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京都牝馬ステークス 2021【予想】

京都牝馬ステークス 過去

京都開催時は冬の連続開催後半のタフな馬場で距離短縮馬が強かったが、今年は開幕2週目。
前半が下り坂で後半に急坂が構える阪神1400mは後傾ラップになりやすい京都や東京とは真逆の舞台。

開幕週だった先週の京都記念ではコースレコードまで0秒3差に迫る2分10秒4の好時計勝ちが記録され、週中の降雪がどう影響するかと思ったが、7レースの1勝クラスが1分32秒9で決着。阪神1400mと高速馬場への適性を重視して考えたいところ。


①カリオストロ(○)

桜花賞トライアルのフィリーズレビューは出負けしてハナに立つまでに脚を使った上に稍重馬場にも泣いて0秒4差の4着。NHKマイルカップに目標を切り替えたトライアルのニュージーランドトロフィーでは前半の4Fを内のカフェサンドリヨンと雁行する形でハナに立つまでの消耗があって13着の惨敗。

マイルは長いと判断して1400mに戻した橘ステークスはジワッと先頭集団の外め3〜2番手からの競馬で直線抜け出して勝利。勝ち時計は1分21秒2の好時計で、2歳時に万両賞を2歳レコードで勝っているようにスピードが活きる1400m戦で強さを見せた。

古馬への挑戦となった昨夏の北九州記念はスタート直後に前をカットされて気持ちが切れた上に、稍重馬場も重なってシンガリ負けを喫したが、続く信越ステークスでは揉まれ弱さを意識して強引にハナを奪うと、馬場の悪い内ラチ沿いにコースを取りながらも51kgの軽ハンデを活かして2着に粘り込んだ。

前走のオーロカップは出負けして3番手まで取り付くまでに脚を使った上に後傾ラップも厳しくシンガリ負けと、上手くいかないと大惨敗を喫するピンかパーの馬ではあるが、ハマった時は強い。
今回は2歳時に万両賞で1分20秒4の当時の2歳レコードを記録した阪神1400mの高速馬場が舞台。

叩き良化型の印象があるだけに休み明けのハンデは気になるが、北村友騎手への乗り替わりも魅力で人気薄の今回は狙ってみたい。

②ヤマカツマーメイド(⋯)

昨春のフィリーズレビューで0秒2差の2着に好走したが、本番の桜花賞でシンガリ負けを喫して以降はタフな重馬場を走ったことが尾を引いているのかは分からないが厳しい結果が続いている。

前述のフィリーズレビュー2着やレシステンシアから0秒5差の4着に健闘したファンタジーステークスの走破時計はいずれも1分21秒2と好時計だっただけに良馬場志向と考えられる。
桜花賞から続く7度の凡走の内、4戦は重馬場だったため妥当なところで、橘ステークスは桜花賞での疲労残りも納得できる敗因ではある。

ただ、1秒1差の13着に敗れた阪神カップは単なる力負けに映ったし、0秒8差の15着に敗れた前走の北九州短距離ステークスは直線で前に入られたといっても反応の差も違ったからこそと見える。

今回は連闘での参戦になるが、好馬場の1400m戦とベスト条件であっても復活の期待値は微妙に思える。

③メイショウケイメイ(⋯)

デビューから2連勝を飾り、GⅠ阪神ジュベナイルフィリーズこそ0秒9差の11着に大敗したが、翌年明けの紅梅ステークスでアタマ差ながらプールヴィルを相手に勝利。続くトライアルのフィリーズレビューで0秒2差の5着に敗れて本番での巻き返しを図ったが、以降は掲示板に載ることさえなく、葵ステークス9着を除いた8戦すべて二桁着順。

もともと小柄な牝馬で陣営としても成長力に物足りなさを感じている現状で、収得賞金の問題から使いたいレースに使えず調整にも苦労しているらしい。
ここでも好走は難しいだろう。

④イベリス(⋯)

3歳時は牡馬相手にアーリントンカップを勝利する活躍もあったが、気難しい面があって不安定な戦績。
昨夏にアイビスサマーダッシュ(7着)で直千競馬を使われたことで前向きさを引き出したかに見えたが、続くUHB賞は仕掛けられて嫌がる素振り。3着好走といってもオープン特別で0秒4差。

