂を被らないようにハナを奪いに行ったが、1秒1差の10着に大敗。みやこステークスから連敗の形となったが、2019年の東海ステークスを勝った時は重馬場でスピードが活きる馬場だったものの、連敗はいずれもパサパサの乾いた砂。
スピード型の本馬にとって距離の克服が困難と言える厳しい馬場だった。

1600mに距離が短縮されたフェブラリーステークスは最内枠から上手くスタートを切って番手からスムーズな競馬。乾いた良馬場に加えて早めに後続が上がってくる厳しい展開であったが、0秒7差の5着。
掲示板は確保して地力の高さは証明してみせた。

約2年ぶりに芝へ挑戦した前走の京王杯スプリングカップは久しぶりの芝が高速馬場と楽な条件ではなかったが、10着とはいえ僅か0秒6差。
一定の目処は立てられたが、当時は高速決着への対応が難しいことからダート転向を決意しており、今回は1800mの距離も課題。

前走より時計の出方は落ち着いた馬場ではあっても、好走となると難しいように思う。

⑥ヒュミドール(⋯)

ダートの中距離で今ひとつの成績が続いたことから、芝の長距離に目先を変えた福島の芝2600mをあっさり快勝したことで路線変更。
GⅡアルゼンチン共和国杯への格上挑戦を除外になったことで1800mのノベンバーステークスに出走することになったが、メンバー最速の上がり33秒4で馬の間を割って突き抜ける快勝。

ステイヤーズステークスではメンバー2位となる上がりを使って0秒6差の5着、続く前々走のダイヤモンドステークスでも55kgのハンデを活かして5着と長距離重賞でも連続して健闘を見せたが、最後に甘くなってしまうことから距離を短縮した前々走の日経賞では、中団からメンバー3位タイの上がりで0秒6差の4着。

オープン入りしてから3戦続けて掲示板内への健闘をしていたことから、人気を集めた前走の新潟大賞典では11着に大敗。
新潟の荒れた馬場もダートでも走っているぐらいだから苦にした訳ではなさそうで、前日輸送が影響したか当日はテンションが高く競馬が難しかった様子。

折り合い面に不安のないことから長距離路線を使われてきたが、実際に使われてみると行きたがってしまい前々走の日経賞も1周目で行きたがる面が出ており、昨秋のノベンバーステークス(1800m)での快勝から中距離がベストかも知れないが、迷走しているように映る。昨秋からコンスタントに使われている心身の蓄積疲労も気になるところで、今回も様子見とする。

⑦ファルコニア(⋯)

社台レースホースのディープインパクト産駒としても期待を集めた昨春はスプリングステークスでの4着、京都新聞杯3着と出走権を逃し、秋の神戸新聞杯でも16着に大敗、クラシック出走は叶わなかった。

1歳上の全兄トーセンカンビーナは3歳秋に1勝クラス→2勝クラスを連勝。
翌年2月にオープン入りを果たすと阪神大賞典で2着に好走、続くGⅠ天皇賞でも5着に健闘したことに倣って本馬も昨秋に自己条件から再出発。

武田尾特別こそ2着に敗れたが、今春の復帰から連勝でオープン入り。
出遅れ癖の酷い全兄同様にスタートが懸念材料だったが、連勝はいずれも好スタートを切っての先行策。

川田騎手が騎乗することで人気を集めるが、高野厩舎とはレイパパレで制した大阪杯やエリザベスタワーで勝ったチューリップ賞と、重賞での活躍が目立つ。
2番人気に支持されることも納得の恐怖ではあるが、久しぶりの左回り。思い切ってバッサリ消す。

⑧アルジャンナ(◎)

東京スポーツ杯2歳ステークスでのコントレイルの2着が評価されて期待を背負い続けてきたが、当時の着差は5馬身差の完敗。
日本ダービーではコントレイルの後ろから運べたが、直線では余力なくズルズル下がってシンガリ負け。

実は右前膝に爆弾を抱えていたことから右脚を庇った走りになっていたようで、厩舎サイドとして休養させるという選択肢もあったのだが、やはり一生に一度の出走機会とあって最終的にはオーナーサイドの意向で出走する事になった経緯があった。

