アイビスサマーダッシュ 2020【予想】
外枠有利が定説となっている新潟の直千競馬。開幕週でもその傾向も弱まることはなく、昨年こそ3番枠のカッパツハッチが好走したが、2番枠に入った2番人気のダイメイプリンセスは⑥着に沈んだ。
斤量で言えば、51kgの3歳牝馬が【0.1.1.1】と活躍していることに対して、57kg以上は【0.0.0.4】と2番人気だったセンコーライコウの④着や3番人気だったネロの⑩着と人気馬でも好走は簡単ではなく、過去10年まで広げてみても【0.0.0.11】と6頭の2~3番人気がいながら⑩⑪⑤⑩④⑩着と好走がない。
単純な牡馬と牝馬との比較では牝馬が若干優勢ではあるけど、そこまで気にする必要はなさそう。
当初は土日ともに雨の予報で道悪が予想された馬場だったが、ほとんど降雨はなく高速馬場、気温も27〜28度前後まで上がりそう。
①ノーワン
メイバー最速タイの上がりで追い込んだ前走のCBC賞は0秒9差の⑥着とはいえ、やや復調を感じさせた内容ではあった。
初挑戦となる直千競馬での変わり身が期待される今回の一戦だが、ハーツクライ産駒は過去5年で【2.3.1.17】としており、2勝はいずれも1勝クラス。2勝クラス以上に限定すると【0.1.0.7】。
出脚の遅さも含めて最内枠では厳しいと見る。
②ラブカンプー
2年前の②着馬で、同年GⅠスプリンターズステークスでも②着。以降の長く続いた不振は森田調教師によると気持ちの面ではなく、体重こそ変動がなかったが、落ちた筋肉が戻らなかったことが原因とのことで、韋駄天ステークスから戻り始めたらしい。
その韋駄天ステークスは⑦着ながら外枠有利とされる直千競馬で内の④番枠だったことを考えれば、0秒6差なら悪い内容ではなかったかも知れない。
そして、前走のCBC賞は13番人気の逃走劇。レース当週、重馬場の土曜に行われた芝6レースは全ての勝ち馬が4角4番手以内の先行有利が顕著な馬場で、稍重に回復した当日日曜も直前までの芝5レースの勝ち馬の4角通過順が⑤①①②①と3度の逃げ切り勝ち。
さらにメンバー中で最も軽い51kgのハンデに3番枠からの楽逃げは恵まれた面も大きかった。
2年前の状態に戻っているかどうかはまだ怪しく、今回は一気に5kgの斤量増で、前々走の韋駄天ステークスで6.5kgあった⑬ライオンボスとの斤量差が1kgにまで詰まる。これで勝てれば完全復活と言えると思うが、2番枠も牝馬の56kgも簡単ではない。
③ワンアフター
アドマイヤムーン産駒は3勝クラス以上に限ると過去5年で【3.1.1.10】複勝率 33.3% となかなかの数字ではあるが、もともとズブくなって1400mへ距離を延ばした経緯のある馬。
ここでの一変というより、この直千競馬を使っての次走が狙いどころになるかと思う。
④カッパツハッチ
昨年の②着馬で韋駄天ステークスからのローテーションは昨年と同じ。
その前走は好枠⑬番枠も0秒7差の⑨着に敗れたが、488kgの過去最高体重も少なからず影響があったはず。
昨秋のルミエールオータムダッシュは⑦着とはいえ、間隔が空いていた(中10週以上【0.0.1.3】)上に稍重馬場で0秒2差。今年初戦となったオーシャンステークスは同様に間隔が空いていたし相手も強かった。
前々走の京葉ステークス⑩着は2年ぶりのダート戦で0秒6差なら許容範囲だろう。
昨年の②着以降は好走がなく二桁人気に甘んじているが、どれも明確な敗因があり、今回は集中力を増すためにチークピーシーズを着用とのこと。
④番枠は痛いが、昨年は③番枠から②着。54秒0の持ち時計もあり、良馬場での高速決着を想定するなら高配当を期待して押さえておきたい。
⑤ナランフレグ
3走前のシルクロードステークスは前が潰れる展開の恩恵があったことは確かだが、苦手とする右回りでも③着に好走。
