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平安ステークス 2020【予想】
以前はフェブラリーステークスの前哨戦の位置づけだったが、7年前より現在の施行条件に変わり帝王賞への前哨戦にもなるレースとなった。
移動後から5年は1分57秒を切る決着が続いたが、ここ2年は1分57秒3、1分58秒1の決着。金曜時点でのJRA発表では含水率が少ないことと降雨が予想されていないことから、それなりにパワーも要する馬場を想定。
ペースは100m距離が延びたことによって、道中での緩みが生まれやすいことと、京都らしく決着時計や上がり時計も速いことから、先行有利の傾向が強い。
①アシャカトブ
キャリア14戦目にして初の関西遠征。前走のマーチステークスは絶好の条件ながら、勝ち馬⑩スワーヴアラミスとは3kgの斤量差がありながら力負けの形。
伸び盛りの4歳馬とはいえ、ここでは厳しいだろう。
②ロードレガリス
大井時代も含めて6連勝中。オープン入り初戦となった前走のアルデバランステークスは終始4頭分近く外を回るロスの多い競馬だったが、次走でマーチステークスを勝つ⑩スワーヴアラミスに完勝。
着差こそ半馬身でも上がりでは0.4秒差をつけており、これで中央に戻ってからの4戦すべて上がり3Fはメンバー最速。まだ奥がありそうな印象さえある。
前走が今回と同じ舞台である京都1900mでだったことに加えて、中央に戻ってから全て京都を使われており、走り慣れていることはプラス。
懸念材料は鞍上の池添騎手。ダート重賞での最後の勝利は2007年エルムステークスまで遡り、以降の約13年で【0.1.3.40】。1〜2番人気への騎乗が1度もなかったことも影響しているとは思うが、それでも3〜5人気馬への騎乗が8鞍あったことを考えれば、全幅の信頼を寄せるには心許なく、テンにそこまで速い馬ではないだけにスタート後に揉まれずに流れに乗れるか。
③ヒストリーメイカー
本レースにおいて相性のいい仁川ステークスからのローテーションだが、54kgの軽量に加えて定年を迎える作田厩舎の渾身の仕上げもあったことを考えれば強調材料に欠けるし、転厩初戦となる約3か月ぶりの出走は新谷調教師も状態面について慎重なコメント。
④ハヤヤッコ
休み明けで16kg増だったとはいえ、3走前はスワーヴアラミスに0秒7差、前々走は②ロードレガリスに2秒1差の敗戦。このメンバーでは厳しく映る。
⑤オメガパフューム
左回りの【0.1.1.3】に対して、右回りは【7.2.1.0】の圧倒的成績。京都は帝王賞のステップとして59kgを背負って3着だった昨年の本レースや、2018年のJBCクラシック2着を含めて【1.1.1.0】。
1900m以上の距離では【4.3.1.0】としており、速すぎない馬場状態もプラス。
今年は昨年よりも長い4か月半ぶりの出走で、昨年同様59kgを背負ってのステップレースだが、恐らく今回限りとなる乗り替わりの北村友騎手は2週連続で追い切りに跨っており、本人としては結果を残したいところ。
昨年同様の取りこぼしのリスクは当然あるが、能力を考えれば4〜5倍の3番人気は妙味ありとも言えるか。
⑦ゴールドドリーム
2年前の帝王賞を勝っているが、どちらかと言えば【1.1.1.3】としている2000mよりも【5.4.1.1】の1600m寄りの印象は強い。
⑤オメガパフュームより1kgでも軽い58kgは魅力にも映るが、本日の馬場は標準より少し速い程度であり、スタミナも求められるだけに勝ち切るまでの信頼が4倍強のオッズにあるかどうか。
⑧スマハマ
単騎逃げが見込めるメンバー構成は魅力に映るが、1800mまでの経験しかない中での100m延長への対応は1分47秒6の日本レコードを叩き出したスピードを活かしたい本馬にとっては臨むところではないだろう。
有力馬が折り合い重視で牽制し合ってくれれば、粘り込みの可能性も。
⑨ミツバ
昨年の川崎記念勝ち以降は厳しいレースが続いており、ここではスピードの面で厳しい印象。
⑩スワーヴアラミス
稍重~重【4.2.0.0】に対して、良馬場は【2.2.2.0】と芝向きのハーツクライ産駒らしくスピード勝負に強いタイプ。前走のマーチステークスでも道中押っつけ通しであったことを考えれば、100mの距離延長もプラスに思えるが、本レースはそれでも同等には流れることが予想される。同様の競馬でこのメンバー相手に通用するかとなると怪しい。
⑪ヴェンジェンス
約1年半ぶりだった4歳時の1戦を除けば、中10週以上【3.1.0.0】。京都は昨秋のみやこステークス勝ちに、前々走の東海ステークスではインティに先着する②着に好走しており、【4.3.1.1】の外枠もプラス。
⑫マグナレガーロ
最内枠から出負けしたことでチグハグな競馬になったデビュー2戦目を除けば、4戦4勝でその全てがメンバー最速上がり。ゆくゆくは重賞を勝てる器に映るが、鞍上が大幅に落ちた今回は好走までではないか。
⑬アッシェンプッテル
後方脚質に加えて、オープン入り初戦でこのメンバーはさすがに厳しく映る。
⑭ダンツゴウユウ
ハイレベルな一戦だった3走前の武蔵野ステークスは0秒5差の④着と高く評価をしており、前走の吾妻小富士ステークスは不得手な休養明けの一戦ながら5馬身差の圧勝。【3.0.1.0】と得意にしている1700mの距離に54kgの軽量もあったが、強い内容だった。
しかし、今回は【0.1.1.7】としている1800mよりさらに長く初めてとなる1900m。仮に高速馬場になったとしてもここでは厳しいレースになりそう。
【結論】
単勝 ⑪ヴェンジェンス
本馬も1900m以上の距離は初めてで不安がないわけではないが、1800mは左回りGⅠのチャンピオンズカップを除けば【1.2.0.0】。京都ではインティに先着した実績もあって能力差がそこまであるわけではないはず。
有力馬にもそれぞれ不安があるなら、単勝8倍の妙味を取りたい。
このメンバーなら好位の外めを取れそうだし、幸騎手も重賞を取れそうなレースも限られているだけに全力で臨んでくれるはず。