道悪を苦手としているだけに、重馬場で内枠を引いたキーンランドカップ(14着)の大敗は度外視しても良さそうだが、良馬場でのオーロカップ(0秒3差)とリゲルステークス(0秒4差)の連続着外は純粋にパンチ不足でありそうな印象を受けた。

前走の阪神カップは強いメンバーを相手に6着ながら0秒5差に健闘してみせたが、開幕週のセントウルステークスで3着好走経験があったように阪神コースの高速馬場の後押しと、内の先行馬有利の恩恵があったことを考えれば上方修正とはならない。

ここ2走でハナを叩いているのは恐らく、前に馬がいると気難しさを出してしまう面を考慮しての策かと思うが、それでも掲示板さえ確保できなかった結果を考えるのであれば、高速馬場の1400mと絶好の条件ではあるが、それでも簡単ではないはず。
3番人気と上位の支持を集めているだけに、思い切ってバッサリ消すことにする。

⑤マリアズハート(⋯)

2連勝で臨んだ昨春の春雷ステークスは最後方からメンバー最速33秒1の上がりで追い込んだが、惜しくもハナ差届かずの2着。

昨夏の北海道での連戦は、函館スプリントステークスはほぼ最後方から追い込んだものの前も止まらず0秒7差の9着、UHB賞では荒れた内目の芝に脚を取られたことも響いて0秒8差といずれも結果が出なかった。

除外が続いて初の1400m戦になるが、脚質的には問題なさそうでも、これまでダートを含めた中山コースで【4.1.0.0】としているように急坂で前が止まる展開を理想としている馬で、直線平坦コースは【0.0.1.3】と結果を残すことができていない。

直線に急坂のある阪神コースで良馬場は好条件かも知れないが、今の前有利の馬場を考えると差して届かずの可能性が高いように思う。初距離でもあり様子見。

⑥アンリミット(⋯)

1分20秒5の時計で走ったこともあるが、未勝利を卒業後の道悪は不良馬場も含めて②①③①④着。
直近の4着は3走前にパラダイスステークスでアルーシャから0秒4差に健闘したもの。

全く合わなかったが、前走でダートを使われたように本質的には時計が掛かる馬場向きの印象を受ける。
高速馬場のここで好走は難しいだろう。

⑦アイラブテーラー(⋯)

【5.2.0.0】の成績で挑んだ昨春の高松宮記念はほとんど回ってきただけのシンガリ負け。最終追い切りを角馬場での調整で行ったぐらいに腰の状態が悪い中での強行軍だっただけに度外視できる敗戦。

この大敗が尾を引くかと思われたが、約8か月半の休養を経ての復帰初戦となった前々走のタンザナイトステークスは直線でスムーズさを欠きながらも最速上がりで追い込んでハナ+クビ+ハナ差の4着。

確勝を期して挑んだはずの前走の淀短距離ステークスはゲートで座り込んでしまう歴史的な大出遅れによって回ってきただけのシンガリ負け。

阪神1400mは500万下→2勝クラスを連勝した舞台ではあるが、エイティーンガールに勝った3勝クラスの桂川ステークスにしても、ライトオンキューに0秒3差の2着に好走した京阪杯にしても前半3Fが後半3Fより1秒以上も遅いスプリント戦にしては超スローペースであり、昨年勝った淀短距離ステークスも前後半3Fが35秒2 - 34秒4のスローペース。

仮にスタートを出たとしても、スローペースまで遅くなることはないと見ている今回は4番人気。未知数となる前傾ラップ戦想定なら思い切って消してみる。

⑧リリーバレロ(⋯)

新馬戦も既に終わった6月のデビュー戦は既走馬を相手にアタマ差の2着に好走したが、未勝利戦の卒業はタイムリミットが迫った9月の4戦目。
体質が弱く、未勝利戦卒業から1年近くの休養があってその年は1勝クラスの卒業と2勝クラスでの0秒5差の9着、わずか2走だけに終わった。

翌年の復帰戦は約9か月ぶりながら0秒3差の3着に好走すると、続く高尾特別で2勝クラスを卒業。
また長期休養を挟んだ約8か月ぶりの前走トリトンステークスはこれまでの差す競馬から一転、2番手から運んで抜け出す競馬でオープン入りを決めた。

