共同通信杯 2021【予想】
最速上がりを記録した馬が過去5年で4勝を挙げる【4.0.0.1】と、直線での高いスピード能力が要求されるレース。逃げたい馬のいないメンバー構成に、昨日は外差しも目立っただけに直線勝負を想定。
①ディオスバリエンテ(⋯)
ドレッドノータスやディアデラマドレの半弟という良血馬でデビュー前から期待は高かったが、デビュー戦で2着に負かしたボーデンは先々週の未勝利戦で1分45秒2の好時計で6馬身差の圧勝。
そのボーデンからさらに4馬身離された3着アサマノイタズラ、5着グローリアスサルムまでもあっさり勝ち上がったことで本馬への期待もさらに高まった。
4角でアクセルを踏み遅れながらもエンジンが点火してからの爆発力は一級品で、半姉ディアデラマドレがキレただけにロードカナロア産駒に替わったことで高速馬場になってさらに増しそう。
最終追い切りのラスト1F 14秒を含めて中間の過程に疑問もあるだけに今回は様子見とする。
②キングストンボーイ(⋯)
サウジアラビアロイヤルカップの大敗から、ベゴニア賞での変わり身から道悪は空っ下手。
そのベゴニア賞の勝ち時計1分35秒2は1000m通過が61秒1のスローペースが影響したもので、ほぼ同じ1000m通過タイムだった翌日の同条件2勝クラスから0秒2遅いだけ。
藤澤和調教師を最後のクラシックに連れて行く期待を背負った皐月賞馬エポカドーロの半弟になるが、距離延長で臨む今回はどうか。今回は様子見。
③ステラヴェローチェ(○)
外傷性鼻出血による出走取消から約1か月、デビュー戦はスタートから出して行ってハナに立つ形になったが、番手の馬と併走する形でもペースを落として我慢することができ、直線では1番人気のグルーヴビートが追い上げて来るともうひと伸び。最後はクビ差まで迫られたが、手応えにはまだ余裕があった。
翌週の紫菊賞を目標にしていた中で急遽出走を決めた前走のサウジアラビアロイヤルカップは横山典騎手らしくデビュー戦から一転して最後方からの競馬も不良発表の極悪馬場を大外一気の末脚で無傷の2連勝。
3馬身差をつけての圧勝であり上がり3Fは0秒9も上回る着差以上の圧倒的な内容だった。
デビューからの2戦がいずれも道悪で、バゴ産駒だったことから良馬場への対応が試金石とされた前走の朝日杯フューチュリティステークスだったが、出遅れながらも33秒5の最速上がりで追い込んで2着に好走。
他馬より1kg重い57kgを背負って距離延長となると簡単ではなさそうに見えるが、ここでは力が違うか。
④プラチナトレジャー(⋯)
かなりの若さを見せて直線での伸びを欠いたたデビュー戦から約2か月半。東京1800mでの2戦目は雨が降りしきる不良馬場での競馬となったが、1000m通過63秒0のスローペースを後方からの競馬。
直線に入ってもほぼ最後方の絶望的な位置から馬群を割って最後にアタマ差だけ抜け出して勝ち上がり。
次位より0秒5上回ったメンバー最速上がりは、この日芝で行われた6レースの中でも最速で、メインのGⅢサウジアラビアロイヤルカップよりも速いものだった。
不良馬場での上がりの掛かるレースから、良馬場での瞬発力戦への適性が問われた前々走の東京スポーツ杯2歳ステークスではメンバー2位タイとなる33秒6の上がりで0秒4差まで迫る4着に健闘したものの、前走の京成杯では折り合いを欠いて0秒8差の5着。
広い東京へのコース替わりは歓迎だが、スローペースでの折り合いのリスクを考えると手を回し切れない。
⑤ディープリッチ(⋯)
デビュー2戦目のアイビーステークスではオーソクレースに0秒8差、葉牡丹賞では2秒2差の大敗。
ここは厳しいレースになりそう。
⑥タイソウ(◎)
