桜花賞 2020【予想】
牝馬三冠の初戦は長い直線で争われることもあって、最後の直線での脚が重要になる。
ラップの面で見ても、レッツゴードンキが勝った2015年のようなスローペースは例外で、一生に一度の舞台とスプリンタータイプの馬も出走してくることから、ある程度ペースが流れた中で最後にどれだけ脚を伸ばせられるかが問われる。
今年は快速⑰レシステンシアに、前走で逃げて改めて自身が活きるスタイルを再確認した③スマイルカナ、1400mの距離で先行した①ナイントゥファイブ、さらにケープコッドがゴドルフィンのラビットとして先行馬を潰しに行く可能性も考えれば、緩いラップになることは考えにくく、差し競馬を想定したい。
また、実に27年ぶりとなる雨中のレースで、道悪適性も考えたいし、道悪だけに馬場も外がいいはず。
④サンクテュエール
これまでの3戦、すべて異なる競馬場で連対を果たしており、センスの高さは認めるものの、すべて緩いラップの瞬発力戦。初めて経験するタフなレースにも対応できるセンスがあれば仕方ないと割り切る。
シンザン記念勝ちとルメール騎手+藤沢和厩舎による過剰人気は嫌いたい。
⑤マルターズディオサ
こちらは暮れの阪神ジュベナイルフィリーズでレシステンシアのハイラップを経験済み。その阪神ジュベナイルフィリーズを含めた5戦すべてで連対しており、どんな条件にも対応してきた根性とセンスが強み。
道悪も恐らくこなしてくれそうに思うが、強気なレースが多い田辺騎手のことだから前を捕まえに行くのが早すぎたという展開が心配ではある。
⑧リアアメリア
陣営も掴めていない阪神ジュベナイルフィリーズの凡走は、ただ底を見せただけという可能性もある。
瞬発力は非凡ではあるが、緩みのないペースでは脚が溜まらないのかも知れない。
ディープインパクト産駒☓Unbridled's Songでもともと仕上がりが早い血統に加えて中内田厩舎だから、早熟による成長力の差も考えられる。人気ガタ落ちならともかく4番人気で買うような馬ではない。
⑨デアリングタクト
外差し馬場とはいえ加速ラップを余裕たっぷりに突き抜けた内容は衝撃的で、勝ち時計の1分33秒6は過去10年で最速であることはもちろん、2007年のウオッカより0秒1速く時計面でも価値が高い。
なお、馬場もペースも違うが、サンクテュエールのシンザン記念よりも年明けの京都金杯よりも速い。
⑪クラヴァシュドール
この馬も複勝圏を外したことがないが、詰めが甘いというよりは根性があるタイプに思う。
ただ、厩舎のカラーも含めて権利を取りに行った前走からの上積みを期待しづらく、挫石の影響で木曜追いになったことも気になる。
⑤マルターズディオサには2戦連続で後塵を拝していることも考えると、他路線から臨む未対戦馬もおり、ここで逆転は難しいのではないか。
⑬マジックキャッスル
新馬戦を勝った後は3戦連続の2着。サフラン賞とファンタジーステークスは展開の恩恵があったし、前走のクイーンカップはメンバーレベルに疑問。
逆に言えば、⑤マルターズディオサにも⑰レシステンシアにも⑭ミヤマザクラにも負けた馬。ここでの戴冠は想像しづらく、今回も相手なりに走っての2〜3着好走が現実的なのではないか。
⑭ミヤマザクラ
前走のクイーンカップは展開がハマってのものと評価しておらず、マイルより中距離の方が合う。
馬場悪化はプラスだが、それでも厳しいと見る。
⑰レシステンシア
阪神ジュベナイルフィリーズを1分32秒7のレースレコードで逃げ切った快速牝馬だが、パワー溢れる回転数のある脚だから道悪も大丈夫だろう。
外枠も他馬の動きを伺いやすいし、馬場の良い部分を選んで走れる分むしろプラス。3倍を超えるオッズなら例え1番人気でも旨味があると言える。
死角があるとすれば阪神ジュベナイルフィリーズのような楽なレースは期待できないこと。
③スマイルカナにハナを譲るとしても、番手で気分良く走らせることができるかどうか。
武豊騎手ならその問題も杞憂に終わる可能性がきわめて高いが、玉砕覚悟で競ってくる馬や後続の早仕掛けがタフな馬場コンディションと重なると、さすがに厳しいのではないか。
【結論】
単勝 ⑨デアリングタクト
道悪の馬場を踏まえて浮上させた。走り方からは道悪は少なくとも苦にしないはずで、エルフィンステークスもやや時計が掛かる馬場。
折り合いに不安があったが、想定するある程度流れるペースに加えて、下が緩いぶん折り合いがつきやすいはずで、外差しがハマるならこの馬しかいないと考える。
2番人気に推されたキャリア2戦の牝馬は危険な人気馬の典型だが、前が潰れる展開を期待する。