中京で勝利を挙げてから中1週で関西への長距離輸送を伴う重賞初挑戦になるが、キャロットクラブ所属の6歳牝馬で引退を前にした記念出走の印象が強い。

これまでのキャリア9戦の内、前傾ラップはデビュー戦と0秒5差の9着に敗れた2勝クラスの月岡温泉特別の2戦だけ。牝馬限定戦とはいえ、相手も強くなる中での前傾ラップはそれだけでも簡単ではないはずで、それでこの強行軍での1番人気はいくら何でも無茶苦茶に思う。ここは思い切って消す。

⑨ビッククインバイオ(⋯)

陣営は回りの左右は関係ないと強調するが、左回りは新潟2歳ステークスやアルテミスステークスでの3着好走を含む【4.0.3.1】に対して、右回りは【0.0.0.5】。

その右回りは全て中山1600mだけに、ただ単に中山の1600mが合っていないだけなのかも知れないが、今回は初の関西遠征で長距離輸送は2歳の新潟遠征以来。
昨秋の白秋ステークスでも外枠から行きたがっていたように1400mへの距離短縮は歓迎材料だが、7番人気の微妙なオッズをどう考えるか。

⑩アマルフィコースト(⋯)

昨春の阪神牝馬ステークス前までは、栗東から近場の阪神・京都・中京での1400m〜1600mの距離かつ良馬場に限れば【2.2.3.0】と重賞2戦を含めても崩れたことがなかった馬が、阪神牝馬ステークスで14着に大敗すると、続くリステッド競走の安土城ステークスでも10着の大敗。

昨秋から適距離と思えない1200m戦を使われ続けているが、依然として3着内好走するには至っておらず、クラブ所属の6歳牝馬で一杯に追った最終追い切りを考えると、恐らくここが引退レース。
初めて重賞で好走した舞台ではあるが、ピークを越えた印象が強いだけに、有終の美は難しいと見る。

⑪アフランシール(⋯)

オープンクラス昇級後は京成杯オータムハンデ12着→オーロカップ10着と二桁着順続き。
前走のオーロカップでは1400m巧者のプールヴィルから0秒5差ではあるが、オープン入りを決めた新潟日報賞で負かした馬も、その前の2戦で先着を許した馬からもオープンクラスで活躍している馬はまだおらず、正直力不足の感は否めない。

稍重だった2勝クラスを勝ち上がった際にも川田騎手から「本質的には軽い馬場」向きと評されているように高速馬場こそ歓迎でも、東京も含めた直線に坂のあコース【1.1.1.9】よりは直線平坦【3.0.0.1】コース向きの印象も強く、ここでの好走は難しいと見る。

⑫シャインガーネット(☆)

昨年は左トモの筋肉痛からクイーンステークスを回避して秋華賞も断念。春のNHKマイルカップ以来となる約7か月半ぶりの実戦となった前走のターコイズステークスは1000m通過が58秒3とある程度流れた中でもモロに引っ掛かって9着に敗れたが、それでも勝ち馬から0秒7差と54kgのハンデを背負っていたにしては離されていない。

伸びを欠いたフェアリーステークスやNHKマイルカップでの内容や、折り合い面からは現状では1400mがベストであることは否定できず、距離短縮はプラス。

アドマイヤサガスをはじめ、兄姉ダート馬でパワー寄りの血統で瞬発力戦よりは持続力戦向きではありそうだが、2歳時に勝った赤松賞は高速馬場で、6着に敗れたNHKマイルカップにしても0秒6差、1分33秒1の時計で走っているだけに少なくとも高速馬場がマイナスということはないはず。

昨春は同週にフィリーズレビューがありながらファルコンステークスを選択して、後にNHKマイルカップを勝つラウダシオンらを相手に勝利すると、桜花賞をもパスしてNHKマイルカップ出走と左回りにこだわったローテーション。
右回りを続けて使っている以上、左右の回りはもう気にする必要もないのかも知れないが、2番人気とあれば気にしない訳にもいかない。
少なくとも勝ち切るまではないと見る。

⑬メイショウショウブ(▲)

一昨年暮れの阪神カップでは勝ったグランアレグリアは別にしてフィアーノロマーノとはアタマ差の3着に好走しており、春にはニュージーランドトロフィーで2着に好走した実力からも飛躍を期待された2020年は年明けの京都記念から厳しい結果が続いた。

京都金杯では坂の下りから手応えが怪しくなって、続く京都牝馬ステークスでも最後に甘くなったのは喉の影響があったようで、昨夏のキーンランドカップを最後に喉の手術を陣営は決断。

