セントライト記念 2020【予想】
先週の中山は雨の影響を差し引いても開幕週にしては時計が掛かる馬場状態。
今週も雨の予報が出ていたが、降ったり降らなかったり。このまま良馬場で行われることになりそう。
ラップ的には中山2200mらしく持続力勝負になりやすく、逃げが想定される⑥バビットが初距離でもあることから序盤はゆったり、ラスト4〜5Fから後続に脚を使わせる持続力戦を想定する。
過去5年の連対馬で、半数以上を占めるのが前走ダービー組で【4.3.2.11】と複勝率は45%、単勝回収率が
132%、複勝回収率も142%と圧倒的。
上がり馬となる条件戦組は1勝クラスが【0.0.1.21】2〜3勝クラスが【1.1.0.13】で複勝率14.3%。
連対した2頭はどちらも前走で上がり最速で①③着と勝ち負けしており、当日1~2番人気の高い支持を受けていた。前走2〜3勝クラスで最速上がりをマークしていた馬は【1.1.0.2】。
長く脚を使えて急坂を駆け上がれる馬を狙いたい。
①ピースディオン(⋯)
既走馬相手の5月のデビュー戦こそ④着に敗れたが、2戦目であっさりと勝ち上がり。
続く前走の1勝クラスは逃げ馬に突き放され、5馬身差の②着。ここは力試しの出走だろう。
②ラインハイト(△)
コントレイルの③着に敗れたデビュー戦から3戦して勝ち上がれないまま休養に入ったが、約5か月ぶりとなった一戦で勝ち上がると、続く前走の1勝クラスも連勝。2Fの距離延長で気分良く走れたよう。
同距離2200mの急坂コースで持続力戦を2番手からメンバー最速の上がりで押し切った点は大きく、雨が残ったタフな馬場も経験できた。
父ハーツクライに母父は凱旋門賞馬Peintre Celebre、中山2200mの持続力戦は合っていそうな印象で、先行できそうな点を含めて9番人気なら穴で期待したい。
③マイネルソラス(⋯)
ゴールドシップ産駒らしく、前走の1勝クラスは洋芝の持続力戦を渋太く脚を伸ばして勝利。
2勝馬だけに出走権確保に向けて勝負仕上げで臨んでくることが予想されるが、厳しいだろう。
④フィリオアレグロ(⋯)
ノーザンファームの良血馬ながら1勝馬のため、菊花賞出走へはここでの出走権確保が必須。
最終追い切りでサリオス相手に2馬身先着したことが騒がれるが、時計は特筆する程ではなくサリオスは4日に帰厩したばかりで始動戦に予定している毎日王冠はまだ先。追い切りでの先着はアテにならない。
堀調教師のコメントも「少なくとも春と同等の走りは出来る」と今ひとつ歯切れが悪く、半兄サトノクラウンがそうであったように父がディープインパクトでも良くなるのはまだ先かも知れない。思い切って消す。
⑤ダノンファスト(⋯)
新馬戦、未勝利戦と続けて芝1600mを使われたが、いずれも出遅れも響いて③着に惜敗。初ダートとなった1月の未勝利戦を2秒3もの差をつける大差勝ち。
これを期にダート路線を歩みだしたが、芝時代も含めて【3.2.2.0】と堅実に走っている。
前走の天の川賞では、横山典騎手の代名詞ともいえる後方ポツンから1頭別次元の脚で初対決となった古馬をゴボウ抜きする2馬身半差の大楽勝。
その横山典騎手が義弟の管理馬とはいえ、デビューから7戦すべての手綱を守り続けていることから、少なからず期待は寄せているのだろう。
祖母がデビューから無敗で桜花賞を制したダンスインザムード、母ダンスファンタジアもフェアリーステークスの勝ち馬で、父がダービーやNHKマイルカップを勝ったキングカメハメハ。芝で走らないわけがないと現在6番人気の支持を集めているが、全兄キングアンドアイは中央で1勝も挙げられないまま地方へ転厩しており、脚抜きのいいダート向きではあるので、まるで芝が走らないとまでは思わないが、重賞クラスになると芝ではスピードが足りない可能性は高いと見る。
⑥バビット(☆)
8番人気の低評価だった前走のラジオNIKKEI賞は最内枠からハナに立つと、リングバミの効果もあってかスムーズに追走。稍重の馬場状態を考えれば1000m通過59秒6はやや速めのペースだったが、4角手前で手綱が動き出す後続を尻目に、直線で一気に突き放して5馬身差つけての逃げ切り勝ち。
