岳の湯大地獄 わいた温泉郷
こんなに煙が出てたら、何事か!?って思っちゃいますよね。ここは、阿蘇外輪山の北側に位置する小国町岳の湯わいた温泉郷です。くじゅう連山の一つ、涌蓋山(わいたさん)の麓に広がる「わいた温泉」。「はげの湯」と「岳の湯」、「山川」、「麻生釣(あそづる)」、「地獄谷」、そして「鈴ヶ谷」という六つの温泉地を総称して呼ばれている。この煙は火事ではなく、地面から出ている温泉の蒸気なんです。ここでは、その蒸気を”地獄”と呼んでいるのです。同じ九州の中でも、別府あたりに行くと、山の斜面から湯気が出ていますが、ここは民家と民家の間から湯気が出ているのをご覧いただけると思います。このように人家の間を縫うように蒸気が立ち上る景色は、日本広しといえどかなり珍しいものだとか。この集落の人々が、いかに地熱に近い場所で生活してきたか、ということがお分かりいただけると思います。
こちらは岳の湯で一番大きな地獄、その名も“岳の湯大地獄”でモウモウと蒸気が噴出し、この日の湯気は特に多くにめがねが曇ってしまい何も見えなくなってしまった。
大地獄には観光客が気軽に使える地獄もあります。地熱で蒸した野菜はグッと甘みが引き出され、美味しい。
火山のエネルギーを食べ物を通して吸収できる毎日なんて贅沢すぎます。
またこの地区の全30世帯が出資者となり「合同会社わいた会」を設立し、発電所の運用を「ふるさと熱電」と組んで2015年より地熱発電事業を開始し、現在は年6億円の売電収益をあげ、その収益金でこの大地獄が整備されていた。
日本で初めての住民主体の発電所では、その収益の2割がわいた会に入り、8割を業務委託費としてふるさと熱電に支払っています。過疎化に悩む地域経済に一石を投じると話題になっています。では、地熱料理を食べたくなり、わいた温泉郷ゆけむり茶屋へ行ってみよう。