阪神2000mでの新馬戦は1F13秒台が連発する1000m通過65秒5の超スローペースではあったが、残り5Fを12.8 - 12.5 - 11.9 - 11.6 - 11.4 と加速ラップを最速上がりで3馬身差の完勝。2着マイプレシャスもすぐに勝ち上がったように質の高いレースと見た一戦だけに、勝負処で急激に手応えを失くした前走の京成杯は案外な内容に映ってしまった。
陣営はコーナーで外に行ってしまう悪癖に敗因を求めたが、1000m通過63秒7とはいえ新馬戦から2秒近く速いラップを番手で追走したことも少なからず影響があったように思う。
距離短縮となる今回はスローペースでもさらに速いラップを追走しなければならないが、左回りに替わることはプラスに動くかも知れず、10番人気まで評価が急落しただけに大穴で期待してみたい。
⑦エフフォーリア(▲)
札幌での新馬勝ちから約2か月半ぶりのレースとなった前走の百日草特別は1000m通過63秒4のスローペースにもきっちり折り合って、直線では33秒4の最速上がりで抜け出して無傷の2連勝を飾った。
相手なりに走るタイプである懸念はあるが、芙蓉ステークスではランドオブリバティと、東京スポーツ杯2歳ステークスではダノンザキッドにいずれも0秒6差であったヴェローチェオロに0秒4差をつけたのなら、机上の計算ではここでも通用していい。
⑧レフトゥバーズ(⋯)
東京1600mでのデビュー戦の勝ち時計は、昨日のクイーンカップを制したアカイトリノムスメが勝った翌日の赤松賞と同じ1分34秒5。負かした馬からまだ勝ち上がった馬は出ていないが、次位を1秒上回る33秒4の最速上がりで3馬身半差の完勝は圧倒的な能力差によるもの。
そのド派手な勝ちっぷりと、グランアレグリアと同じディープインパクト✕Tapit の血統背景から3番人気の支持を集めているが、同週にクイーンカップがあるため牝馬の参戦自体が少ないレースであるものの、牝馬の好走例がないレース。
除外により参戦することになったが、末脚が不発に終わる可能性の方が高いと見る。
⑨ヴィクティファルス(△)
⑩ハートオブアシティ(⋯)
2戦2勝のノースブリッジから0秒2差の2着だったデビュー戦、評判馬サトノスカイターフに3馬身差をつけて勝ち上がった2戦目から一転、エリカ賞→平場の1勝クラスと続けて掲示板外に敗れる厳しい近況。
⑪シャフリヤール(☆)
ノースヒルズの期待馬ヴィヴァンとの一騎打ちになったデビュー戦は、1000m通過62秒2のスローペースから上がり3F 11秒9 - 11秒6 - 11秒5 の加速ラップを競り勝った。皐月賞馬アルアインの全弟として、鞍上の福永騎手がグロリアムンディと双璧のクラシック候補に考えている馬。
⑫カイザーノヴァ(⋯)
父モーリスにJRA初勝利をプレゼントしたデビュー戦は函館の1200m。行き脚がつかずに後方からの競馬となったが徐々にポジションを上げると、直線では圧倒的な手応えで最後は流し気味のままゴール。
連闘の強行軍で挑んだ函館2歳ステークスはさすがに同様の競馬でも伸びを欠いて⑤着に敗れたが、それでも着差はわずか0秒5差と力は見せた。
続くクローバー賞は1500mに距離を延ばしたこともあって好位からの競馬。4角で大外を回すと、後にファンタジーステークスでも3着に好走するラヴケリーを最速上がりで差し切り勝ち。
前々走のデイリー杯2歳ステークスは初めての輸送競馬や休み明けの影響もあったかも知れないが、2番手から伸びを欠いて0秒9差の5着。
速い上がりを出せるタイプには映らないだけに前走の朝日杯フューチュリティステークスで33秒5の最速上がりで追い込んだ脚には驚いた。頭が高い走法を改善するために着用したシャドーロールの効果か。
距離延長になる今回は様子見とする。
【結論】
単複 ⑥タイソウ
少頭数での取捨選択が難しく単複。