上がりの3Fもメンバー最速で文句なしの圧勝で、4着パラスアテナは先週の紫苑ステークスで②着、5着ルリアンは続く古馬2勝クラスで0秒1差③着。
本馬はこれまで連対を外したことがなく、展開に恵まれたわけでも相手に恵まれたわけではないだろう。
ラジオNIKKEI賞の圧勝が稍重馬場だっただけに、雨が降ればより有力だったが、今開催の中山は高速馬場というほど速くはなく、単騎逃げが見込めるメンバー構成は魅力。平坦コースで3連勝を飾っているだけに最後の急坂まで脚が持つかは判らないが、後続に脚を使わせる形に持ち込めれば。
⑦ガロアクリーク(☆)
スプリングステークスを勝ち、皐月賞で③着、日本ダービーは伸び負けての⑥着だが、3着ヴェルトライゼンデとは0秒1差。今回のメンバーでは最先着。
ただ、一瞬の脚を活かすタイプだけに持続力戦を想定している今回は評価を下げたいところで、父がキンシャサノキセキによる距離不安に関してはそれほど心配はしておらず、スプリングステークス〜セントライト記念までの戦績が似ているキタサンブラックも母父がサクラバクシンオーだったことで距離不安を言われ続けていた中で菊花賞を勝った。
また、約2か月の間隔を空けて挑んだ水仙賞を④着に取りこぼしており、中2週空けた続くスプリングステークスを勝ったことから間隔を詰めた方がいいタイプである可能性があり、賞金的に余裕のある立場である今回は折り合いを重視した脚を測る競馬になりそう。
重賞勝ち馬が2頭だけと相手が弱いだけに消す勇気はないが、勝ち切るまではないと見る。
⑧リスペクト(⋯)
年が明けてから②①②②①着。重馬場でのロングスパート戦を差し切った前走の1勝クラスを含めて、5戦連続で上がり最速をマーク。
2600mを勝ち切ったスタミナに、ルメール騎手を確保できた幸運も含めて不気味な存在ではあるが、点数の関係もあって思い切って消す。
⑨サトノフラッグ(▲)
勝負処をスッと捲る脚に「父ディープインパクトを思い出した」とは、3連勝を飾った弥生賞後の武豊騎手のコメント。続く皐月賞、ダービーともに上位人気に支持されたが、いずれも期待を裏切る結果となった。
皐月賞は重馬場の弥生賞を勝った反動やオーバーワークを敗因に考えたが、ダービー後には陣営から「レース後すぐ息が入ったところを見るとまるで本気で走っていない。力負けではない」との話が聞かれ、精神面の問題である可能性が示唆された。
そんな中で1番人気に支持されている今回は危険な人気馬に映り、取りこぼす可能性は高いと見る。
⑩ヴァルコス(○)
ダービーへの出走権を懸けて臨んだ青葉賞は、向正面で中団から4番手まで押し上げながら最後まで脚を伸ばして②着。このメンバー屈指の長く維持できる脚はこの中山2200mにマッチするはずで、当時の脚を知る三浦騎手が先週のダノンスマッシュで自身の重賞連敗をストップさせたことも安心材料。
友道調教師の「馬場が渋ってもパワー型なので、むしろ歓迎」と話より、雨が降っても大丈夫だったが、青葉賞では高速決着にも対応できており、馬場状態は不問なタイプだろう。
ただ、デビュー2戦目の未勝利戦は約3か月半ぶりで0秒5差の④着に取りこぼしており、2週間後に勝ち上がったことから叩き良化型の可能性もある。
賞金的には菊花賞出走は安全圏だけに伸び切れないシーンは考えておきたい。
⑪ココロノトウダイ(◎)
スプリングステークスで⑦着に敗れた後、軽度の骨折が判明して休養。休み明けの前走・猪苗代特別は最内枠を活かして3番手のインから直線でしっかりとねじ伏せる横綱相撲での完勝。
春の重賞2戦は不得手な瞬発力戦でライバルの後塵を排したが、中山は半姉フェアリーポルカも中山牝馬ステークスを勝っており、持続力勝負になりやすい中山2200mはリベンジする絶好の舞台。
陣営にとってはオーナーが望む菊花賞出走が最大目標であり、現状では抽選対象となる可能性があるだけに出走権を確保したいところで気合いが入るはず。
⑫サペラヴィ(⋯)
前走の猪苗代特別では⑪ココロノトウダイに完敗の形で⑤着。ここでは厳しいだろう。
【結論】
本命 ⑪ココロノトウダイ
3連単フォーメーション
1着 ⑨⑩⑪
2着 ⑥⑦⑨⑩⑪
3着 ②⑥⑦⑨⑩⑪