宗像調教師にとっては本日が66回目の誕生日で、愛弟子の丸田騎手が重賞勝ちをプレゼントしてくれればこれ以上嬉しいことはないが、0秒3差の⑤着だった前走の韋駄天ステークスで2.5kgあった⑬ライオンボスとの斤量差は今回1kg差にまで詰まる。
今回も後ろから行くだけに前が潰れる展開になっても勝ち切るまではどうか。
⑥ナインテイルズ
2年前の③着馬だが、約1年3か月前の4月から8戦連続して二桁着順続き。
9歳馬でもあり、一変を期待することは酷と見る。
⑦レジーナフォルテ
今年で4年連続の参戦となるが、初参戦となった2017年から③着→④着→⑤着。
昨秋は4kgの斤量差こそあったが、ルミエールオータムダッシュで⑬ライオンボスに完勝。
直千競馬は【2.1.1.4】は得意にしている条件だが、③着以内に好走した4戦はすべて⑥枠以降の好枠であり、⑤枠より内に入ると⑫④⑨⑤着。
14番人気なら押さえておきたい気もする。
⑧ダイメイプリンセス
今年で3年連続となる参戦。
一昨年は中3週のローテで本レースを勝ち、さらに中2週で挑んだ北九州記念でも②着。昨年は中11週空いて⑥着に敗れて、続く北九州記念で勝利。
今年も中8週とやや間隔が空いているだけに次の北九州記念で狙いたいところだが、直千競馬は1枠に泣いた昨年の本レース⑥着を除けば【3.0.1.0】。
秋山騎手とのコンビが【5.2.1.7】で、秋山騎手以外となると【2.0.1.17】とかなり差があるだけに秋山騎手の騎乗は少なくないプラス。
直線コース誕生以来、7歳以上の牝馬は【1.3.6.78】の勝率と苦戦している中で酷量56kgを背負うこともあっては勝ち切るまでは難しいかも知れないが、バッサリ切るには勇気がいる。
⑨ジョーカナチャン
骨折休養明けだった昨秋のルミエールオータムダッシュは4番枠もあって⑧ダイメイプリンセス、⑬ライオンボスの後塵を拝したが、前走の韋駄天ステークスでは⑬ライオンボスにこそ最後の最後にアタマ差捕らえられたが、⑧ダイメイプリンセスには先着。
直千競馬は【2.1.0.1】とテンのダッシュ力からもこのメンバーでも上位の適性がある。
⑬ライオンボスとの枠順差は今度はこちらが内目で、斤量差も4.5kg差から3kg差に詰まり、逆転は簡単ではないが、54kg自体に問題はない。
⑩イベリス
2015~16年に連覇したベルカントの半妹。昨秋に挑んだセントウルステークスは初の古馬との対戦ながら、直後にスプリンターズステークスまで連勝するタワーオブロンドンから0秒6差の③着。
ここでも上位のスプリント能力を見せたが、次走のスプリンターズステークス以降は二桁着順続き。
押しっ放しの追走は気持ちの問題なのか、冬場で重めだったのか。
今回は当初予定していたCBC賞を除外されての一戦で約半年ぶりの実戦であることを含めて、状態の見極めが必要にはなるが、昨秋の状態にさえあれば勝ち切るだけの力は十分にあるし、鞍上の浜中騎手はこの馬に乗るために新潟参戦。
二桁着順が続いている割に8番人気と意外に人気しているので妙味は怪しいが、期待している。
⑪アユツリオヤジ
6歳、36戦目にして初の芝挑戦は5馬身差の圧倒劇。先行有利の馬場状態が味方したことは確かだが、ダート馬が激走を見せる本レースにおいて、芝の適性を示せたことは鞍上にとっては大きな自信になるはず。
過去3着以内に好走した12戦の内、半数が今回と同じ中1週のローテーション。
サウスヴィグラス産駒の過去5年の直千成績が【0.1.0.16】と好走が1勝クラスの牝馬限定戦のみと限られていることから本命視は避ける。
⑫ビリーバー
全4勝を中3週以内のローテーションで挙げているだけに果敢な重賞挑戦の意気は買うが、3勝クラス卒業直後の昇級戦が初の直千競馬。
