[技術士としての副業状況について]#3自作帳簿準備(青空申告)
青色申告に向けた準備
青色申告をすると決めたのですが、まだ副業でそこまでがっつり稼ぐというわけでもないことから、自前で帳簿とかを用意しよう考えました。
本業ではビジネスをしていく中で、データベースを作ったり、エクセル駆使して、関数やピポット、VBAとか使うのは比較的やっていたこともあり、何とかなるだろうということとこういった仕組みを一度理解してやりたいということで、準備をしてみることにしました。
作ったEXCELをどこかで出せたらと思いますが、一度確定申告で問題ないことを確認してから考えようと思います。(自信はあるのですが)
青色申告の控除条件
青色申告といっても単に複式帳簿を付けるというだけではなく、用意できる条件によって控除額が違います。
55万の控除と65万の控除の差としてe-Taxで申告はいいとして、優良な電子帳簿というのが条件になっています。e-taxだけで大丈夫のようにも見えるのですが、電子帳簿である必要はありそうです。
優良な電子帳簿
優良な電子帳簿の保存要件を満たす必要がありますが、どういうことでしょうか?
改ざん防止のための事務処理規程
まず、①ですが改ざん防止のために必要ということですが、
・タイムスタンプが付与された書類の授与
・タイムスタンプの付与
・訂正削除の履歴が残るシステムでの授受・保存
・改ざん防止のための事務処理規定を定めて守る
ということです。上の3つは費用が掛かるシステムなので今回は一番下の"改ざん防止のための事務処理規定を定めて守る”を採用しました。
下記のページに作る規程のサンプルがあるのでこちらを元に作成しました。
参考資料(各種規程等のサンプル)|国税庁 (nta.go.jp)
後々考えて
・電子帳簿等保存に関する規程
・スキャナによる電子化保存規程
・電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程
の3つを作成し規程を制定しました。作っていく中で気になったのが、QMSと同じできちんと規程(ルール)を決めてしっかり運用する。PDCAを回してより改善していくといったことが共通な気がしますね。
また、規程だけでなく、国税庁のサンプルにもありますが、”取引情報訂正・削除申請書”を準備しておきます。規程にある項目が網羅されていればOKです。
また、規程の中にはどこに保存するかといったことやファイル名のルールとかも入れておくといいと思います。また、保存場所はローカルフォルダではなく、Onedrive等のクラウドに保存しておくことで保存時の消失のリスクを減らすことができます。有料プラン等で履歴機能等が使えるようになるクラウドサーバもありますが、規程の定義で必須ではないことになります。
日付・金額・相手方による検索機能があること
次に③ですが、個人事業主としてはそこまでハードルが高いわけではなく、システムというよりは指摘したときに検索できるようになっていること。
ということなので、いろいろページ等を見るとファイル名を検索しやすいようにするか索引簿を作成しておくということです。それぞれ一長一短もあるので、今回は両方対応することにしました。
ファイル名の定義(こちらも規程にルールを記載)
日付(20YYMMDD)_取引会社名_金額_書類名
(例)20240508_○○商事_200000_納品書.pdf
また、索引簿については規程の参考資料の国税庁HPに作成例がありますので参考に作成をしてください。ここもそこまで難易度は高く話と思います。
なお、最新では5000万以下で税務調査の際にデータのダウンロードの求め(税務職員への提示等)に対応できる場合には、検索機能の確保は不要となっているようです。当面はこの方法で大丈夫かなと。
0023003-082.pdf (nta.go.jp)
帳簿間で相互関連性があること
最後に②の要件になります。ここは解釈が難しいですね。
国税庁のHPの記載を見ると下記のようにあります。
これによると(1)にある一連番号を用いて帳簿間の相互関連性を確保することができるということです。また、改ざん防止のところで必須条件としてどこを修正したか取引伝票番号というもので管理することになっていたので、これを一連番号として扱ってみようと考えてみました。
取引伝票番号を年度が替わっても一意に使えるように頭の2桁を年度として割り当てることにしました。
また、勘定科目についても相互関連性としては確保できるようにこちらもコード化することとしました。こちらは別シートで管理してVLOOKUP関数で呼び出しできるようにしました。
領収書等との関連性を一番右の該当証憑にファイルのリンクを入れるようにしています。
次に総勘定元帳についてになります。基本的には仕訳帳を勘定科目で転記するのですが、こちらは並べ替え(仕訳の1行を借方、貸方の科目ごとに2行に分けた後に日付でソートしたもの)をしたものを作ることで、科目でフィルタかければほぼ完成です。
ここでは科目コード(勘定科目は自動設定)と一番左のフィルタを設定すれば出来上がりです。転記すらしていないので一連番号なくても連携は取れているといえると思いますが、念のため取引伝票番号を入れて仕訳帳と連携を取ります。
ここでのポイントは
前年度繰越金は別タブで全勘定の繰越一覧がありそこから引用
残高計算は基本は
前年度繰越+借方金額-貸方金額
となりますが、符号が合わないケースがあります。
現金のような資産は上記計算式で合っていますが、収益(売上等)、負債、資本に関するものは符号が逆となるため、式は
前年度繰越金-借方金額+貸方金額
このあたりは勘定科目によって符号が決まるので、勘定科目により符号が逆になる設定をしています。(科目コード一覧に符号がわかるように識別しておくことで、符号を引用すれば簡単には寧できます)
また、EXCELのテクニックになりますがフィルタでの計算ではSubtotal関数を使います。わかりづらいですが、こんな式を残高に入れています。
=E$3+SUBTOTAL(9,E$5:E16)*G$3-SUBTOTAL(9,F$5:F16)*G$3
一番下の買掛金の残高の式ですが、
E$3:前年度繰越金
SUBTOTALの9はSUMです。
G$3は符号が入っています。(科目により"1"or"-1")
借方、貸方のそれぞれ対象行までの表示されたセルのSUMを取る
といった形で式を作ると、科目を変えてもちゃんと計算してくれます。
あとは補助簿ですが、代表として現金出納帳です。
こちらはもっとVLOOKUP関数を使って単純に作成してます。
取引伝票番号をキーに仕訳帳から引っ張ってくるという仕様にしました。取引伝票番号を転記する形で記載しますが、転記間違いがないようにということで、収入と支出のところでVLOOKUP関数の際に科目コードが現金であることをifで確認して、数字を引っ張ってきています。
他の補助簿についても同じように作成できます。事業により必要な補助簿は変わると思います。私は現金出納帳、預金出納帳、売掛帳、買掛帳を作りました。
まだ、1年通して使っていない点や、実際に確定申告を通していないので、あくまで参考としてになります。今回は技術士として副業でコンサルということで物を売るわけではないので、比較的単純でさっと作ってみましたが、何か作るとか設備投資のような形で固定資産が多かったりすると、難易度が上がると思います。
逆に身一つでやる場合は会計ソフトに頼らなくても十分できるかなと思います。
ただ、ここに時間をかけるのはもともとのスキルを活かす時間が削られることになるので、そこは注意して判断してください。
これで、一通り事業の事前準備は終わったかなと思います。