マーチステークス 2021【予想】
降雪の影響で順延となった昨年こそ、乾き切らずに稍重馬場での施行だったことから1分51秒台の決着になったが、例年1分52秒台の決着が多いタフなレース。
馬格のある馬が強く、馬体重500kg以上の馬はそれだけで過去5年【4.3.3.38】
雨の降り始めがカギになりそうだが、パワーが要求される砂を想定。
①ライトウォーリア(⋯)
初めての古馬との対戦となった昨夏の2勝クラス・インディアトロフィーは外から被されたこともあって勝負処での手応えが他馬に見劣ったが、渋太く盛り返す勝負根性を見せて勝利。
GⅢレパードステークスで12着に敗れ、秋から自己条件に戻って3着→2着→1着と3戦でオープン入り。
前走の加古川ステークスは2番手追走から4角早め先頭と長く脚を使っての勝利だったが、前半スローペースで前有利の展開でもあった。
今回は手薄とはいえ重賞を走ってきたメンバーとの一戦で、3歳時の伏竜ステークスでは初めての砂を被る経験や揉まれたことでハミが外れてブービー負け、レパードステークスでも好位からズルズル後退して12着に敗れており、相手が強くなって気分良く走れるかは怪しいところがある。
インディアトロフィーで記録した重馬場での勝ち時計1分50秒0から、芝でデビューしていることも含めてスピードの活きる馬場ならまだしも、乾いた中山ダート1800mでは54kgのハンデでも厳しいように思う。最内枠も気分を損ねやすい本馬にはマイナス。
②デルマルーヴル(⋯)
中央の重賞でもレパードステークスでハヤヤッコからクビ差の2着に好走した実績はあるが、この時のレース上がりは38秒6で、以降はほとんど地方交流重賞を使われているようにレース上がりが38秒を超えるようなタフな競馬で浮上する馬。
本レースも中央重賞としてはレース上がりが掛かりやすい傾向にはあるが、それでも37秒台がほとんどで本馬にとっては厳しいレースになりそう。
③レピアーウィット(⋯)
砂を被ると嫌気が差してやめてしまうことがある気難しい馬だったが、昨春の本レースでは馬体も絞れて、ホライゾネットを着用した効果も発揮。
スタートでの出遅れはあったが、直線では外からメンバー最速タイの上がりで追い込んで3着に好走。
続く栗東ステークスでは1分21秒9というスピードが要求された決着の中、地方交流重賞で3勝を挙げていたサクセスエナジーまで半馬身差の2着。
スタミナが要求される中山1800mの前走ラジオ日本賞では勝負処から早めに先頭に立つタフな展開を押し切っての勝利と全く違う質のレースで内容の濃い競馬。
東京1600mのアハルテケステークスと武蔵野ステークスで崩れたが、前者はスタートで出遅れてリズムを崩したことが全ての11着で、後者はGⅠ並みの豪華メンバーが揃った先行馬総崩れの差し決着を3番手からの先行策が裏目に出た格好。
中山ダート1800mも昨年の本レース3着好走を含めて【2.0.1.1】としているが、全兄が芝GⅠも勝ったアジアエクスプレスで自身もデビューから3戦は芝を使われて②②④着だから本質的にはスピードタイプ。
中山で挙げた2勝は良発表も、好走した3戦はいずれも1分51秒台とそれなりに速い決着だった。
今回はクロス鼻革を装着して昨年からの着順アップを図るが、脆さを抱える不安定な馬に休み明けで内枠を引いた今回の5番人気はリスクを考えると過剰人気。
思い切って消すことにする。
④ロードゴラッソ(⋯)
昨年のシリウスステークス勝ちから重賞戦線で健闘を続けており、GⅠ以外の9戦で掲示板外に敗れたのはアンタレスステークスとエルムステークスの2戦だけ。
いずれもJRA重賞になるが、アンタレスステークスはそれまで中2~5週のローテーションで使われ続けた疲労に稍重での1800m戦で1分49秒台の決着はスピード的に厳しかったし、エルムステークスは休み明けで出遅れた上に1700mの距離も短かった印象。
今回は1800mでもタフな中山であり、全5勝を良馬場で挙げているように乾いたダートも好材料。
12番人気の伏兵で一変への妙味も十分ではあるが、他に買いたい穴馬もいるため差し届かないことを祈る。
⑤スワーヴアラミス(○)
昨年は本レースで重賞初挑戦初勝利を飾ったが、その後は3戦してすべて着外。
メンバーが大幅に強化された平安ステークスは上位3頭にこそ離されているが、ここでも人気を集めている⑫ヒストリーメイカーには1kg重い57kgを背負って半馬身差の5着で、ブラジルカップ5着は約5か月ぶりの休み明けに57.5kgのハンデも厳しく、いずれの敗戦も良馬場に1900mを超える距離でもあった。
ダート戦に限れば1900m以上【1.2.1.2】に対して、ダート1800m以下の距離では【5.2.1.1】
