きさらぎ賞 2021【予想】
昨年も7番人気のコルテジアが勝ったように冬の連続後半のタフな芝に、キャリアの浅い瞬発力自慢の良血馬が敗れることが少なくないレース。
今年は直線に急坂が構える中京コースに替わるだけでなく、距離も2000mになっての施行となる。
例年以上にタフな条件でのレースであることを念頭に置いた上で考えたい。
①ジャンカルド(◎)
無傷の2連勝を狙った前走の葉牡丹賞は逃げたノースブリッジに4馬身突き放されてしまったが、内ラチ沿いを走れた勝ち馬とはコース取りの差も少なからずあったように思うし、2番手から運んで上がり3Fは勝ち馬に次ぐメンバー2位タイで、3着ヴィゴーレには2馬身半の差をつけての2着。
翌週に共同通信杯がありながらの中京までの遠征は、シャフリヤールとの使い分けもあるかも知れないが、今の東京コースの軽い芝よりタフな中京コースの方が合うと考えてのレース選択と見える。
武井調教師は『手前の関係で左回りの方が合う』とも話しており、次のトライアルより8番人気と評価の低い今回で激走を期待したいところ。
②ラーゴム(○)
デビュー戦からの連勝を狙ったアイビーステークスではクビ差及ばなかったが、勝ったオーソクレースは暮れのGⅠホープフルステークスで2着に好走。
本馬も続く京都2歳ステークスで中団から渋太く3/4馬身差の2着に入って賞金の加算に成功したが、半馬身差での勝利だったデビュー戦を含めて全3走すべてが接戦。幼さからまだ本気で走り切れていないらしく、底を見せていないとも考えられる。
500kgを超えるオルフェーヴル産駒だけにタフな馬場となっている今の中京は合いそうで、本番まで連続での長距離輸送となるトライアルよりもここでダービーまでの賞金を加算しておきたいはず。
手綱が戻る北村友騎手も3週連続で追い切りに跨っているように気合い十分で、極端な位置取りを選択する必要がないこともアドバンテージになりそう。
③ヨーホーレイク(▲)
母クロウキャニオンの子は初仔のキラウエアから12世代連続で勝ち上がり馬を送り出している名牝だが、重賞での好走こそ少なくないものの、実際に勝ち切った馬は弥生賞を勝ったカミノタサハラとダートのGⅢレパードステークスを勝ったボレアスの2頭だけ。
デビューからの2連勝がいずれも道悪でのレースだっただけに前走のGⅠホープフルステークスでは良馬場で真価が問われる一戦と見ていたが、結果こそ3着に敗れたものの、出負けしながら最速タイの上がりで追い込んで0秒3差まで詰め寄った内容から、母クロウキャニオンの代表産駒となりそうにも思えた。
友道調教師は良馬場向きと話しているが、ボレアスはダートGⅢ勝ち、マウントシャスタは重馬場の毎日杯で2着好走と比較的パワー型タイプの血統で、胴長ではあるものの500kgを誇る馬体からもどちらかといえばパワー型に映るだけに、良馬場ながら力の要る今の中京コースはベスト。昨日のエルフィンステークスでのエリザベスタワーのように後方から末脚不発もありそうで単穴評価。
④ダノンジェネラル(⋯)
1000m通過が64秒2の超スローペースとはいえ、ラスト3F 11.8 - 10.6 - 11.3 の33秒7というレース上がりを自身33秒4の脚で勝ち切った内容は秀逸。
ダノックスの主戦とはいえ、裏の東京新聞杯に出走を予定していたヴェロックスを手離してまで選んでいるだけに川田騎手も期待を寄せているのだろう。
ただ、33秒台の瞬発力が要求される今の東京コースならともかく、タフな中京2000mが舞台であれば、距離経験も含めてキャリア1戦での挑戦は簡単ではない。来週の共同通信杯の方が1800mの距離も含めて合っているような気がするが、川田騎手が裏の京都記念でラヴズオンリーユーに騎乗する事情があったと邪推してしまう。今回は思い切って消す。
