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目黒記念 2021【予想】

目黒記念 過去

直前のダービーから100m延びる2500m戦だが、その100mが坂であることによってスタミナも要求されてダービーと比較して差しが届きやすく、過去5年で4角10番手以降にいた馬が4勝を挙げている。

率で言えば重いハンデを背負った馬が強いが、54〜55kgのハンデに恵まれた昇級初戦の馬でも通用するレースでもあり、前走がオープン特別だった馬の好走も少なくない。

先ほどのダービーは2分22秒5のレースレコードでの決着。高速馬場への適性も求められる上で、中団あたりから最速上がりを記録できそうな馬を狙いたい。


①ムイトオブリガード(☆)

約4年ぶりのダート戦で13着に終わった年明けの東海ステークスは、昨春の天皇賞を球節の腫れが出たことで回避して以来となる約10か月ぶりのレースとあって脚元の不安を考慮されての復帰戦。

ひと叩きされた前々走の日経賞では後方からジリジリ差を詰めて、0秒9差の7着。
前走の新潟大賞典はトップハンデ57kgを背負って、最速タイ上がりで追い込んで0秒4差の7着。

確実に状態は上昇曲線を描いており、7歳馬でも昨年は1戦しかしておらず、その阪神大賞典も出入りの激しいタフな展開を先行して0秒4差の4着に健闘して、その前年には今回と同じ東京2500mが舞台のアルゼンチン共和国杯で重賞初勝利を飾っている実績馬。

このレースを目標に逆算してローテーションを組んでいるはずと期待していたが、横山武騎手への乗り替わりとなると当初から狙っていた一戦ではなかったか。

芝での好走はすべてパンパンの良馬場でのものだけに今の高速馬場は歓迎も、ダービーを制して一皮剥けた精神状態での騎乗を想定していた中、わずかハナ差でダービージョッキーの座を逃した胸中を想像すれば、切り替えはそう簡単ではないかも知れないが、7番人気の伏兵だけにリベンジを期待したい。

②トラストケンシン(⋯)

格上挑戦だった2019年のアルゼンチン共和国杯では53kgのハンデも活かし、後方からメンバー2位タイの上がりで0秒3差の5着まで追い込む健闘を見せたが、それ以前も含めて3勝クラスで11戦してまだオープンクラスへの昇級は果たせていない。

前走の美浦ステークスでもメンバー最速33秒9の上がりで追い込んではいるが、いつも届かない競馬が続いており、今回も厳しいレースになりそう。

③アドマイヤアルバ(⋯)

一昨年の京都新聞杯2着以降は18戦連続で着外、もう一年以上も掲示板に載れていない。
パシュファイヤーのついたブリンカーを着用して復活に賭けるが、そう簡単ではなさそう。

④サンアップルトン(☆)

重賞初挑戦となった昨春の日経賞では、後の天皇賞や宝塚記念でも好走するミッキースワローらを相手に後方から最速上がりで追い込んで0秒4差の4着に健闘。

骨折休養明け初戦となった昨秋のオールカマーではプラス12kgと明らかな太め残りで6着に敗れたが、続くアルゼンチン共和国杯では最速上がりで追い込んで、0秒3差の3着に好走してみせた。

不良馬場に前半から進んで行かず、後方からなだれ込んだだけに終わったアメリカジョッキークラブカップに、前週のダイヤモンドステークスを除外されてのスライド出走になった中山記念と、厳しいレースが続いていたが、前走のメトロポリタンステークスでは好位からメンバー3位の上がりで0秒2差の4着。

不向きな瞬発力戦で力を発揮し切れなかっただけに、東京2500mへの舞台替わりはプラス。
高速馬場よりは時計の掛かる良馬場が理想で高速決着には不安を残すが、55kgのハンデなら。

⑤ウインキートス(⋯)

1勝クラス卒業までに9戦を要したが、そのルスツ特別勝ちを含めて、昨夏の北海道から②①②①②②①着と好走を続けてオープン入り。
前々走の湾岸ステークスでも3番手集団の外から最速上がりで2馬身差をつける完勝劇。

勢いに乗って初の重賞に挑んだ前走の日経賞は、15着シンガリ負け。内を手応え良く回れていた中、3角で致命的な不利を受けたもので参考外の一戦。

一旦放牧に出て巻き返しを図る一戦になるが、半兄がウインイクシードのゴールドシップ産駒で、東京より中山向きの印象が強く、2600mの距離を昨年2勝してスタミナは大丈夫でも高速馬場への対応には不安。
52kgのハンデは恵まれたが、簡単ではなさそう。