結局、3歳時は満足にレースが出来なかったが、先の活躍を期待してクリーニング手術も施して約8か月半ぶりの復帰戦となった前々走の洛陽ステークス。
1000m通過が62秒2→レース上がりが33秒0という超スローペースで、メンバー2位タイ32秒8の上がりを使っても届かない位置取りの差に泣く0秒2差の5着。

長期休養明けを叩かれての復帰2戦目となった前走のマイラーズカップはエアロロノアに蓋をされる苦しい競馬ながら、最速上がりで2着は死守。
洛陽ステークスでの復帰で18kg増えていた馬体重が成長分であったことを示した。

デビューから33秒台の上がりを連発しており、前走のマイラーズカップも上がり3Fは33秒7。
復帰3戦目となる今回は1週前追い切りで坂路での自己ベストを叩き出しており、順調に上昇曲線を描いている中での一戦。
池江厩舎は過去にもトーセンレーヴやサトノアーサーで勝利を挙げているレースで、ルメール騎手の確保は1勝馬の本馬にとって秋に向けて賞金を加算しておきたい必勝態勢と見える。

1番人気ではあるが、ルメール騎手の騎乗で単勝が4倍つくなら悪くないように思う。

⑨ヤシャマル(▲)

勝ち味に遅く未勝利を卒業するまでに7戦を要し、1勝クラスに昇級しても3着→6着→2着→2着。
ここで欲を出さずに休ませたことが功を奏して年明けの復帰から怒涛の3連勝。

約3か月ぶりだった年明けの一戦は510kgの馬体重。デビュー時の476kgから30kg以上も馬体を増やしての3連勝はいずれもメンバー3位以内の上がりを記録しており、ビルドアップによるパワーアップの証明。
いずれも僅差での3連勝だが、差されそうになりながらも突き放す勝負根性がセールスポイント。

東京コースは【4.2.1.1】と一度も掲示板を外したことのないベスト舞台で、1800mに限れば【2.1.0.0】。尾形調教師は「雨が降ればなお良い」と語っていたが前走の勝ち時計は1分59秒0と対応可能な範囲。

かつて1600万下条件の勝利から毎日王冠を連勝したチョウサンとふと重なったこともあって押さえる。

⑩ワンダープチュック(⋯)

4歳春に2勝クラス→3勝クラスと連勝したが、当時はまだ降級制度があったためにオープンクラスには上がれず、それから2年以上に渡って3勝クラスに。

キャリア31戦目となった昨夏の長岡ステークスは出負けしたものの、すぐに2番手までリカバリー。
遅いペースではあったが長く脚を使って勝ち切って、待望のオープン入りを果たした。

約4年ぶりの重賞挑戦だった毎日王冠こそ大敗を喫したが、カシオペアステークスではランブリングアレーから0秒5差の9着、前走のメイステークスでは約半年ぶりで16kgも馬体を減らしながら、メンバー3位タイとなる33秒9の上がりで0秒3差の4着に健闘。

昇級してからオープン特別では善戦しているが、重賞ともなると能力差を補うためには【3.1.0.3】と得意にしている重・不良が理想で、速い時計の決着が想定される今回は厳しいレースになりそう。

⑪ニシノデイジー(⋯)

もともと2000m以上の距離で【0.0.1.8】としていたように、先行勢に厳しかった昨春の目黒記念でのシンガリ負けこそ度外視できるが、続く函館記念でも1秒7離された13着に大敗。
2歳時は重賞連勝を含む【3.1.1.0】とクラシック候補にも挙がるほどの活躍も、3歳以降は【0.0..0.11】と一度も3着以内の好走ない厳しい結果が続いている。

初のマイル戦に活路を見出したかった東京新聞杯は、流れにこそ乗れたものの直線では伸びることなく13着に大敗。
約6か月半ぶりの休み明けだったことを差し引いても案外な内容で、約3か月の間隔を空けて再び中距離に戻した前走の新潟大賞典でも12着に大敗。

成長力に疑問もあるだけに今回も様子見とする。

⑫ミラアイトーン(△)

