言語化する
最近,「言語化する」というコトバが一般的になってきた気がする.頭の中にモヤモヤと存在する抽象的なものたちを,語や文に落とし込む.この作業が「言語化」.
なんか言いたいことがあるんだけど出て来ない,この感情どうやって表現すればいいんだ……,そんなときに「(まだ)うまく言語化できないんだけど……」と言う.そうすると「言葉が出て来ない」状況を相手に分かってもらいやすい.しかも何かしら考えていることは伝わるため,許してもらえる.(そもそも何も悪いことはしていないけど.その場がキレイに収まると
いう意味で.)
とても便利な言葉なので私自身は多用していた.古参としての矜持,自負がある.だから今「言語化する」というワードを街中で耳にするとちょっと心がザワッとする.私だけの言葉だったのに……!
ただ,「言語化」という表現は少々お堅くて,鼻につくかなーと心配になったり,全く伝わらなかったりすることもあったから,正直広く使われるようになるメリットも大きい.
言葉に限らず,流行はいきなりやって来てすぐに去っていく.
もともとオタク気質な人間だ.常々古参ヲタの方々は尊敬しているし,あわよくば自分もいつかそうなって,初期のグッズを見せびらかしたりしてみたい.そして言ってみたい.「最新のライブ最高だったね.でもね,10年前のあのライブに敵うものは無いよねぇ……」.そしてちょっとだけ煙たがられながら,嫉妬と尊敬の対象になりたい.
自分は流行には乗り遅れがちの人間で,基本的に何かのコンテンツや人間の「古参」になることは困難だ.でも言葉に関しては,割と流行を先取れている気がする.自分がカッコいいなー便利だなーと思って使っていた言葉を,いつの間にか周りの人たちが多用するようになっている現象がたびたび起こる.
ファッションや音楽へのアンテナが敏感で流行を先取りできる人がいるように,(注目こそされていないが)言葉に対するアンテナは多少敏感なのかもしれない.
どうにかしてお金にならないだろうか.
浅ましくてごめんなさい.