東京新聞杯 2020【反省】
レースラップは
12.4-10.9-11.4-11.6-11.8-11.5-11.6-11.8
前4F 46.3 - 後4F 46.7
前傾ラップになっているが、これは逃げた③モルフェオルフェが刻んだもので、離れた2番手以降は前4F 47.0〜47.3 ぐらい、後4F が46.0 ぐらいとすると、実質スローペース。
当初の見解通り、道中のポジションと決め手が重要なレースとなった。
③モルフェオルフェはもう少しペースを上げて逃げるかと思ったが、レース展開はだいたい予想通りで、誤算は本命に選んだ②ヴァンドギャルドの出遅れ。
「両サイドが牝馬で、ゲートに入ったとき馬がソワソワして」とはレース後の福永騎手の弁であるが、前々走の三年坂特別では両隣が牝馬でもスタートを決めているだけに、2番人気の馬で馬券圏外になった直後にユーモアあるコメントでの誤魔化しは感心できない。
決め手が強みでもないだけに出遅れも痛かったが、2番手以降のペースが遅かったことにより、中団までのリカバリーが出来たため、まだチャンスはあった。
ただ直線、進路の確保に手間取って万事休す。
福永騎手はこのあたりの判断が本当に遅い。いくら乗り馬の質が良くても、無難に外を回す競馬であったり、先行して簡単に捌けるようなレースが必須となると、今回のような混戦では勝ち切れない。
今回は連勝中のディープインパクト産駒、安易に先行できると考えた自身の考えの稚拙さに幻滅もしたが、コントレイルのダービーが心配にもなる一戦でもあった。
着差だけ見れば0秒2差なので、負けて強しの評価も間違いではないと思うものの、すんなり飛びつくのは危険な馬との印象。
そんな②ヴァンドギャルドを尻目に力強く抜け出したのが、優勝馬①プリモシーン。
の実績から舞台適性は誰もが知るところではあったが、それでも4番人気に甘んじたのは56kgと最内枠が嫌われたのだろう。
隣の②ヴァンドギャルドの出遅れは少なからず影響はあったように思う。最内枠ではあったが、揉まれることなくインをロスなく追走し、4角前からどこから抜けるか考えていたかのように直線ではスムーズな持ち出し。デムーロ騎手の鮮やかな騎乗が光った。
504kg(8kg増)を超える馬体はまだ余裕を感じさせたし、着差以上に強い競馬であった。
2着には後方から追い込んだ⑫シャドウディーヴァ。
元々、東京ばかりを使われフローラステークスでも2着に入るなど、左回り巧者ではあったが、初マイルが嫌われてか6番人気の低評価。
左回り【1.3.1.1】 右回り【1.0.0.4】
12番枠からのスタートも、すぐさまインに潜り込んだ岩田康騎手のファインプレイは、コーナーでもインを回すことで距離ロスを減らし、2着までの差し込みを可能にした完璧な騎乗。
ただ、実質スローペースで追走に苦労しなかった点も含めて、今回はハマった部分も多分にあるので、マイルへの対応も含めて評価は保留としたい。
3着の⑬クリノガウディーもスタート後にぽっかり空いたスペースにスッと導く横山典騎手の好騎乗。
こちらは前で運べた点も大きく、数年ぶりに騎乗を依頼した藤沢則調教師の何とかしたいという気持ちには応えた格好かも知れないが、これで勝てないなら現状力が足りないということ。
4着⑤サトノアーサーは過去最高ともいえるスタートを切ったものの、インに入られた⑬クリノガウディーの外を走る形になり、4角でも2列目外の⑥レイエンダのまた外を回って直線。
過去最高体重494kg(10kg増)も響いたかも知れないが、元々が速い上がりへの対応が苦手な馬。
思い切った早めのスパートがあっても良かったし、せっかくの好スタートを活かし切れていない。
スローペースで勝ち馬から10着ロワアブソリューまで0秒5差の混戦で、上位3着との差は騎手の技量の差が出たと言ってもいい。
今週のクイーンカップに出走するホウオウピースフルは狙いをつけていた馬だったが、騎乗予定である田辺騎手を考えると難しくなってきた。
8着⑥レイエンダも⑤サトノアーサーと同様、過去最高体重の496kg(12kg増)での出走。
⑥レイエンダの方は逆に速い上がりが歓迎のタイプだけに、心身の状態が敗因だろう。
寒い時期というより、この馬が3着以内に入ったのは5~10月の間だけで、それ以外はこれで【0.0.0.4】。
1番人気に推された⑨レッドヴェイロンは9着。
これまでの戦績が【4.5.2.1】という安定感に加えて、東京マイルが得意なエリモピクシー一族でもあったことが理由だったはずで、当方も差して届かずの2〜3着を予想していたが、掲示板さえ載れないのは予想外。
ルメール騎手も石坂調教師も口を揃えて馬場の硬さを敗因に挙げていたが、前々走の紅葉ステークスを勝った時の時計が今回より1秒5も速い 1分32秒0 で、上がり33秒3だから馬場に敗因を求めるには無理がある。
ルメール騎手なら⑥レイエンダか⑤サトノアーサーの位置、下げても⑦ケイデンスコールあたりの位置を迷いなく確保しに行くと思っていたし、少なくともあの位置から差し切れる程の脚が無いことは解っていたはずである。
藤沢和厩舎の⑥レイエンダがいながら選んだはずではあるが、勝利への意識が希薄に映った。
今週も両重賞で1番人気が人気に応えられず、これで年明けからの重賞で1番人気に応えて勝ち切ったのはブラストワンピースのみ。
4番人気前後の馬を狙っている立場として、ここまでチャンスがありながら的中が1戦のみというのは残念すぎる。
特にこのプリモシーンは枠順決定まで本命も考えていただけに。
こういうレースを確実に積み重ねていくことを理想のスタイルなので、今回プリモシーンを本命で狙い打てた人は本当に尊敬に値する。
今週は3重賞、せめて1つは当てたい。