ようこそ! ちょっと風変わりで、とても短い掌編小説はいかがでしょう。
第8話 お化け屋敷(その一)
https://note.com/tozoshort/n/n450dec058db6
第9話 お化け屋敷(その二)
「あのう、すいません……。これが、最も怖いマスクなんですか?」山本君は、小首をかしげながら訊いた。
すると、「そうだよ。君はまだ素人だからピンと来ないのかもしれないが、可愛らしさの中に秘めた恐怖というか、いわゆる大きなギャップだね。まあ、古い映画にもあっただろ? ゴーストバスターズのラスボスが優しい顔のマシュマロマンで、それこそが最強の敵だという話を……。笑顔で人を傷つけるほど怖いものはないからね。君もすぐに分かるよ」とチーフスタッフのもっともらしい説明が返ってきた。
とはいえ、その説明ではあまり納得できそうにない。
山本君は取り敢えず、「はあ……」と答えていた。
そして彼の仕事が始まった。
――キャー! キャー! キャー!――
そうすると、確かに客の怖がる姿を目にした。
しかし……彼は思った。怖がっているのは、
自分のマスクではなくて、
彼の周りに置かれた、ゾンビ人形ではないのか?……と。
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