⑥アドマイヤポラリス(◎)

イレ込みやレースでの力みに集中力まで欠いたりと、気性の問題から初勝利を挙げるまでに5戦、1勝クラス卒業はデビューから10戦目。

その1勝クラスの卒業は約5か月ぶりとなった函館開催で、そこでの休養を機に成績こそ安定しはじめたが、2勝クラスに昇級後も4度の3着に2着が1度。
なかなか勝ち切れないレースが続いたが、高速馬場の阪神2400mで好位から4馬身差の圧勝を飾ると、続く前走のサンシャインステークスを連勝。
コーナーでモタつく場面もありながらも、しっかりと勝ち切れたことは本格化を迎えたのかも知れない。

加速に時間が掛かってジリジリ伸びるタイプで直線は長い方が良く、左回りは2戦のみだが、東京2500mの舞台に不安は感じない。
デビューから17戦、すべてのレースでメンバー3位以内の上がりを記録している末脚自慢。
ハンデの55kgは1kg見込まれたように思うが、ハンディキャッパーに評価された裏返しでもある。

福永騎手から吉田隼騎手への乗り替わりは友道厩舎の序列から期待値としては高くないのかも知れないが、4番人気なら重賞初挑戦での初好走も期待したい。

⑦サトノルークス(⋯)

一昨年の菊花賞2着馬も昨夏の復帰から長く低迷が続いている。復帰初戦の鳴尾記念は骨折休養明けとなる7か月半ぶりの実戦に加えて、開幕週でインが有利の馬場に大外枠から外を回らされる形。
小倉記念での早々と手応えがなくなる見せ場のない大敗は暑さというより1000m通過58秒1の速いペースとそれぞれ敗因に考えたが、

昨秋のアルゼンチン共和国杯は2500mに延びて前半のペースも楽にはなったはずでも13着に大敗しており、今年初戦の京都記念は8kg増の太目残りに高速馬場があったとはいえ0秒8差の7着に敗れている。

ひと叩きされて絶好の条件に思えた日経賞でも馬場を気にして13着に大敗しており、前走のメトロポリタンステークスは59kgを背負って0秒6差の6着。

メンバーや着差を考えると骨折による精神的な影響か本来の走りから離れている可能性を考えており、今回は【3.3.0.3】と得意なはずの非根幹距離ではあるが、高速馬場も課題。
大敗を喫した皐月賞とダービーはいずれも高速馬場でのもので、力を示したセントライト記念は重馬場の2200m。菊花賞は前日の重馬場から乾いていく中での良馬場3000mだった。

⑧ヒートオンビート(△)

デビュー当初はワンペースな面があったことで、初勝利を挙げるまでに5戦を要したが、地道に自己条件でキャリアを重ねた以降の7戦で最速上がり5回、2位が2回と安定した末脚を発揮。
勝負処から進路が見つからなかった西宮ステークスを除けば、すべて3着以内に好走しており、昇級初戦が前走の大阪ーハンブルクカップでも2着に好走。

重賞初挑戦となる今回は友道厩舎への転厩2戦目。
内回りコースより直線の長い大箱コース向きではあるが、3勝クラスを卒業した美濃ステークスの直線では左にモタれながら。左回りは【1.0.1.0】と表面上では巧者に映るが、右回りの方がいいかも知れない。

詰めの甘さも含めて、全幅の信頼となると難しいだけに2番人気なら差して届かずの3着までと見る。

⑨アイスバブル(⋯)

2年連続で本レースを2着に好走しているものの、これまで10度の重賞挑戦で好走はこの2回のみ。
好走した2年に共通する点は、いずれの年も前半から流れるペースと高速馬場。
同じ東京2500mが舞台でありながら瞬発力戦となった昨秋のアルゼンチン共和国杯では11着に敗れている。

昨夏の新潟記念は距離が短かった上にスローペースの瞬発力戦で16着、京都大賞典にしても坂の下りからの持続力戦ではあったが、前半のスローペースから加速について行けず置かれたことが響いて8着。

現状、高速馬場で緩急なく流れる展開がピンポイントでハマる状況で、前走のメトロポリタンステークスも緩急を伴う瞬発力戦なら0秒6差の7着もやむなし。
2年連続で2着に好走した舞台での巻き返しを図るが、今年は逃げ馬不在で前半が落ち着いてしまう可能性も考えられるだけに今年は様子見とする。

