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◼︎ 富盛の石彫大獅子 ◼︎
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もう何年も撮りに行きたいと思っていたが、この「富盛の石彫大獅子」です。沖縄では(たぶん)一番有名な石獅子で、村落獅子として最大最古の石獅子です。前回紹介した勢理城(ジリグスク)グスクの中にあり、火返しとしてフィーザン(火山)といわれる八重瀬岳に向かっています。
この石獅子がなぜ有名なのかというと、沖縄戦の時に撮られたこの写真。石獅子をアメリカ軍が弾よけとしていました。
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日本軍は首里撤退後、八重瀬岳と富盛地区は重要な防衛拠点としていました。アメリカ軍が南部から上陸してくると想定していたため、北部から進撃してきたアメリカ軍に大敗し占領されました。今でも富盛の石彫大獅子には、弾痕が残っています。
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昔々…
富盛地区では火事が頻発し、村人は不安な日々を過ごしていました。そこで村人は、久米村の蔡応瑞(大田親雲上)に相談することにしました。風水によると火事の原因が、
「火山である八重瀬岳にある」
と告げました。火事から村を守るためには、石獅子を八重瀬岳に向けて設置するよう指示しました。村人たちは言われた通りに石獅子を置くと火事はなくなりました。そんな富盛の石彫大獅子、沖縄県指定有形民俗文化財に指定されています。
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