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鳴尾記念 2021【予想】

鳴尾記念 過去

2012年に6月阪神の開幕週へと移動になり、宝塚記念の前哨戦として位置づけられるようになったが、今年は金鯱賞や中日新聞杯などと同じ中京芝2000mでの開催。
直線の上り坂の途中がスタートになるため、前半のペースが落ち着きやすく、後半からの緩やかな下り坂とスパイラルカーブで、前が有利になることもあるが、先週は外差しがよく決まっていた。

前走GⅠ組が【2.2.2.6】と過去5年で複勝率 50%と高い好走率を記録している一方で、オープンクラスだった馬も【2.0.2.16】と2勝を挙げている。

週中の雨による影響が心配された馬場は、5レースで良発表に回復。
1勝クラスの1600m戦で1分32秒9の決着になったが、勝ったプログノーシスが強かった印象で、先週よりは時計を要している印象。


①ブラストワンピース(⋯)

昨春の大阪杯は手綱を押してポジションを取りに行ったものの、行き脚がつかずに諦めて後方から。勝負処から外を回って4角では3番手まで押し上げたものの、上がり3Fはメンバー6位。伸び負けての0秒6差7着。

昨夏の宝塚記念は直前の雨で稍重発表以上に悪化した馬場より、その馬場で前半3F 34秒6という自身が経験した過去最速ラップの先行争いに加わりに行ってしまったからか3角で手応えを失くしての16着。

復活を目指しての秋初戦となった天皇賞は11着大敗。2~3歳時は33秒台の上がりも記録していたが、古馬になってからは渋太くジリジリと脚を伸ばす形で結果を残していただけに、レース上がりが33秒6という超瞬発力勝負では厳しかった。

精神的な面も心配されるが、昨年敗れた3戦はいずれも適性外だったとの見方も可能でもともと【7.0.0.8】とピンかパーの馬。
さらに前走の有馬記念は心房細動のため競走中止しており、受難の一年であった。

3歳で有馬記念を制してグランプリホースとなった本馬も6歳、昨年のアメリカジョッキークラブカップ優勝以来となる復活勝利を目指すが、

今回乗り替わりとなる岩田康騎手が一週前追い切り後「少し重い感じがした」と話せば、管理する大竹調教師も「自分からハミを取らない」と心身ともに万全の状態にはなさそう。
4番人気は過剰と見て、思い切ってバッサリ。

②アフリカンゴールド(⋯)

六社ステークスを勝ってオープン入りを決めた直後に挑んだ一昨年のアルゼンチン共和国杯で3着に好走。騎乗したルメール騎手も「重賞を勝てる力がある」と評価していたが、その後は気性的な問題もあって苦戦続きで勝利から遠ざかっている。

今年初戦の白富士ステークスを0秒2差の4着に健闘しているように、気分良く走ることが出来れば重賞でも走れる力はあるはずも、自身の上がりが34秒以下での好走が多いことを考えると、この中京2000mで復活は簡単ではないように思う。

③ユニコーンライオン(⋯)

デビュー戦快勝から、2戦目では後の菊花賞馬で先日の天皇賞も制したワールドプレミアと0秒1差の2着に
好走した期待馬であったが、3勝クラス卒業までに9戦を要して、前走の弥彦ステークスを勝って、ようやくオープン入り。

一昨年の菊花賞以来となる重賞へ挑むことになるが、1勝〜2勝クラスの連勝こそ標準レベルの良馬場でも、前走の弥彦ステークスはかなり時計の掛かる稍重。
重賞で好走するなら道悪でないと厳しいように思う。

④ペルシアンナイト(◎)

昨夏の札幌記念は上位3頭のGⅠ馬以外のメンバーが弱かった面はあるが、メンバー最速の上がりで2着。
ノームコアやラッキーライラックとの接戦はGⅠ馬としての地力健在を示した格好。

秋初戦の富士ステークスは中団から脚を伸ばして0秒5差の4着だったが、もともと叩いた方がいいタイプだけに上々といえる内容で、本番のマイルチャンピオンシップは高速馬場の阪神が舞台で厳しいレースになるかと思われたが、ほぼ最後方という絶望的な位置からメンバー2位タイの上がりで追い込んで0秒6まで差を詰める大健闘の7着。

暮れの有馬記念もさすがに2500mは厳しいと見られたが、メンバー2位の上がりを使って0秒6差の7着。
1600mでの33秒台の上がりを求められる瞬発力勝負からタフな中山2500mと真逆のレースでの健闘は地力があるからこそ。

前々走の金鯱賞はメンバーが落ちた中で0秒8差の8着に敗れているが、叩き良化型の本馬にとって休み明けの敗戦。
前走の大阪杯はスタート後の不利で後方からの競馬になった上、重馬場も厳しかった。
昨夏の宝塚記念や今春の金鯱賞~大阪杯では馬場の悪化を敗因に挙げていたように極端な渋馬場では厳しかったが、稍重から回復した時計の掛かる良発表の馬場はベストといえる馬場状態。

叩き良化型だけに約2か月ぶりの実戦でどれだけ力が発揮できるかになるが、7番人気なら穴で期待。

⑤ワイプティアーズ(⋯)