⑤タガノカイ(⋯)
鮮やかに逃げ切った前走の1勝クラスは、2分1秒7の勝ち時計こそ光るが、先行有利の展開と減量騎手による3kg減の斤量も味方した印象。
今回は重賞で減量恩恵のない3kg増える56kgの斤量。重賞初挑戦だった前々走の京都2歳ステークスではスローペースの持続力戦を逃げて0秒6差の7着。よほど展開に恵まれないと厳しそう。
⑥トーセンクライマー(⋯)
デビュー2連勝を狙った前走の葉牡丹賞は勝ち馬から3秒も離されたシンガリ負け。いくら3角手前から動いたとはいえ負け過ぎで、タフな中京コースを見越しての出走らしいが、ここでは厳しいだろう。
⑦ショウナンアレス(⋯)
デビューから5戦目の前走でようやく勝ち上がり。デビューから全て3着以内の堅実さが売りになりそうではあるが、その全てのレースで手綱を取っていた池添騎手が父の管理馬より⑪アランデルを選んでいる点から勝ち負けは難しいかも知れない。
乗り替わりが松山騎手なら問題はないが、稍重のデビュー2戦目での敗戦を緩かった馬場に挙げていたことから今の中京の馬場が味方するかも怪しい。
⑧アクセル(⋯)
デビューからの連勝を狙った前走の京成杯は出遅れも響いて1秒3差の8着。続けて重賞に挑戦させるだけに陣営の期待も高いのかも知れないが、デビュー戦は1000m通過62秒4の逃げ切り勝ちで横山典騎手の馬場を活かした好騎乗が大きかった印象。
⑨ランドオブリバティ(☆)
前走のホープフルステークスでは4角でまさかの大逸走で競走中止。口向きを矯正するジェーンビットというハミに替えることで対応するが、当時のレース後、鹿戸調教師は幼さがあることは認めながらも、『調教では一度もなかった』と話しており、デビューからのGⅠ連敗を「93」に伸ばした三浦騎手の鞍上からの緊張が影響したと考えている。
元々は社台ファームの吉田照哉代表がデビュー前から「今年のディープインパクト産駒の牡馬No.1。超大物かも知れない」と期待されていた馬で、2戦目の芙蓉ステークスでは2着⑪アランデルに3馬身半差をつけて無傷の2連勝を飾った実力の持ち主。
今回はGⅢとはいえ、クラシックでの乗り替わりを避けるためには結果が求められる背水の一戦。
不良馬場でアタマ差の接戦だったデビュー戦から、良馬場替わりの2戦目での3馬身半差の完勝を考えれば軽い馬場向きの印象もあり、そのポテンシャルをフルに発揮するまでのハードルは低くはないように思う。
⑩ドゥラモンド(⋯)
デビューから2連勝で挑んだ前走の朝日杯フューチュリティステークスは着順こそ7着に敗れた格好だが、直線でスムーズさを欠きながらもレコード決着の中で持ち時計を4秒以上詰めて0秒7差。
今回は初の2000mへの対応がカギになりそうだが、バリバリのマイラーには見えないし、翌週に東京1800mの共同通信杯がありながら⑪アランデルとの二頭出しは不気味に映る。
ただ、2000mは2000mでも今のタフな中京の馬場となると距離経験を含めて簡単ではないはずで、レーン騎手→ルメール騎手→武豊騎手と来て岩田望騎手では陣営の期待値としても試金石かも知れない。
5番人気とそこそこ人気もしており、ここは様子見。
⑪アランデル(△)
大竹厩舎にシルクレーシング所属のハービンジャー産駒で池添騎手とブラストワンピースを想起させるが、
デビュー戦で負かした5頭にまだ勝ち上がった馬はおらず、2着に敗れた前走の芙蓉ステークスにしても⑨ランドオブリバティには3馬身半差をつけられ、3着以下に負かした7頭もまだ1勝クラスすら勝てていない。
大竹調教師も『少し時計の掛かる馬場が合う』と話しているように、ハービンジャー産駒だけに今の中京の馬場がハマる可能性を考えれば7番人気での激走を期待したくなる。
【結論】
単複 ①ジャンカルド
少頭数でもあり、思い切って単複1点。