小休止
AIH1回目、失敗
1回目の人工授精は、プラノバールの副作用に悩まされ、
生理が4日も遅れたかと思ったら、めちゃくちゃ軽いという謎現象で終わる。妊娠検査薬はフライングで陰性。
あまり信ぴょう性はないものの生理が始まる前後、排卵検査薬では陽性が続いたので、
もはやホルモンバランスがおかしくなってるのではないかとすら思う。
(HCGとLHは交差反応するらしく、巷では排卵検査薬で強陽性が出れば妊娠している可能性があるとの情報をよく見るのだ。)
仕事と山
この間、出張中に同僚とご飯をして仕事で有益なアドバイスをもらったり、
それを踏まえて部長に面談をお願いしたり、
いつもお世話になっているガイドさんと雪山に行ったりしていた。
今でこそ部長だが、この部署に異動した時は直属の課長だった。
私もその頃は若く生意気で、最初の頃はぶつかることも多かった。
けれど、転職を2回繰り返しキャリアがなかなか積み重ならないことに焦りを強く感じていた私を、
受け止め、時に突き放し、本当の意味で社会人にしてくれた恩人だと私は思っている。
紆余曲折がありプロジェクトでも直属の上司となり、仕事の考え方や提案の仕方など近くで学ばせてもらえた。
次のプロジェクトはリーダーでと言って頂いていたにもかかわらず、
社内での行き違いもあり、苦いスタートとなったこの試験。
直属の上司でもなくなり、部長に昇進されていたこともあり、
今は自立の時だと思って相談を躊躇し我慢した結果、ちょっとよく分からない方向にもいってしまった。
昨年末に別件で打合せをする機会があり、
その中でやっぱりこの人のモノの考え方が私にはしっくりくると納得し、
何か今度あった際は相談させて欲しいとお願いし、了承されていた。
その時が思っていた以上に早く、来てしまったわけだ。
昔のように甘えることなく、資料をきちんと作成し、丁寧に落ち着いて説明した。
目から鱗が落ちるような的確なアドバイスを頂き、やはり相談してよかったと思った。
そんな時に、今後のキャリアを考える上で重要な推薦をする予定という話を頂いた。
それもきっかけはひょんな私のアクションだったのだが、点と点がつながるような話だった。
妊娠とキャリア
妊活を始めて、もし今月妊娠したら出産予定日はいつで、いつから産休でというのをアプリで確認する。
リセットが来ればその予定を約1ヶ月後ろ倒しする。
そんなことを繰り返していた。
今年、今のプロジェクトが終わる。妊娠しても周りに迷惑が出ないように、
昨年急ぎ足で大方のタスクを片付けた。
あとは見届けるだけ、さあいつでも妊娠来い!そんな気持ちだったのだが、なかなかうまくいかない。
その先のことはまだ何も考えてなかった。
でも今回、その先のことが少し見えた。
もう少し、働きたい。素直にそう思った。
あえての一人っ子
出産したら仕事に戻る選択しか考えていないので、
第二子まで立て続けに産んで、一回の育休で戻れたらなんていうことを考えていた。(もちろん体への負担は度外視だ。)
子どもが二人欲しいというよりは兄弟姉妹を作ってあげたい、ただそういう気持ちだったけれど、
第一子がなかなかできないかもしれないなと今回のリセットで現実的に思うようになった。
そして、やっぱりキャリアにあまり長い時間穴を開けたくないなと今回思った。
あえて一人っ子を選択するのもありかもしれないと初めて考えるようになる。
一人っ子のメリットはいろいろある。
まずはふんだんに教育投資ができる。
兄弟姉妹がいない分、社会性を外で身に付けるしかないので、
いろいろな経験をさせてあげたいが、それが叶えられる。
親としても子育てを一人に集中できるのは、
1~2歳差の2児を育てるよりは、楽だと想像する。
一人しかいないので子育ても早く終わる。
やりたいことがいろいろある私には案外向いているかもしれない。
そんなことを今回初めて思った。
雪山、フィールドに出ること
人工授精の合間を縫って、雪山ツアーに申し込んだ。
念のため主治医にも了承を得た。
とにかく妊娠が確定するまでは普段の生活通りでいいという方針。
私には助かる。
一度厳冬期に別のツアーで行ったことがある乗鞍位ヶ原。
2年前の厳冬期~残雪期に大変お世話になったガイドさんと再訪。
2日目はピーカンで、剣ヶ峰も穂高連峰も槍ヶ岳も綺麗に見えた。
あまりに美しい景色に涙が出た。
そのままでいいよと言ってもらえているような気持ちになった。
やっぱり山が好きだ。そしてフィールドに出て感じることが大切だ、そう思った。
ガイドさんとは信頼関係が深く、妊活のことも話した。
妊娠したからキャンセルになることは問題ないと。
いつできるかわからないのだから、もし来たいツアーがあるなら申し込んでいいよと言ってもらえた。
どんな形であれ月に1回は山に行こう、そう決めた。
私を構成するもの
やっぱり、私を構成しているのは仕事と山だ。
これは2020年の夏に至った答えだった。
仕事は大変なことも多い。
そのストレスの発散も兼ねて山にいくけれど、
山にいけるのは仕事でお給料をもらっているからだ。だから仕事も頑張ろう。
この良い循環が私には最適だと思った。
妊活をしようとなって、全てを昨年の夏に詰め込んで、
さあいつでもと準備をしたけれど、なかなかうまくいかない。
その先のことは何も考えていなかったけれど、
初めて「妊娠しないメリット」を見出せるようになった。
1ヶ月でも2ヶ月でも妊娠しないことで得られることがやはりある。
第二子まで絶対と思うから、年齢的な厳しさという現実を前に落ち込んだ。
いつ妊娠してるかわからないから、山に対しても消極的にならざるを得なかった。
今年の後半にはもう産休に入るかもしれないと思ったから、昨年昇進できなかったことにひどく落ち込んだ。
でも、一人っ子でもいいかも、ギリギリまで山に行ったらいいのかも、
まだ今年は働いているかも、その間にもっといろんな経験をしてキャリアを重ねられるかも。
昇進したその先の仕事をしてみたいかも…
そしてもし、子どもができなくても、私は楽しく生きてるだろうと改めて思えた。
海外出張から帰ってきた夫と、
もし春先まで妊娠しなかったら、キャンプに行きたいねとか、沖縄や京都に行きたいねという話をした。
夫は本当に私以上に柔軟な人で、一人でも二人でもはたまた子どもができなくても、
なるようになった結果の中で楽しく生きていくという人だから、
本当にありがたい。
妊活のその先へ
まだまだ3周期目なんだから、健康で若いカップルであってもできない可能性がある頃ではある。
でも、毎月毎月確率論とにらめっこして、
ホルモンにより体に現れるいろんな症状に一喜一憂するのが、正直疲れた。
もうずっと人工授精をやり続けるのも、ありなのかもねという話も夫とした。
諦めるとも違う、手放すとも違う。
妊活だけに執着しないというか、妊活とその結果だけで自分の人生の充実を結論付けないという心構え。
少し、自分を取り戻せたような周期だった。
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