ファルコンステークス 2020【反省】
⑬ビアンフェの内からハナを叩いた⑫デンタルバルーンが大逃げを打ち、ペースを落とした3〜4角で離れた後続2番手以降が押し上げる展開。そこそこのペースからの持続力勝負となった。
歴代4位にあたる勝ちタイムの1分21秒5は重馬場であったことを考えれば価値のある数字で、上位2頭は例年より高いレベルだったと判断したい。
1着:⑥シャインガーネット
⑩ラウダシオンを直後からマークして、スムーズに直線で外に持ち出すと残り1Fで早くも先頭に立ったが、粘る⑩ラウダシオンを突き放して勝利。メンバー最速となる上がりでの1馬身半差は完勝といえる内容。
こうなると、前走フェアリーステークスの敗因が難しくなってくるが、個人的には右回りというよりエンジンの掛かりの遅さにあると考えており、瞬発力戦だった赤松賞にしてもコーナーから手を動かしていたし、テン乗りのマーフィー騎手は先行策をとったが、現状ではそこからスパッと抜け出すような脚は持っていないのだろう。
次走に予定しているNHKマイルカップ、距離自体は問題ないはずだが、赤松賞でも1400の今回でも行きたがる面があっただけに折り合い次第。
2着:⑩ラウダシオン
離れた2番手集団2頭の後ろという理想的な位置取りでスムーズな競馬が出来たが、勝ち馬の格好の目標になったことを差し引いても完敗の形。
それでも3着以下には2馬身半差をつけており、前走のクロッカスステークスとは距離こそ同じでも馬場もペースも展開も異なる中での連続好走だから、力があることは十分に証明できた。
ただ、最後に突き放されたことで1400mベストの印象はより強くなったし、リアルインパクト産駒の傾向通り、マイルよりは1200m寄りなのかなとも。
3着:②ヴェスターヴァルト
内枠だったことで中団から動くに動けない競馬となったが、直線で外に持ち出されると勝ち馬の後ろから渋太く伸びた。スムーズに立ち回れた上位2頭に比べて窮屈な競馬ではあったが、着差から見て完敗。
これまでマイルは②④着。アスター賞2着は開幕週の高速馬場をスローペース2番手で残ったものだし、父はノヴェリストでも母父がダイワメジャーだから距離はベストだったかも知れない。
これまで複勝圏を外した2戦は新馬戦の⑥着と3か月ぶりのひいらぎ賞④着だから、前走の1勝クラス勝ちが2か月ぶりだったとはいえ、間隔が開いている際は注意したい。
なお、ドイツ血統で道悪巧者の強いノヴェリスト産駒だが、2019年の成績を見ると意外に良くない。というより、あまり良くない。
今回は馬場が味方したかと思ったが、そうでなかった可能性もあることは忘れないでおきたい。
4着:⑤トリプルエース
スタートが今ひとつだったが、馬群が密集していたこともあってリカバリーは中団まで。併走していた②ヴェスターヴァルトに4角で離されたが、直線で何とか盛り返して4番人気の意地を見せた。
今回の結果を好走と捉えるかどうかだが、稍重の新馬戦(1200m)を勝って、重馬場の小倉2歳ステークスで2着。一方で標準~軽い芝だったデイリー杯2歳ステークスと朝日杯フューチュリティステークスが4着と11着で、それぞれ走破時計が1分34秒9と1分34秒4。
時計か距離に限界があるのかも知れないし、そもそも人気先行型というのが個人的な評価。
Shamardal産駒の道悪実績を調べてみたら、馬場状態に関係なく異常に成績がいいことが判った。
5着:⑧レッドライデン
後方からの競馬でメンバー2位の上がりで渋太く伸びたが、直線で進路を他馬が避けた内に切ってロスを抑えたこともあってのもの。合わない馬場もあるかも知れないが、位置取りの差というより、力負けの印象。
今回の結果を好走と捉えるかどうかだが、唯一の勝ち星を挙げた時の1000m通過が58秒5で、今回が57秒6。スタートがあまり良くない本馬にとっては、緩いペースだと届かないので、ある程度流れてくれる短い距離の方がいいのかも知れない。
また内に進路を取ったのは道悪うんぬんではなく一か八かの選択だったらしく、唯一勝ったレースが軽い馬場で、重めの馬場では⑤⑥⑤着だから、本来は軽い馬場向きかも知れない。
9着:⑬ビアンフェ
離れた2番手を内の④セイウンパワフルと併走。コーナーで逃げ馬を捕まえにいく強気な騎乗で直線早め先頭に立ったが、残り1Fで力尽きた。
結果として仕掛けが早かったことにもなるのかも知れないが、それよりもプラス12kgの馬体増は素人目にも緩く映ったので、失速の主な原因はそこだと思う。
馬場も軽い方が良さそうではある。
11着:⑨アブソルティスモ
出遅れもあって後方から。直線に入って伸びないことが判ると残り1Fで諦めた。
⑧レッドライデンとは逆に1000m通過が60秒を超えるレースで結果を残しており、父ダイワメジャーとはいえ、半兄がレイデオロだから、ゆったり走れそうな距離延長で見直せるかも知れない。
15着:⑱ペコリーノロマーノ
大外枠の時点で終わっていたかも知れないが、スタート後に隣の馬と接触してダッシュがつかず、横並びで内に潜り込めず外を回らされる競馬。4角では最後方まで位置取りが下がり、直線でも伸びなかった。
前々走のつわぶき賞と比べれば、行きっぷりも直線の伸びもまるで違うし、渋った馬場はダメなのかも。
今回は競馬にならなかったので参考外とも出来なくもないが、少し負けすぎでもあるし、脆さがある。
同週のフィリーズレビューを避けて選ぶ勝負手を読むまでは悪くなかったが、最後の二択で当コースを含めた左回り1400での2戦2勝の数字と人気の無さに冷静さを欠いてしまったことを強く反省したい。
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