たしかに気の持ちようってのもある
このところ難しい症例が続いたり、何かの潜入リサーチか?と思われる案件があったりと、なにかと消耗することが多い日々が続いていました。
あまり気にしているつもりもなかったのですが、それなりにストレスだったのでしょう。
今日はなんとなくカラダが重い。
単なる寝不足ともいえるけど…
1人目の治療を終えたところでしばらくは呆けてしまい
『これが老いか…』
と衰えをぐっと噛み締め、のろのろとカルテをまとめる。
二人目の患者さんが来る前に、院内の換気と消毒もしなくては…
でも、すでにグロッキー。
二人目は全身の倦怠感とめまいのご相談。
何か怖い病気でもあるのだろうかと検査を受けるも
問題なしという結果に
「この辛さは気のせいなんでしょうか…」
と、意気消沈される患者さん。
「全身の倦怠感もめまい感も原因は交感神経の過緊張。
気のせいでも気の迷いでもありません。
根詰めて仕事を頑張りすぎているのでは?」
と聞くと、大いに思い当たる節があるようす。
二人目の患者さんの訴える苦痛は実施した検査で疑った問題が原因したものではなかっただけで、偽りなく実在している苦痛である旨伝えると少しほっとした面持ちで微笑んでくれました。
二人目の患者さんを見送り、再びのろのろとカルテをまとめ、コーヒーを一杯すする。
さて、消毒と換気だ…
やっぱり気が乗らない。
重い心を引きずり消毒作業。
三人目の患者さんは初見の女性。
インターホンが鳴り、よっこらせっと、重い腰を椅子からはがし玄関へむかう。
治療家のスイッチに切り替えるため、
「はじめまして!ご来院ありがとうございます!!」
と、元気よく、愛想よく挨拶する自分がいじましい。
「予約した○○です、よろしくお願いします(にっこり)」
と、初見の女性。
きょろきょろと院内を見まわし、何やら緊張した面持ち。
『なんだろう?また潜入調査の人?』
と、こちらも緊張。
相談内容を確認し、機能評価と姿勢評価を始めたところで患者さんがぽつりと口を開く。
「あの、○○がいつもお世話になっております。」
へ?なんで○○さんの名前?
『あっ!!!!』
すぐに合点がいきました。
そしてその瞬間、一気に疲れが吹き飛ぶ私。
そう、吹き飛んだという表現以外ないくらいスカっと疲れが吹き飛んだ。
常連の○○さんが、最近いい人に巡り合ったと聞いていたんです。
外見も中身もイケメンの○○さん。
目の前にいるのはその○○さんがメロメロになっていると噂の彼女さん。
野次馬根性丸出しですが、いったいどんな方を捕まえたのかすごく、興味あったんです。
お会いした感想はというと
なんでしょうかねぇ…
なんでか凄く嬉しい。
なんでしょう…
全力でめでたい。
そんな感じ。
一気に疲れが吹き飛ぶ当たり、どうやら私の疲労感は気のせいだったようです。
ふと、『たしかに気の持ちようってのもあるな…』そんなことを思った、土曜の臨床の一幕なのでした。