オープン入り後は、GⅢ中日新聞杯を含めた7戦すべて1秒差以内に走る健闘を続けているが、3着内の好走は昨秋のケフェウスステークスの1戦のみ。

唯一、レースの上がりが36秒を超えたタフな一戦で、オープン入りを決めたスピカステークスもレース上がりが36秒1とタフなレースだった。

良馬場に回復して、そこまで上がりが掛かりそうにない今回は厳しいレースになると見る。

⑥ブラヴァス(▲)

5歳でジャパンカップを勝った叔父シュヴァルグランがそうであったように、奥手の血統とみて大事に育てられてきた友道厩舎の期待馬。

新潟記念を勝ったレース後も、騎乗した福永騎手から「前脚と後ろ脚の走りがバラバラで、まだ伸びシロがある」と厳しい言葉で高い期待を表していたが、その福永騎手から「走りのバランスが良くなってきた。今ならGⅠの舞台でも」と成長に手応えを感じている様子で迎えた前々走の金鯱賞はまさかのシンガリ負け。

もともと道悪が得意でないことは福永騎手も話していたが、昨夏の七夕賞では2着に走っており、それまで休み明けでも【3.1.0.0】と力を出してきた馬だけに、あまりに厳しい結果となった。

前走の大阪杯でも、5着サリオスからも1秒3離された大敗。GⅢのここから再スタートを切るが、幸いにも馬場は良馬場に回復して、もともとコースは問わないタイプ。昨冬のチャレンジカップで先着しているヒンドゥタイムズが1番人気なら過小評価だろう。

⑦サトノソルタス(⋯)

昨春の金鯱賞ではサートゥルナーリアより前の3番手を取って、勝負処から前の2頭に並び掛ける積極的な競馬で0秒3差の2着に好走。

間隔の詰まっていた大阪杯は馬体を10kgも減らして万全のコンディションになかったと思われる一戦で、約8か月ぶりの中日新聞杯ではフルゲートの大外枠で後方からの競馬になりながらも0秒7差の7着。

前々走の日経新春杯はスタートで出遅れた上に直線も前が詰まる不完全燃焼ながら0秒7差の5着と、暮れに復帰してからの2戦は厳しいレースが続いていたが、
前走の新潟大賞典では大外枠から3番手の好位を確保すると、前後半5Fが 57秒1 - 62秒2 の超ハイペースをクビ+クビ差の3着に好走。

中10週以上の間隔で2200m以下なら【2.2.2.1】と、前走を含めて好走を期待できる条件が整うが、中4週以内の詰まったローテーションでは【0.0.0.4】

これまでのキャリア12戦でメンバー3位以内の上がりを記録したレースは3度だけで、決め手に欠けて立ち回りの巧さで勝負したいだけにこの枠はギリギリ。
川田騎手へと乗り替わることによって3番人気なら、思い切ってバッサリ切る手もある。

⑧ショウナンバルディ(⋯)

格上挑戦での初の重賞挑戦となった昨夏の小倉記念は1000m通過58秒1で流れて1分57秒台で決着するタフなペースもあってか0秒7差と力負けの7着。

自己条件に戻った関ヶ原ステークスを2番手から抜け出してオープン入りを決めると、2戦2勝の中京で重賞再挑戦。その中日新聞杯は小倉記念より1kgハンデが重くなったが、好位のインを巧く立ち回って0秒3差の4着に健闘。
1000m通過が61秒5とゆったりとした流れで、その流れもハマったのだろう。

同様に前半スローペースで流れた年明けの中山金杯はスタートで外にヨレて位置取りが後ろになった上に、勝負処でごちゃつく不利。せっかく内枠を引きながら中団からなだれ込むだけの13着に終わった。

約1年ぶりの1800m戦となった小倉大賞典は15着に大敗を喫したが、前半ゆったり流れて欲しい本馬にとって小倉の1800mは明らかに不向きであり、外めの枠も厳しかった。
逃げてシンガリ16着に大敗した福島民報杯を挟んで迎えた前走の都大路ステークスでも果敢にハナを奪うと1000m通過が61秒3の超スローペースで自身の得意な流れに持っていって3着に好走。

得意とする中京コースで連続好走を図るが、特に決め手がある訳でもなく、立ち回りの巧さを活かしたいタイプだけに今回もハナを奪いにいく形になりそうで、外差しの利く今の馬場状態を考えると粘り込みはそう簡単ではないはず。

⑨ヒンドゥタイムズ(☆)

デビュー2戦目にGⅢ京成杯で0秒2差の3着に好走したシルクレーシングの素質馬。
昨春の但馬ステークスでブラヴァスとクビ差の2着、続く下鴨ステークスでは後にマーメイドステークスを勝つサマーセントを負かしてオープン入り。

昇級初戦の七夕賞では小回りの2000mでは絶望的ともいえるほぼ最後方の位置からメンバー2位の上がりで追い込んでの4着。昨秋のケフェウスステークスではポポカテペトルの一気の捲りで先行勢に厳しい展開になりながらも4着に粘った。