距離を短縮された前走のみやこステークスは中1週の影響からか、地元阪神でも10kgの馬体減。
状態が万全ではなかった印象で、先行策すら取ることが出来ずに中団から伸びることなく惨敗となった。
しっかり休ませて昨年の勝利を含めた2戦2勝の中山1800mでの復帰戦は約5か月ぶりでハンデ57.5kg。
稍重~重【4.2.0.0】に対して、良馬場は【2.2.2.3】と芝向きのハーツクライ産駒らしくスピード勝負に強いタイプだけに出来れば馬場は湿って欲しいところ。
昨年より0.5kg増のハンデは許容範囲、昨年覇者が8番人気まで評価を落としているのであれば狙いたい。
⑥アメリカンシード(◎)
芝でも若葉ステークスでメンバー2位の上がりを使って3着に好走して皐月賞まで
昨秋からダートに替わって3戦3勝で一気にオープン入りを果たした。前走のアレキサンドライトステークスはノーステッキの5馬身差の大楽勝で、この3連勝で2着馬につけた着差の合計は17馬身。
今回はルメール騎手がGⅠの裏開催へ乗りに来ることで周囲を驚かせたが、高松宮記念で1番人気が予想されるレシステンシアに当初騎乗予定だった武豊騎手とは同じエージェントで、同馬に騎乗するチャンスがありながら本馬への騎乗を優先させたということになる。
本馬の馬主は自身が優遇されるノーザンファーム系とは異なる吉澤ステーブルで、他の騎手で勝たれた場合に今後また乗れる機会があるとは限らないと考えてのことかも知れないが、カフェファラオが1600m寄りだけにダート中距離路線を歩むお手馬として大きな期待を抱かせる馬なのだろう。
昨夏まで気難しい面が災いしていただけに心配される砂のキックバックも、前々走の犬山特別で最内枠から好位で被っても問題なくクリアしており、懸念されるキャリアの浅さが露呈されるリスクも高くはない。
⑦マイネルユキツバキ(☆)
暑さに弱いタイプで昨夏からしばらく不振が続いていたが、年明けのポルックスステークスで0秒2差の4着に粘ると、続くアルデバランステークスでは中団から早めに押し上げる強気の競馬で0秒2差の3着に好走。
前走の仁川ステークスでは渋太く脚を伸ばして約1年3か月ぶりの勝利を挙げた。
いずれも得意とする寒い時期ではあったが、これまで【0.0.0.8】と全く結果の出ていなかった関西圏でのレースでの連続好走はここ2走で手綱を取った川田騎手により覚醒した可能性もあるかも知れない。
もともと中山ダート1800mは6~9月の暑い時期と休み明けを除けば【3.3.1.2】の得意条件。
今回は柴田大騎手へ乗り替わるが、6番人気なら。
⑧ハヤヤッコ(⋯)
3歳時にレパードステークスで白毛馬として世界初の平地国際重賞を勝利。
古馬になってもオープンクラスでの活躍を続けて、昨年も2100mのブラジルカップを勝利している。
上記の2勝を含めて全4勝中3勝を左回りで挙げているが、中山ダート1800mでも【1.3.1.1】と安定した成績を残しており、前走の総武ステークスも勝ち馬に並ぶ58kgの斤量を背負って最速上がりで追い込んで0秒2差の3着に好走。最後に急坂があって前が止まりやすいタフな中山1800mも舞台として悪くはない。
追い込む脚質なだけに今回も展開待ちにはなるが、今回は⑥アメリカンシードをはじめ、骨っぽい先行馬が多く揃っており、末脚がハマる可能性もある。
ただ、今回は4番人気とそれなりに人気しており、先行馬同士の流れ込みで決まると割り切ってバッサリ。
⑨ダノンファスト(⋯)
GⅢフェアリーステークスを勝ったダンスファンタジアのキングカメハメハ産駒で、デビューから2戦は芝で走って昨秋はセントライト記念にも挑戦。
ダートでは前走まで【4.3.0.0】としていた中、前走の総武ステークスで10着大敗を喫したが、もともと芝でデビューしたぐらいのスピードタイプで、稍重~不良【4.0.0.0】に対して、良馬場【0.3.0.1】
休み明けに加えて、乾いたパサパサの良馬場とあっては厳しかったのかも知れない。
ひと叩きされた今回は状態面での上昇は見込めるが、引き続き乾いたダートでの中山1800m。
テン乗りとなる田中勝騎手への乗り替わりも厳しい。
⑩テーオーエナジー(⋯)
一昨年の交流GⅢ佐賀記念3着以降は【0.0.0.11】と、掲示板にも載れない凡走が続いており、今回も厳しいレースが予想される。
⑪ナムラカメタロー(▲)
昨年は年明け初戦の交流GⅢ佐賀記念を勝って、続く名古屋大賞典でも3着に好走。
大沼ステークスと太秦ステークスはいずれも休み明けに58kgと厳しい条件が揃っており、スピードよりもスタミナタイプの本馬には脚抜きの良い不良馬場も厳しかっただけに度外視も可能な敗戦。
昨秋はそれから状態が上がってくることがなく、良馬場に替わったみやこステークス、師走ステークスともに先行策すら取れずに7着→9着と掲示板にさえ載れない凡走が続いたが、前走の総武ステークスでは鮮やかな変わり身を見せて快勝。
