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ダイヤモンドステークス 2020【予想】

3400mの長距離ではあるが、東京コースで行われるだけあって、最後の直線スピードが重要なレース。
過去5年、上がり3Fの順位が6位以下だった馬は【0.0.0.47】と馬券に絡むことが出来ておらず、昨年2着に逃げ粘ったサンデームーティエにしても上がり3Fはメンバー5位だった。

その過去5年で3着以内に入った15頭の内、近2走でメンバー3位以内の上がり(下表赤文字)を記録していた馬が12頭を占めていることも末脚の重要性を示している。

ダイヤモンドステークス血統と上がり

また、血統的にはトニービンをはじめとする Grey Sovereign 系がよく走る。フェイムゲーム一頭で3回も馬券に絡んでいるが、ハーツクライ産駒は一頭も出走が無かった昨年で途切れるまで、7年連続で馬券に絡む【2.1.1.3】の好成績。
昨年、8番人気で2着サンデームーティエも父の母父である Crystal Palace が Grey Sovereign 系で、カフェブリッツは母母父 Caro が Grey Sovereign 系。

今年のメンバーでトニービンを持っている馬は

ダイヤモンドステークス トニービン持ち出走馬

上記の6頭。また、冒頭に書いたように直線スピードも重要なレースで、近2走で上がり3位以内をマークしている馬が下記8頭となっている。

ダイヤモンドステークス 近2走上がり3位以内

オセアグレイトの母父 Bahri の父 Riverman は欧州型持続的末脚を発揮する Never Bend 系で、本レースでも17年2着のラブラドライトと16年1着のトゥインクル、16年3着と15年2着のファタモルガーナの母母父が Never Bend 系であり、相性がいい系統。
そこにディクタスを持ったステイゴールド系のオルフェーヴル産駒で、母方には Sadler's Wells だから、適性は高いだろう。
上がりの面でもセントライト記念を除けば毎回メンバー中3位以内の末脚を見せており、距離は2200mでも足りないくらいの鈍足だと思うし、距離延長は【1.1.1.0】だから3400mへの舞台替わりは歓迎だろう。最内からロスのない競馬を出来ることもプラス。
ただ、まだ経験の浅い野中騎手。2番人気は過大評価な気もする。

ロサグラウカは父ルーラーシップがトニービン持ち。12月〜2月の成績が【3.1.0.0】とこの時期、飛躍的に調子を上げてくる馬。
ただ、上がりの面では先行脚質でもあり、過去10戦中3位以内の末脚は4回。
先手を取っての粘り込みなら面白そうだが、母の父がクロフネだけに距離が延びていいとも思えない。

レノヴァールは本レースと相性のいい前走万葉ステークス組で、このレースで2頭出走するハーツクライ産駒の一頭。その万葉ステークスでは勝負処でごちゃついて位置取りを下げ、大外から追い込むというスムーズさを欠いた競馬ながら3着。着差ほどの差はないにしても、行きたがる面があったのは長距離戦だけに不安材料で、ハーツクライ産駒らしく【3.0.1.3】と距離延長を得意としているが、得意の左回り【1.0.2.0】に替わることを加味しても、さらに3400mへの延長はプラスとは思えない。
また、母父 Fappiano は Mr.Prospector 系なのだが、過去5年どころか10年母父が Mr.Prospector 系の馬が3着に入ったことがない。

タガノディアマンテは前走の万葉ステークスで⑥レノヴァールを抑えての勝利。最後方から勝負処でマクってメンバー最速の上がりで3馬身半突き抜けた内容は一皮むけた感もある勝ちっぷり。
不安材料を挙げるなら、母系にトニービンを持ってこそいるが、半兄タガノトネール(父ケイムホーム)が武蔵野ステークス、半兄タガノエスプレッソ(父ブラックタイド)がデイリー杯2歳ステークスを勝ったように、父がオルフェーヴルに替わった本馬は本質的には中距離馬ではないかというところ。

タイセイトレイルは前走、日経新春杯はプラス14kgと過去最高体重での出走で4着。3走前にGⅡアルゼンチン共和国杯で2着と好走しており、叩いてここ目標だった感がある。⑥レノヴァールと同じハーツクライ産駒であることもプラスで、距離延長も【2.0.2.1】と歓迎だろう。
ただ、⑦タガノディアマンテ同様、兄弟が短距離を中心に使われており、ハーツクライに替わっても3400mは長すぎる可能性がある。
また、12月~2月の厳寒期を【3.1.1.4】と得意としているが、その3勝は小倉で挙げたもので小倉大賞典の方に出て欲しかったというのが本音。

明け4歳⑭メイショウテンゲンは菊花賞で1秒7差12着の後、ステイヤーズステークスで0秒4差4着。菊花賞の結果で長距離適性を疑っていたこともあり、ハマった印象が強かったが、ディープインパクト×フレンチデピュティでも、母の母父 Sadler's Wells の影響が出ているのかも。既にスタミナと上がりを示していることはプラスで、先週の共同通信杯で Sadler's Wells 系の New Approach 産駒であるダーリントンホールが制したように血統的な後押しもあり、直線の長い東京で直線一気がハマるかも知れない。

キャリア7戦の5歳馬⑮バレリオは2012年のオークス3着馬アイスフォーリスの全弟。ステイゴールド×クロフネ× Graustark 系で⑭メイショウテンゲンと少し似た血統構成。ただ、アイスフォーリスも2500m以上の距離では【0.0.0.3】としており、全姉イタリアンホワイトは2200m以上の距離で【0.0.0.3】。3400mとなるとどうか。

本命は⑪タイセイトレイル。鞍上で人気を落としているのだろうが、上記の通り、厳寒期で叩いたここが大目標。
中谷騎手ももう40歳。初重賞制覇を決めるのはここしか無い。これだけチャンスを与え続けてくれている矢作先生の期待に応える最大のチャンスである。

【結論】
単勝 ⑪タイセイトレイル

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