⑩ナムラドノヴァン(⋯)

3勝クラスに昇級後、屈腱炎による長期離脱。
約1年5か月ぶりの復帰戦から6戦して掲示板入りさえ無かったが、格上挑戦となった万葉ステークスは外を回る展開ながら3分3秒9の好時計で勝利。
51kgの軽量もあったかとは思うが、最速上がりでの差し切りは復調とともに距離が延びたことで決め手が活きるようになったと見て良さそう。

実際に重賞初挑戦となったダイヤモンドステークスは後方からメンバー3位の上がりで追い込んで4着。
上位2頭にこそ大きく離されたが、ステイヤーズステークスでも好走していたポンデザールとは0秒1差で、続く阪神大賞典でも後方からメンバー最速タイの上がりで3着に好走。圧勝を飾ったディープボンドにこそ離されたが、2着ユーキャンスマイルと3/4馬身差なら評価を落とす必要はない。

それまで【0.0.0.6】としていた右回りに、別定戦での56kg、実績のない道悪と厳しいレースになることが予想された中での好走は本格化と見て良さそうだが、GⅠ初挑戦となった前走の天皇賞では初めて背負う58kgに対応できずに9着に大敗。

阪神大賞典で克服した右回り【0.0.1.7】ではあるが、やはり【4.2.1.6】の左回りに替わる点が好材料であることは間違いなく、ハンデも54kg。
GⅡ戦で巻き返しを図る一戦となるが、コンスタントに使われ続けてきた中での中3週の詰まった間隔では披露も心配される。

⑪グロンディオーズ(▲)

3歳冬にデビューしてから4戦3勝で挑んだGⅠ菊花賞で13着に敗れた後、屈腱炎を発症。
1年半を超える長期休養からの復帰初戦こそ不良馬場もあって15着に大敗したが、続く日本海ステークスで2着に好走すると、続く六社ステークスを最速上がりで完勝してオープン入り。

暮れの中日新聞杯は上がり33秒9の末脚で追い込んだものの、0秒5差の5着。
これまで長い距離を使われてきた実績からも2000mはやはり短かったようで、一気に1400mも距離が延びた前走のダイヤモンドステークスでは最速上がりの脚でオーソリティとのハナ差の接戦を制して重賞初勝利。

国内屈指のスタミナレースを制しながら春の天皇賞はパスして、ここ一本に狙いを絞っての調整。
半兄のムスカテールは2013年の本レース勝ち馬で、そのレコード勝ちは5歳での重賞初制覇だったように晩成の血統だけに6歳でもこれからが充実期。

1年半を超える屈腱炎での長期休養明けに不良馬場が重なった江の島ステークスを除けば4戦4勝の東京なら重賞連勝も何ら不思議はないが、どうしても引っ掛かるのはノーザンファームの使い分け戦略。
昨日も葵ステークスでルメール騎手のモントライゼが失敗したばかり。

⑫ダンスディライト(⋯)

2勝クラスの卒業以降、左回りを続けて使われた3戦は4着→4着→10着と足踏みしたが、西宮ステークスはほぼ最後方から33秒9の最速上がりで追い込んで3着に好走すると、続くオリオンステークスはスタートも決まって3番手からの競馬になりながら、先行策でも末脚は鈍ることなくオープン入り。

重賞初挑戦の舞台は日経新春杯も検討されたが、全4勝を挙げる得意の阪神まで待機して京都記念を選択。
レースでは中団から伸びを欠いて6着に敗れたが、2着ステイフーリッシュとは0秒5差。

前走の阪神大賞典では末脚を活かす形で伸び負けての5着。2500m以上の距離は初めてで馬場も重馬場と、楽な条件ではなかったが、後ろから差されて前にいたシロニイを捕まえられなかった点は厳しい。

前述のオリオンステークスではここでも人気しているヒートオンビートにも勝利を飾っているが、前走では福永騎手へと手が戻った直後に乗り替わりとなると、重賞での好走はまだ先になるのかも知れない。

⑬ディアマンミノル(⋯)

昨春は高速馬場や阪神コースに対応できずに不安定な成績が続いていたが、約3か月のリフレッシュを経て臨んだ金山特別を好位から最速上がりで押し切ると、続く高雄特別では京都特有の坂の下りを利用しながら脚を長く使って連勝。