約1年半もの長期休養明けを挟んで、3連勝でオープン入りを果たすと、昇級初戦だった鞍馬ステークスでもメンバー最速タイの上がりで差し切って4連勝を飾ったのが約2年前。

以降は12戦も勝ち星から遠ざかっているが、昨夏には巴賞でトーラスジェミニから0秒2差の2着に好走、GⅢ関屋記念でも0秒2差の5着に健闘。
昨秋から骨のある相手にリステッド競走で3戦連続して3着に好走している。

今回は1800mへの距離が延びるが、昨夏の巴賞で2着に好走しており、【1.1.0.0】と不安はなく、もともと暑い時期に強いタイプで中5週以内は【3.1.2.3】。
15番人気なら3着でいいので激走を期待したい。

⑬サトノフラッグ(⋯)

菊花賞3着好走といっても、後方からの末脚に賭けた競馬がハマった印象。
好位〜中団から最後までマッチレースを演じたコントレイルとアリストテレスの上位2頭との上がりの3Fはほぼ互角で3馬身半差の着差は小さくない。

昨秋のセントライト記念はラスト3F 11.9-12.4-12.7 の減速ラップの中、逃げて失速したバビットと同じ脚色になって捕らえ切れず、前走の金鯱賞でも逃げ切ったギベオンの2番手につける絶好のポジションでありながら、最後に甘くなって0秒4差の7着。

前走後にルメール騎手が「1800mまで」と語ったことから参戦を決めたように映るが、最後に甘くなる要因は身体的ではなく、精神的なものであると見ており、2戦ぶりに手綱が戻る戸崎騎手が最終追い切り後に「動きや反応が悪い訳ではないが、もう少しピリッとして欲しい」と話した内容も頷ける。

世代3番手を争うだけの実力はあるはずだが、最後に甘くなってしまう面を解消する馬具の着用等があるまでは様子見としたい。

⑭ガロアクリーク(⋯)

昨年の春はスプリングステークスを勝って皐月賞でも3着に好走。ダービーこそ伸び負けての6着だが、3着ヴェルトライゼンデとは0秒1差であり、世代3番手を争う実力馬。

秋初戦のセントライト記念は3番手のインをロスなく立ち回りながら、逃げ切ったバビットとは同じ脚色でサトノフラッグに差されての3着。
本番の菊花賞でも内枠を活かしてロスなく立ち回ることができたが9着に大敗。父がキンシャサノキセキで距離の限界もあったのだろう。

古馬との初対戦となったディセンバーステークスは、菊花賞から約2か月の間隔が空いたことで最終追い切りでもモタついていたように完調手前の状態ながらも0秒5差の3着。
先月に予定していた都大路ステークスは右前肢跛行のために競走除外、今回は実質約半年ぶりの実戦。

約2か月の間隔を空けて挑んだ水仙賞も4着に取りこぼしており、中2週空けた続くスプリングステークスを勝ったことから間隔を詰めた方が良さそうで、管理する上原調教師も「1回使った方がいいタイプ」と語っているように今回は地力に期待する一戦。

⑮ザダル(⋯)

デビューから無傷の3連勝でプリンシパルステークスを勝ったキャロットファームの素質馬。
セントライト記念3着から臨んだGⅠ菊花賞は距離が長く、直線ではバタバタになって大敗。昨年の中山金杯でもスローペースの外枠に泣いて0秒5差の8着。

メイステークス3着を挟んだ昨夏の関越ステークスは大逃げ馬も含めて大きく隊列が伸びる難しい展開を、メンバー最速32秒8の上がりで突き抜ける快勝。

道悪はセントライト記念で3着に好走しているが、昨秋の毎日王冠ではノメるような走り。関越ステークスの上がり32秒8や東京1800mを1分44秒4で走っていることから速い時計の出る良馬場は歓迎。
良馬場の左回りは【2.0.1.0】としており、今回は絶好とも言える条件で菊花賞以来、5戦ぶりに手綱が戻る石橋脩騎手も2週連続で追い切りに跨がる勝負気配。

あとは約8か月ぶりの実戦に、力関係がどうかだけ。
3番人気なら思い切ってバッサリ消す。

⑯シュリ(⋯)