初の古馬相手に3着好走した阪神カップにしても3歳春のニュージーランドトロフィーにしてもいずれも高速馬場で、道悪がダメだとまでは思わないが昨年の不振に少なからず影響は及ぼしていたはずで、高速馬場の阪神1400mは復帰戦にして最高の舞台。
14番人気の大穴でここは激走に期待したいところ。

⑭ブランノワール(⋯)

昨年2月にうずしおステークスをメンバー最速33秒5の上がりで差し切ってオープン入り。
昇級初戦となった阪神牝馬ステークスは後方から脚を伸ばしたが、相手も強く0秒7差の8着止まり。

以降もリステッド競走を中心に健闘を続け、3着内好走こそまだ果たせていないものの、昨夏の小倉日経オープンではサラキアやボッケリーニら骨のある馬を相手に0秒4差の4着と力のあるところは見せている。

現状、今ひとつ好走のツボが見えてこないが、好位3番手からメンバー最速33秒6の上がりで3馬身差の圧勝を飾った2勝クラスの夕月特別は1分45秒3の勝ち時計も優秀で、オープン入りを決めたうずしおステークスもメンバー最速33秒5の上がりで差し切り勝ち。
未勝利卒業も阪神1600mで決めており、少なくとも阪神コース、それも高速馬場が合うことは確か。

今回はその阪神での高速馬場とあって好走の期待も高まるが、内回り1400mよりも33秒台の末脚が要求される外回り1600m向きと見ており、ここでの凡走から人気を落とした阪神牝馬ステークスで狙いたい馬。

⑮ギルデッドミラー(⋯)

デビュー勝ち後はマルターズディオサやヴェルトライゼンデ、サトノインプレッサらと走って、なかなか2勝目が遠かったが、確勝を期して挑んだ平場の1勝クラスはきっちり2馬身半差の完勝。1分20秒6の勝ち時計もなかなか優秀な時計。

続くアーリントンカップでは内を巧くすくったタイセイビジョンにこそ2馬身もの差をつけられたが、自身もメンバー3位の上がりを使ってクビ+クビ差の接戦を制して2着を確保。
NHKマイルカップでも内の先行馬が極端に有利な馬場状態が味方したことは確かでも、アーリントンカップで完敗を喫したタイセイビジョンにはリベンジを果たし、本調子ではなかったとはいえレシステンシアにも0秒1 差まで迫った3着は世代上位の力を示す走り。

古馬と走るようになってからは51kgのハンデに恵まれた中京記念こそ0秒3差に善戦したが、確勝を期したリステッド競走の信越ステークスと前走のリゲルステークスではいずれも二桁着順に沈む惨敗で、春の時点では影を潜めていた気難しさが災いしている様子。

距離を短縮することで復活に懸けるが、前走のリゲルステークスではリングバミに替えてブリンカーも着用したものの効果は見られず、今回も5番人気。
外枠であることも含めてリスクに対しての妙味からは今回は様子見としたい。

⑯リバティハイツ(◎)

初めて着用したブリンカーが効きすぎた中京記念から1200mに距離を短縮して臨んだ昨秋のオパールステークス。重馬場の中、中団から鮮やかに差し切って3歳春のGⅡフィリーズレビュー以来となる約2年7か月ぶりの復活勝利を挙げた。

前半がそれほど流れずにいずれも1秒以内の前傾ラップに収まった前々走の京阪杯と前走のシルクロードステークスはキレ負けする格好で、それぞれ8着→4着に敗れたが、今回の阪神1400mは3歳時に勝ったフィリーズレビューと同じ舞台。
昨秋に復活勝利を挙げたオパールステークスも京都ながら前後半3F が33秒0-35秒6のハイペースで前傾ラップは望むところ。時計の面でも2019年の安土城ステークスでは最速上がりを使ってダイアトニックとクビ差の2着、1分19秒6の時計で走っており、対応可能な範囲内だろう。

クラブ所属の6歳牝馬で牡馬と走る3月の阪急杯かオーシャンステークスより、一杯に追った最終追い切りからはここが引退前一番の大勝負の可能性。
大外枠に56kgの斤量は簡単ではないが人気もないだけに一発に期待したい。

【結論】
単複 ⑯リバティハイツ

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