中2週→中1週での連戦でタフなローテーションだった菊花賞では13着に大敗したが、自己条件に戻って3戦でオープンクラスへの昇級を果たした。

12kg増で大外枠だった美濃特別こそ11着に大敗を喫したものの、前々走の御堂筋ステークスではメンバー最速タイの上がりで差し切って1馬身半差の快勝。
昨春まで苦手にしていた阪神コースも克服して軌道に乗ってきた印象。

昇級初戦となった前走のメトロポリタンステークスはメンバー最速タイの上がりでハナ+クビ差の3着。
やや仕掛け遅れにも映ったが、その上がり3F33秒9は自己ベストを更新する自身初の33秒台だった。

不向きな瞬発力戦だった前走から、脚を長く使う持久力勝負になりやすい舞台替わりは好材料。
高雄特別を勝った際、和田竜騎手も「スタミナがあって距離も長くなればなるほど良い」とコメントしているように、100mでも距離が延びる点は歓迎だろう。

馬場は渋ってくれた方がいいが、前走でも高速馬場に一応は対応している。

⑭ゴールドギア(⋯)

ロードカナロア産駒ではあるが、1000万下クラスを卒業して以降の2000m以下戦は⑪⑦⑤⑨着と凡走し、3勝クラスで好走した3戦は2400〜2500mといずれも長い距離で異端の存在。

昨春の本レースでもインを突いて前が詰まるロスがありながら0秒6差の5着に健闘しているが、2000mへの距離短縮となった新潟記念では自己ベストを更新する32秒7の上がりで追い込みながらも前半の位置取りの差も響いて0秒5差の9着。
昨秋のアルゼンチン共和国杯は53kgの軽いハンデであったが、伸び切れずに9着。

オープンクラスに昇級後は5戦して一度も3着内の好走がなかったが、前走のメトロポリタンステークスではメンバー最速タイの上がりでクビ+ハナ差の接戦を制して約1年ぶりの勝利を挙げた。

この時期に調子を上げるようで5着に敗れた昨年からリベンジを図るが、今年はその昨年より2kg重い55kgのハンデを背負っての挑戦。
先行タイプの馬と比較して信頼度が落ちる田辺騎手では9番人気でも手を出しづらい。

⑮ミスマンマミーア(○)

昨春のオープン入り後は5戦して3着内の好走が一度もなかったが、日経新春杯では最後方から最速上がりで2着に好走する波乱を演出。
52kgのハンデと時計が出る割にタフで特殊な中京の馬場がハマった感もあるが、昨冬の松籟ステークスで後に阪神大賞典で2着に好走するトーセンカンビーナから0秒3差の4着に迫ったこともある馬。

3400mで1周半も回る長距離戦に戸惑って伸び切れなかった前々走のダイヤモンドステークスは10着に大敗したが、適距離に戻った前走の大阪―ハンブルクではモタれながらも後方からメンバー最速33秒0の末脚で鮮やかな差し切り勝ち。芝2600m戦の日本レコードのオマケつきだった。

高速馬場の瞬発力戦を高速上がりでの勝利とあって、ますます本馬のツボが判らなくなってきたが、単純に6歳にして本格化を迎えた可能性もあり、得意とする左回り替わりなら前走の再現を期待しても良さそう。

渋った馬場もこなせるタイプで、もともとは上がりの掛かるレース展開を得意としていただけに本レースの傾向にも合致。ダービー連覇を果たした福永騎手なら再度の末脚爆発を期待できそうに思う。

⑯トップウイナー(⋯)

ダート路線で8度の2着を数える詰めの甘かった馬が、昨年は2勝クラス→3勝クラス→欅ステークスと一気に異なる距離での3連勝。
重賞初挑戦となったプロキオンステークスでも0秒6差の5着に健闘してみせた。

地方の深い砂は合わずに以降は凡走が続き、年明けのすばるステークスもシンガリ負け。歩様が硬くなってしまう冬場とはいえ、不甲斐ない大敗だった。
暖かくなったことで復活も期待された前走のオアシスステークスは田辺騎手が異変を感じて競走中止。
幸い馬体には何の異常もなかったが、一年間も不振が続いている。

昨年に優勝した欅ステークスでの巻き返しも考えられたが、登録すらせずに芝のそれも長距離戦への挑戦。
新味に期待はさすがに酷に思う。

【結論】
本命 ⑥アドマイヤポラリス

せっかくなので目黒記念も馬連で。
ダービーで痛恨の二択を誤ったが、攻めて絞る。
相手:①④⑪⑮

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