昨冬のチャレンジカップでも、後に大阪杯を圧勝するレイパパレ、昨夏の新潟記念勝ち馬ブラヴァスに続く0秒3差の3着に好走すると、前走の大阪城ステークスをメンバー最速タイの上がりで差し切り。

これまで【5.2.3.3】のキャリアで、3度の着外もすべて4着とこれまで掲示板を外したことが一度もなく、過去13戦中12戦で上がり3F3位以内、8戦が2位以内と堅実に走ってきており、GⅢならすぐに手が届いても不思議ではない。

ただ、12~3月の寒い時期に【3.1.2.0】と強さを見せる馬で、暑さに弱いタイプだけに当日の26~27度が予想される気温がどうか。

⑩ペプチドオーキッド(⋯)

札幌での新馬戦を快勝後、思うように使えないこともあって、1勝クラスの卒業までに時間がかかったが、約10か月ぶりの実戦となった前走の寒狭川特別を最速上がりでクビ差の勝利。

長期休養を挟んで1勝クラス→2勝クラスでの連勝で、直線でフラつきながらの勝利は、2勝クラスでは力が違った印象だった。

6歳馬でも休養が長く、キャリアは13戦とまだ若い。3勝クラス卒業は難しくなさそうだが、重賞初挑戦でいきなりの好走となると簡単ではなさそうに思う。

⑪クラージュゲリエ(☆)

2年前の皐月賞ではサートゥルナーリアから0秒6差の5着に健闘すると、日本ダービーでも0秒6差の6着。

復帰戦としていた昨年の京都記念を右前挫跖でレース直前に出走を取り消してから、蹄の不安で秋まで休養が長引いたが、実質約1年5か月ぶりのレースとなったカシオペアステークス(10着)を叩かれると、3週後のアンドロメダステークスではアドマイヤビルゴからクビ差の2着に好走。

今年初戦の日経新春杯では最後の100mで甘くなりながらも、0秒3差の3着に好走。
重賞初勝利も期待された前走の中山記念は、3角から忙しくなってしまい全く伸びず9着大敗を喫したが、レコードタイ決着の1800m戦は本馬には厳しかったのかも知れない。

今回はその中山記念以来となる約3か月の休養明けで状態面で注視する必要はあるが、チークピーシーズを着用する予定で集中力の向上を図っており、地元から近い関西・中京・滞在競馬の北海道では【2.1.2.1】。
実質約1年5か月ぶりの実戦だった昨秋のカシオペアステークスを除けば複勝率100%

⑫アメリカズカップ(⋯)

重馬場のきさらぎ賞勝ちや、不良馬場でのカシオペアステークスを3馬身半差で圧勝した道悪の鬼。
昨春はその重馬場ですら好走が叶わなかったが、夏の小倉記念では高速決着に0秒4差の4着に健闘すると、続く小倉日経オープンでも0秒5差の7着に健闘。

当日輸送の小倉が合うのかは定かではないが、一時の不振を脱出するキッカケまでには至らずに、昨秋からまた凡走が続いている。

2018年秋のアンドロメダステークス3着以来、約2年半ぶりの好走を目指すが、難しいはず。

⑬サンレイポケット(○)

重賞初挑戦となった昨夏の新潟記念はレース上がりが33秒1という中でメンバー3位の上がり32秒4で3着。
距離不足の懸念もあった秋の毎日王冠でもサリオスの直後となる5番手の位置を積極的に取りに行きながらメンバー3位の上がりで3着と連続好走。

続くアルゼンチン共和国杯は道中ぶつけられる場面に直線では馬場の悪い内側に押し込められながら6着に踏ん張っており、年明けの日経新春杯も0秒3差の4着に渋太く粘っている。
確勝を期した中1週の白富士ステークスでも出遅れて後方からの競馬になりながら、メンバー最速33秒7の上がりで追い込んで0秒1差の2着に好走して、6着に敗れた前々走の金鯱賞にしても僅か0秒2差。

右回りの【1.2.1.3】に対して、左回りは【3.2.2.3】と得意にしており、オープン入り後は直線の長い左回りに絞って使われて毎回しっかりと自身の末脚を発揮。前走の新潟大賞典では最速タイの上がりで差し切って待望の重賞初制覇を果たした。
その前後半5Fが 57秒1 - 62秒2 のハイペースで昨夏、3着に好走した新潟記念が前後半5F 61秒9 - 58秒0 とペース不問で好走しているが、外差しが利くようになっている今の馬場は本馬にとっては追い風だろう。

緩い馬場は歓迎のタイプで、乾かずに道悪のままでも良かったが、前走は新潟は良発表ながら時計の掛かるタフな馬場であったように、稍重から回復した程度の良馬場は却って丁度いいかも知れない。

1〜2番人気は妙味に欠けるが、ここを最後に夏休みに入る予定。前走で重賞初勝利に導いて今回も騎乗する鮫島駿騎手が跨った一週前、最終追い切りはいずれも一杯に追って勝負気配も高いと見る。

【結論】
本命 ④ペルシアンナイト

割れた人気なので馬単ボックスで高配当を期待。
BOX:④⑥⑨⑪⑬

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