1200mでも中団~後方で運ぶスタイルで、今回は追走に精一杯になる気しかしない。
⑬ライオンボス
特にコーナーを回ることが下手には見えないが、直千の【4.1.0.0】に加えてダートも含めた1000mの成績【6.1.0.2】に対して、1000mを超えると【0.0.0.8】だから1200mでも長いのかも知れない。
外目の好枠も手に入り、怪しかった天候もどうやら味方しそうで、冒頭で挙げた57kgの斤量も58kg、57.5kgを背負って今回も出走するライバル相手に②①着。
取りこぼしを期待しているが、2.5倍あたりで落ち着くのであれば1頭軸マルチで紐荒れを狙った方がいいかも知れない。
⑭ゴールドクイーン
約2年ぶりとなる芝でのレースだが、葵ステークスではラブカンプーを抑えて勝ち、続く古馬との初対戦となったバーデンバーデンカップでは51kgのハンデもあったが、アタマ差の②着に好走。芝での適性はある。
前走のさきたま杯の3秒差の大敗はスタートで派手に躓いた時点で諦めていた内容だから、それほど悲観する内容ではないものの、5番人気の支持を得ている理由は2007年に13番人気で激走したサンアディユかと推察。
ただ、前走ダート戦という括りでも【1.0.0.26】と好走はこのサンアディユだけで、昨秋のながつきステークスでは57kgを背負って5馬身ぶっちぎってはいるが、それでも牝馬で56kgは楽ではない。バッサリ切る手も。
⑮モンペルデュ
ダートの短距離で2度のレコード勝ちの快速馬だが、隣の⑭ゴールドクイーンの項でも書いたように前走ダート戦の時点で厳しいし、ましてや初芝。
3連勝で挑んだJBCレディスクラシックは落馬転倒で競走中止、年明けの大和ステークスはシンガリ負け。立て直して挑むはずだった天王山ステークスは熱発で取り消し苦難が続いているだけに、7番人気はどうか。
5月とはいえ一応は熱発明けで、実戦となると約半年ぶり。直千競馬のレジェンドと一部では書かれる鞍上の西田騎手も勝ち星の多さは騎乗数の多さによるもの。
⑯クールティアラ
初めての直千競馬だった昨夏の稲妻ステークスを勝っており、前走の韋駄天ステークスでは揉まれ弱さを抱える中で包まれながらも0秒5差。
今回も16番枠で包まれる展開になる公算は高く、斤量差も詰まるのであれば、3着好走であれば御の字ではないだろうか。
⑰メイショウカズヒメ
昨秋のルミエールオータムダッシュは初の直千競馬だったが、不利とされる内の⑤番枠スタートの中、0秒2差は十分の内容。
中6週以上は【1.0.0.6】と1勝クラスでの勝利のみで約半年ぶりとなる仕上がりが鍵にはなるが、新馬勝ち以降の3勝を8~9月の暑い時期に挙げているだけに、13番人気なら好枠を味方につけての一発を期待しても。
⑱ミキノドラマー
これまで38戦中、約半数にあたる18戦がこの直千競馬で【3.2.3.10】。昨秋のルミエールオータムダッシュではライオンボスと0秒1差の③着に好走しており、この好走が京都1200のオパールステークス⑭着大敗からの巻き返しだったように、ぶつけられて戦意喪失した前走の函館スプリントステークス⑯着も目を瞑れる。
基本的に涼しい時期がベストの印象もあるので、秋のルミエールオータムハンデが一番の狙いどころではあるが、16番人気なら高配当を期待して押さえておく。
【結論】
本命 ⑬ライオンボス
⑬ライオンボスを軸にした3連単と3連複、押さえに⑬ライオンボスをはずした馬単ボックスと無駄買いしてしまった。
3連単フォーメーション
1着:⑬
2着:⑧⑨⑩⑪⑰
3着:④⑧⑨⑩⑪⑯⑰⑱
1着:⑨⑩⑪
2着:⑬
3着:④⑧⑨⑩⑪⑯⑰⑱
1着:⑨⑩⑪
2着:⑧⑨⑩⑪⑰
3着:⑬
3連複軸1頭流し
⑬-⑧⑨⑩⑪⑰
馬単ボックス
⑧⑨⑩⑪