デビューは年が明けて3歳になってからで、右トモを痛めた影響で2戦目が6月の末。
その体質の弱さからクラシックとは無縁のキャリアであったが、自己条件で地道に力をつけて昨秋の納屋橋ステークスを2馬身差で完勝してオープン入り。
昇級初戦となったリゲルステークスでも好位からクビ差の接戦を制して連勝を飾った。

重賞初挑戦となった年明けの京都金杯は、出負けした上に行きたがるのを抑えるチグハグな競馬で、荒れた馬場に脚を取られる場面もあって直線では伸び切れず5着に敗戦したが、約4か月の休養明けとなった前走の谷川岳ステークスは急遽の代替使用による連続開催となった新潟の特殊な荒れ馬場の中、逃げ切って勝利。

良馬場に限れば【6.1.0.1】と強さを見せており、速い時計の出る良馬場替わりは間違いなくプラス。
2000mでも勝利があるが、前進気勢の強くなっている今では1800mへの距離延長による折り合いがカギ。

デムーロ騎手への乗り替わりでスタートに不安も生まれるだけに5番人気なら思い切ってバッサリ。

⑰アドマイヤビルゴ(☆)

キャリア1戦で挑んだ昨春の若葉ステークスを3馬身差の圧勝で飾り、勝ち時計の1分58秒6は阪神で行われるようになった2000年以降で最速、上がりも33秒6と好内容でダービーに向けて大きな期待を受けたが、続く京都新聞杯では伸び切れずに4着。

友道厩舎らしくクラシックを潔く諦めて自己条件からの再スタートを切ると、約4か月間の充電期間を経て迎えた3勝クラスを一発でクリア、さらに約2か月後のアンドロメダステークスも快勝してみせた。

リステッド競走を勝ったことで、再び重賞の舞台への挑戦を決めた舞台はメンバーも手薄な日経新春杯。
好位から伸びることなく10着に沈んだ敗因を、中京の特殊でタフな馬場を走る上で2200mの距離が堪えたと友道調教師は分析したが、それにしても不甲斐のない負け方。
約2か月のレース間隔を空けた中で4kg減っていた馬体重428kgはデビュー時よりも軽く、コンディションの可能性もあったように思う。

前走のGⅠ大阪杯での9着大敗はタフな重馬場が敗因と見ても良さそうだが、馬場を差し引いても負け過ぎの印象はある。
良馬場替わりで巻き返しを図る一戦に鞍上は引き続き岩田望騎手となるが、速い時計の出る外差し馬場ならアンドロメダステークスぐらい走れば好走圏内も可能に思う。何より12kgも馬体を増やしたことに期待は大きく9番人気なら穴で期待してみたい。

⑱アトミックフォース(⋯)

前有利の馬場とハンデ54kgの恩恵はあったが、昨春の新潟大賞典で2着に好走すると、続く不良馬場でのエプソムカップでも離れた3番手から5着に健闘。

その後の飛躍も期待されたが、夏の間にフレグモーネ発症があったり順調さを欠いて当日の馬体重も10kg減っていたケフェウスステークスに、立て直しを図った今冬の白富士ステークスではプラス28kgと減った以上に馬体が増え過ぎる誤算。

コンディションの問題から二桁着順が続いたが、マイナス12kgとひと叩きされて絞れた東風ステークスでは初の1600mながら4着(0秒7差)と変わり身を見せると、前々走のダービー卿チャレンジトロフィーでも0秒6差の5着に健闘。

直線に急坂のあるコースでは【0.0.0.5】と適鞍とは言いづらい中山1600mでの善戦から得意の東京コースに舞台を替えた前走のメイステークスは、途中でハナを奪われる難しい展開の中で、0秒2差の3着。

東京1800mの舞台設定は合う上に、前走で3番人気以内のオープン組が【2.2.1.7】と穴で期待していたが、試練の大外枠。
オープン入り後の7戦で一度も5位以内の上がりがないように前々で立ち回りの巧さを活かしたいタイプで、武藤騎手に大外枠を乗り越えられるかどうか。

【結論】
本命 ⑧アルジャンナ

単勝とヒモ穴に期待してワイド流し。
相手:②④⑨⑫⑰

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