阪神牝馬ステークス 2020【予想】
外回りのマイル戦に替わって5年目。最初から緩いか中盤で緩むかは別として、ヴィクトリアマイルの前哨戦で瞬発力勝負になる傾向が強い。
ただ、過去4年で逃げ切り勝ちが2頭に2番手からの勝利が1頭で、上がり最速馬が【1.2.0.2】となっているように決め手よりも位置取りが重要。
ただ、今年は昨秋の京成杯オータムハンデで55秒4 - 34秒9の1分30秒3の日本レコードで逃げ切ったトロワゼトワルが出走。前半が速くなる可能性を考えたい。
②サウンドキアラ
京都金杯→京都牝馬ステークスを連勝して臨むバリバリの京都巧者で、阪神コースがカギ。
もともと急坂コース【0.2.4.0】と京都に比べて鈍るだけで別馬のように凡走するわけではない。
時計にしても昨春に1分32秒8で勝っているので、今ぐらいの高速馬場への対応も可能なはずである。
もちろん、京都金杯でダイアトニックに勝った今年はヴィクトリアマイルでのリベンジが大目標だから、ここで目一杯にする理由もない。
タイム差なしとはいえ昨冬のリゲルステークスではストロングタイタンとキョウヘイに差されており、昨年のクラシックを盛り上げた4歳勢相手に取りこぼす可能性は十分にある。
③メジェールスー
母はヴィクトリアマイルを勝ったエイジアンウインズで父ロードカナロアの良血馬。2勝目以降の勝ち鞍はすべて芝1200mとスプリンター色が強く、2度目となるマイル戦では折り合い重視の競馬になるだろう。
3走前の2勝クラスの1600m戦では高速馬場でも7着に敗れており、ここでは厳しい。
④ビーチサンバ
クイーンカップとローズステークス2着は、ともに緩いペースでの瞬発力戦だったが、秋華賞ではコントラチェックとのハナ争いで厳しいペースの中、0秒6差に粘っており、決して不得手ではない。
前走は出遅れてしまったが、本来は先手を取ることも可能で、逃げ馬の直後が狙える馬。
ただ、対応力が高い反面、器用貧乏なところがあり、【1.3.1.4】と未だ1勝馬に甘んじていることからも、今回も好走止まりな気がする。
⑤リバティハイツ
2年前に勝ったフィリーズレビューのような前傾ラップや、ダイアトニックとクビ差2着に入った安土城ステークスのような緩急の小さな一貫ラップ戦が得意。他馬も脚がある中での瞬発力勝負では厳しい。
上がりの掛かる1400m戦で狙いたい。
⑦プールヴィル
前走の京都牝馬ステークスでは4歳になってのパワーアップを感じたが、それでも1400m【3.4.0.0】に対して1600m【0.0.0.5】は気になるところ。
結果が出るまではこの距離では軽視したい。
⑨シャドウディーヴァ
前走のクイーンカップはインを突いた岩田康騎手の好騎乗もあったし、京都と阪神では⑨④⑮着と長距離輸送にも不安が残る。
⑪シゲルピンクダイヤ
前走の京都牝馬ステークスは0秒7差の7着。休み明けが懸念した以上に響いたのか重馬場が影響したか。いずれにしても行きっぷりから今ひとつだったレースはモヤモヤが残るものだった。
叩き2戦目はこれまで①②③着、父ダイワメジャーに母父 High Chaparral は昨年2着のアマルフィコーストと同じで、そもそも桜花賞2着馬。
ただ、1勝馬である以上は本命にはできないし、好走止まりに終わる可能性の方が高い。
⑫トロワゼトワル
12月〜2月の寒い時期は⑤④④⑯着と結果が出ておらず、前走のターコイズステークスは中山マイルとしては致命的な大外枠。シンガリ負けだが、4角前に早々と手応えをなくしたことで横山典騎手も追わずに終えている。暖かくなって調子は上がっているはずで、世界レコード1分30秒3で逃げ切った京成杯オータムハンデのように気分よく行ければ強い。
⑬ダノンファンタジー
これまで着外まで敗れた3戦はいずれも中6週以内で、休み明け3戦3勝は前哨戦に強い中内田厩舎と馬主らしい成績。今回はしっかりリフレッシュしての一戦で舞台が阪神ジュベナイルフィリーズを制した阪神1600mとあれば好走が期待されるが、同時に本番の締まった流れが合わない可能性もある。
ダノックス☓中内田厩舎☓前哨戦で今年2度失敗しているし、緩いペースの瞬発力戦なら本命に挙げたいが、1番人気なら今回は様子を見たい。
⑭アマルフィコースト
京都牝馬ステークスの反省編でも書いたが、良馬場での1400m〜1600mなら崩れたことのない馬。
昨年の2着馬であり、勝ち切るまでは難しくとも二桁着順なら複勝で狙ってみたくもなる。
⑮スカーレットカラー
昨春からは別馬のような充実ぶりで、昨秋のエリザベス女王杯にしても0秒6差と着順ほど負けていない。
賞金は足りているのでここは叩き台だし、緩い流れからの瞬発力戦に強いことは判ったが、締まったペースでも同じように脚が使えるかはまだ不明で、ある程度流れることを想定している今回は様子見。
⑯サトノガーネット
前走の敗因も今ひとつ掴めない中、中距離路線から一転してマイル挑戦。中距離ですら後方待機を考えるとマイルは忙しい気がするし、レース選択も雑。
【結論】
単複 ⑫トロワゼトワル
今回は同型不在で3角までが長い阪神マイルだから、ハナには立ちやすいし、今の高速馬場を味方に気分良く行かせられれば高速馬場を味方に好走が期待できるだろう。初騎乗の藤岡康騎手が変に抑えて持ち味を消さないかだけが心配。