得意とする乾いた良馬場ではあったが、休み明けの急仕上げに58kgの斤量を背負っていたことを考えれば上々の内容で、立て直しに成功したと見て良さそう。
ひと叩きされた今回は順当に状態も上がっているはずで、ダート戦に限れば中4週以内は【4.0.0.2】。
乾いた良馬場も7戦5勝としており、国内では最も勝てるチャンスのある重賞がここだと見ており、ハンデは若干見込まれたが勝負駆けに期待。
⑫ヒストリーメイカー(☆)
昨年の仁川ステークスを勝って以降は重賞戦線で6戦続けて掲示板内への好走。
昨夏は地方の小回りや馬体減が続いたこともあって交流GⅢマーキュリーカップと白山大賞典での苦戦もあったが、11kg増と馬体回復に成功した昨秋のみやこステークスでは2着に好走。GⅠジョッキー北村友騎手への勝負の乗り替わりも奏功した格好だが、大きなストライドで走るだけに広い中央が合う。
地方交流GⅢ浦和記念では5着とパフォーマンスを落としており、暮れの地方交流GⅠ東京大賞典ではスローペースもあったが、オメガパフュームと0秒1差。
今回は中央でのレースでパワーとスタミナが活きる中山1800mが舞台だけに好走が期待されるが、叩き良化型で次のアンタレスステークスか平安ステークスが本命だろう。地力上位も頭まではどうか。
⑬オメガレインボー(⋯)
昨春から③①②①①着でオープン入り。
GⅠ並みの豪華メンバーが集まっていた昇級初戦の武蔵野ステークス、前々走の門司ステークスはいずれも先行馬に厳しいペースに潰されて大敗を続けたが、1400mへと距離を短縮した前走のポラリスステークスでは着順こそ7着でも、4角ほぼ最後方から最速上がりを使って0秒6差まで追い上げた。
東京1600mを1分34秒9の時計で走っているようにスピードが活きる重馬場も良かったのだろう。今回は初めてとなる1800mの距離でスタミナとパワーが要求されるタフな中山。今回は厳しいレースになりそう。
⑭メモリーコウ(⋯)
前々走の東海ステークス3着は外枠から上手く内に潜れた上に、馬場も展開もハマっての激走かと思っていたが、乾いた中山ダート1800mだった前走の総武ステークスでも2着に好走。
2019年秋にオープン入りしてからは中10週以上の休み明けを除けば③⑫②③②③②着。
12着に崩れた仁川ステークスにしても、大外枠から外にヨレるスタートを切りながら逃げ馬に絡みに行って共倒れの無謀なレースで実は堅実に走っている。
中京で騎乗するつもりでいたライトオンキューから降ろされた鬱憤を晴らしたい一鞍で、中山1800mに対応できるだけのスタミナも持ち合わせているが、オトコ馬との対戦で前走比でメンバーも強化されるならば、どちらかといえば馬場は渋って欲しいはず。
4番人気を考えると思い切って消す。
⑮シネマソングス(⋯)
オープン入り後は地方交流重賞を4走して、すべて1秒差以上離される着外続き。
2勝クラス卒業も牝馬限定戦で、3勝クラスの勝ち上がりは52kgの軽ハンデ。ここでは厳しい。
⑯ベストタッチダウン(⋯)
ダート路線への転向後3戦目、約3か月の休養から復帰した昨年の秋初戦の馬体重はデビュー時の434kgから40kg以上も増えた478kg。
1勝クラスで足踏みしていたことが嘘かのように、そこから大差→3馬身差→3馬身差と影も踏ませぬ逃走劇での3連勝でオープン入り。
重賞初挑戦となった前々走のアンタレスステークスは14着に大敗したが、これはスタート直後に躓いてトモを捻るアクシデントがあっての参考外で、約半年間の休養を取って立て直した昨秋の太秦ステークスはハナを奪ってきっちり逃げ切り。
ダート重賞戦線で好走を続けているクリンチャーにも0秒4差をつけての勝利であり、重賞タイトルを掴めるだけの力があることは示すには十分の内容。
みやこステークスはハナこそ奪えたものの、終始マークされる形で潰される格好。スピードタイプだけに良馬場でタフな流れは厳しかったが、その経験が活きたベテルギウスステークスでは番手からの競馬でも0秒2差に好走してみせた。
番手からの競馬でも結果を残せたことで前走の仁川ステークスは中団の位置取りから。勝負処で好位グループの外まで押し上げたものの直線で失速して9着に敗れたが、良馬場で2000mの距離は厳しかったはず。
距離が1F短くなる今回は前走で2000mを走った経験が活きそうで、大外枠でハナに立つことは恐らく難しくとも番手〜好位からでも競馬が出来れば好走は可能に思う。ただ、今回は良馬場で北村宏騎手への乗り替わりとあって来ないことを祈る。
【結論】
本命 ⑥アメリカンシード
良馬場と決め打って買ってしまったので祈る。
ワイドBOX ⑤⑥⑦⑪⑫