金鯱賞 2020【予想】
昨年の皐月賞馬で有馬記念でも2着に好走した明け4歳牡馬のエース⑥サートゥルナーリアの始動戦で、現在5連勝中の同い年⑩ロードマイウェイの初対決も注目となっている今年の金鯱賞。
何が何でもハナという馬はおらず、近2走でハナを切っている④ダイワキャグニーが先手を取ることになりそうだが、2番手以降は中京2000mらしく序盤はゆったりで1000mからペースアップする持続力ラップが本線。
上表は現在の時期に移動した過去3年の3着内馬の一覧で、持続型ラップに直線の急坂もあってトニービンを持つハーツクライ産駒やキングカメハメハ産駒等、欧州型の持続力血統の好走が目立つ。
また、各馬のコーナー通過順を見るとほとんどが4角6番手以内で極端に後ろからでは届かないことも特徴。先行して長く脚を使えるタイプを狙いたい。
②ラストドラフト
本馬も⑥サートゥルナーリアと同学年の4歳馬。同舞台の中日新聞杯に前走のアメリカJCCを連続して好走しており、前半ゆったりからの持続力ラップはピッタリ。厳寒期の12月~2月は【1.1.1.0】と得意にしており、サートゥルナーリアを除けばアメリカJCCと大差ないメンバーならここもチャンスはあるだろう。
③ニシノデイジー
ホープフルステークスではサートゥルナーリアの0秒3差だったが、成長力で差がついた印象。
後方から差す競馬になるだろうし、後ろからサートゥルナーリアを差せるイメージは湧かない。
④ダイワキャグニー
メイステークスを連覇するなど府中のオープン番長になりつつあるが、前々走のGⅠジャパンカップでは重馬場を逃げて0秒7差に健闘。急坂のある中山が⑨⑤③⑨着ではあるが、過去3年で好走馬を3頭出しているキングカメハメハ産駒で17年と18年は逃げ馬が2着に粘っており、初コースとなる中京コースに問題なければ粘り込みがあるかも知れない。
⑤サトノガーネット
これまで17戦中14戦でメンバー2位以内の上がりを出しており、同舞台で行われた昨冬の中日新聞杯ではレース上がりを1秒2上回る33秒3の豪脚で差し切り勝ち。牝馬限定戦の中山牝馬ステークスではなく、こちらを選んできた。
また、施行時期移動前の2年も含めた過去5年中、4年で父か母父 Roberto 系が勝っており、母方に Roberto を持っていることもプラス。
鞍上の岩田望騎手も中京2000mで好成績を挙げており、中日新聞杯のような豪脚が引き出せれば。
⑥サートゥルナーリア
ロードマイウェイとの対決以上に注目されているとも言えるのが、本馬の左回り問題。ダービーも天皇賞もラスト1ハロンで失速しており、その原因が左回りにあるのかどうか。小滝助手が言うように手前の替え方もあるだろうが、個人的には精神状態が根源であると考えていて、まずレース間隔。
中4週と中5週だったのが天皇賞とダービーで、中7週だった有馬記念が2着、中8週以上開いていた残りの4戦は【4.0.0.0】。また、東京競馬場はパドックからコースへ移動する際に通る地下馬道に観客が見えるガラス張りのエリアがあり、その間にまたテンションが上がってしまうのではないかと。
天皇賞後に騎乗していたスミヨン騎手が「馬場に出てから別馬になった」とコメントしており、ダービーでは明確に出遅れて、天皇賞でも出負けしていることも偶然ではないように思う。先の手前の替え方についても精神状態が正常でないから替える余裕がないのではないか。
今回は十分に間隔を開けての出走で、角居厩舎も精神状態に細心の注意を払って調整を行ってきたはず。
⑧サトノソルタス
これまでの7戦は東京と中京しか使われておらず、東京では【2.1.1.1】で中京は【0.0.0.2】。緩いラップからの瞬発力勝負が得意な馬で、直線が平坦コースの方が向いている印象ではあるが、前走の中日新聞杯は前が詰まってしまったし、中京での2戦はいずれも中5週以内で東京はすべて中10週以上。
レース間隔なのか急坂なのかラップ適性なのか今回で見極められそう。
⑨バトルプラン
全成績【3.0.3.13】とすると見映えが悪いが、4着5着がやたらと多く着外13度の内、9度が4着か5着。上がりも19戦中15戦でメンバー中3位以内なので、実は割と堅実に走る馬。【3.0.1.6】の左回りはプラスだし、出遅れることも少なくないが、母父は Roberto 系のタニノギムレット。ダート帰りの激走があるかも知れない。いや、今回も4着か5着までか。
⑩ロードマイウェイ
距離延長となった前走のチャレンジカップこそ敢えて出していかずに差す競馬で対応したが、それまでの4戦は先行して連勝。
チャレンジカップでトリオンフを負かしており、トニービン4×3と持続力ラップは歓迎で、56kgに斤量が増えるがサートゥルナーリアとはまだ2kg差あり、ここでも通用する下地はある。
懸念材料は3か月ぶりの500万下戦は2着に取りこぼしていて、新馬戦も4着と休み明けに不安があること。GⅠ出走のために賞金を加算しておきたいはずではあるが目一杯に仕上げているようには見えず、腕試しの感もあって、下手すると前走同様に後方から脚を伸ばす競馬をする可能性も。
⑫マイネルファンロン
昨年の函館記念の2着馬で、5走前の湾岸ステークスを逃げて勝っており、この馬が先手を取りにくる可能性もある。古馬になってからは直線の長いコースで③⑤⑤⑩と結果が直線の短いコースに集中しているが、母の母父は先にも述べた好走血統 Roberto 産駒のブライアンズタイム。中山【2.1.1.2】と急坂はプラスだし、2000mの距離も【3.2.2.5】。
【結論】
単勝 ⑥サートゥルナーリア
十分に間隔を開けた始動戦のここはクリアできると判断した。例え手前の替え方が下手だとしてもこのメンバーなら能力で押し切れるのではないか。
パドック、返し馬、輪乗りとテンションの確認はしておいたい。