アーリントンカップ 2020【予想】

2年前に施行時期が開幕週から後半に移ったことで、NHKマイルカップ前哨戦の意味合いがより強くなったが、ここ2年は阪神マイルの傾向通り。
3角で緩んで、4角～直線入口でグッと加速する瞬発力戦になっており、上がりも過去5年すべて35秒1以内。

今年はハナを切りそうなのが他馬の脚を削ぐ形で2着、1着と逃げて連続好走の①ノルカソルカ。テンに速いわけでもなく、1200mから参戦の馬もおり、鞍上はテン乗りとなる幸騎手。
馬場も悪いし、意外と速くならないかも。

①ノルカソルカ

これまで連対した3戦の馬場状態は重・稍重・稍重、渋った馬場は歓迎。これまでの上がり自己最速が35秒4だから、他馬の脚を削ぎたいところ。

②デュードヴァン

初芝となるが、ヒヤシンスステークスを回避後はここを目標に調整とのこと。父Declaration of War は芝GⅠを2勝しているが、JRA産駒の芝レースは今のところ新馬戦と未勝利戦での計2勝。ゴリゴリのパワータイプというよりスピード馬だから、芝もこなせないことはないとは思うが、道悪であっても重賞レベルだとどうか。

③チュウワノキセキ

キンシャサノキセキ産駒だけに距離短縮はプラスで、これまでの5戦すべてで上がり3位以内をマークしており、6レースと9レース連続で差しが決まっている。

④トリプルエース

Shamardal産駒で道悪はプラスだし、川田騎手を配して2週連続追い切りに騎乗と勝負気配は高いが、どうしても距離不安が拭えない。
人気過剰にも思えるし、葵ステークスや人気が落ち着きそうな夏のスプリント戦で狙いたいところ。

⑤ジュンライトボルト

不良馬場だったベゴニア賞で2着しているが、道悪はマイナスとのこと。良馬場①⑥①着で、敗戦はGⅠ朝日杯フューチュリティステークスでのもの。一方で稍重〜不良は③③②⑦着。今回は厳しいか。

⑥タイセイビジョン

京王杯2歳ステークスをレコード勝ちして、朝日杯フューチュリティステークスでは1分33秒4の走破時計で2着。同じ舞台で結果を残しており、高速馬場なら本命視も仕方がないところではあったが、渋った馬場でそこまでの信頼性があるだろうか。
NHKマイルカップへの叩き台でもある今回は、必ずしも勝つ必要はなく、取りこぼす可能性はある。

⑦ボンオムトゥック

淀みの無いラップでの2連敗から、距離を1F延ばした1800mの瞬発力戦で2連勝。君子蘭賞を勝ってオークストライアルは王道と誰もが思うが、距離を戻して初となる牡馬混合戦を選ぶ理由が解らない。
詰まった間隔も心配で、デビューから減り続ける馬体重は今回もまた減ってしまった。

「雨は他が苦にするようなら好材料」と陣営はコメントしているが、ラップ適性的にはある程度は締まったペースになりそうな今回より、ゆったり運べる瞬発力戦になりそうなフローラステークスかスイートピーステークスの方が好走できそうな気がする。
ノーザンファームの使い分けのアオりを受けそうな気がするので軽視したい。

⑧リインフォース

未勝利戦を卒業するまで7戦かかり、昇級初戦となった前走のあざみ賞は0秒6差の5着。2Fの距離延長がプラスに働く感じもない。

⑨プリンスリターン

前走シンザン記念組はもともと【3.2.2.5】と好成績で4角7番手以内だった馬に限ると【3.1.0.1】
前走は瞬発力戦だったが、3走前のききょうステークスでは持続力戦を勝っており、朝日杯フューチュリティステークスも勝負処でゴチャつくロスがあってのもので着差ほどの差はなかった。ラップ適性的にも対応は可能なはずで、NHKマイルカップへの叩き台にしても鞍上は必勝体制だろう。

⑩ギルデッドミラー

3着に敗れた2戦目のサフラン賞は、勝ったマルターズディオサはともかく、2着のマジックキャッスルとは位置取りの差。前々走のこぶし賞は次走で毎日杯を勝つサトノインプレッサとクビ差の競馬。
確勝を期した前走は平場の1勝戦だったが、淀みのないラップをノーステッキで2馬身半差の完勝。

オープン入りまで時間がかかったが、ここまでの戦績の中身は濃く、前述のこぶし賞で重馬場を経験しているのもアドバンテージで、初の重賞挑戦でも戦ってきた相手を思えば人気に推されることも不思議はない。
懸念材料とすれば、1400mの前走でもまだ少し行きたがる面を見せていたことで、テン乗りとなる岩田望騎手が上手くエスコートできるかどうか。
なお、岩田望騎手は重賞【0.0.0.13】。

⑪ロードベイリーフ

未勝利戦を脱出するまでに8戦を要し、前走の1勝クラスは0秒5差とはいえ9着。厳しいだろう。

⑫グランレイ

前傾ラップの朝日杯フューチュリティステークスで3着に激走して、瞬発力戦になった前々走のきさらぎ賞は1秒8差のシンガリ負け。前走の1勝クラスは淀みのないラップで2着。ある程度は流れることが見込まれる今回はチャンスではありそうだが、その淀みのないラップだった前走でギルデッドミラーに負けている。

馬場が渋っても大丈夫だし、1勝馬だけに出走権獲得に向けて気合いが入るところだが、緊急事態宣言に伴う騎手の移動制限により、太宰騎手への急遽の乗り替わりは少なくともプラスではないだろう。

【結論】
単勝　⑨プリンスリターン

重賞未勝利の岩田望騎手を嫌って本命にするのもおかしな話だが、⑥タイセイビジョンを除けば実績では上。
デビューから乗り続けており、仕掛け処を掴んでいる点でも優位だし、力の要る馬場をシンザン記念でこなしている面でも自信を持って騎乗できるだろう。
2番人気想定だったので、このオッズなら。