2019/01/11 台湾手記
2019年1月11日(金) PM5:00
ぼくは5時になった瞬間、勤務先のタイムカードを切り、ダッシュで新宿駅を向かった。
17時09分発の成田エクスプレスを乗るためだ。
こういうときだけは、ふだん赤信号の待ち時間も気にならない性分が真逆になり、やたらせっかちになってしまう。
しかも、こういうときに限って、長めの信号が赤のタイミングに鉢合わせる。
青信号になった瞬間、駅に向かって走り、無事電車に飛び乗ることができた(ほんとに飛び乗った)
ここでぼくは全てに勝ち誇っているような安堵感に包まれていたのだが、実はまだまだ試練が迫っていた。
今回の旅行は、一筋縄ではいかない。
まず、前提として友人のクロちゃんと台湾に週末弾丸旅行を試みたのだが、クロちゃんは飛行機のチェックイン時間のギリギリに着くか着かないかという予想だったのだ。
しかも航空会社はJetstar。時間に厳しいと評判である。
つまり、成田空港で待ち合わせるとはいえ、台湾に行けない可能性も孕んでいた。
ギリギリに空港に着くクロちゃんを待つ側のぼくの心境としては、とても気が気でない。やきもきである。
フードコートで食べたうどんもなかなか喉に通らない(実際めっちゃ通ったし、でかいカニカマの天ぷらも食べた)
クロちゃんは仕事終わりに高速バスで成田まで向かっており、連絡を取りながら待っていると、なんとクロちゃんはバスの運転手に「急いでるんで、もっと速度あげてください」と言っていたらしいのだ。
マイルドなバスジャックじゃないか。
しかし、乗客はクロちゃんひとりだったため、そのような手段も取れたのかもしれない。
「もっと速度をあげろ」と言われた女性運転手は、何も返答せずに、アクセルを深く踏み込み前の車を次々と追い抜いていったという。
ミッションインポッシブル感が出てきました。
それにしても、ドライバーの彼女はかなりのプロである。彼女は「寡黙な敏腕高速バスドライバー」としてNHKのプロフェッショナルとかに出て欲しい。
こうして彼女の運転術に助けられて、クロちゃんはチェックイン時間の締め切りの10分前に成田空港に到着した。
無事チェックインでき、ぼくは胸を撫で下ろしたのである。しかもチェックインしてくれたお姉さんがちょっとエロかった。幸先はよろしい。
クロちゃんの状況はというと、仕事終わりのスーツのままで空港に来て、バックも仕事用のリュックひとつである。
出勤スタイルのまま台湾に行くのである。
クレイジージャーニーだ。
出国審査を終え、飛行機に無事乗り込むと、ぼくとクロちゃんは離れた席だったので、しばしそれぞれの時間を過ごした。
クロちゃんは仕事の疲れからか爆睡しており、ぼくは寝ようとしたが口を開けてアホ面で寝がちなので口の中が乾燥してしまい、起きたり寝たりを繰り返していた。
やがて、飛行機が目的地台北に近づいてきた。
しかし、このとき台北上空には濃霧が広がっており、機長の話によると、万が一滑走路が霧で隠れていて着陸が難しそうだったら、そのまま切り上げて成田空港に戻ると言っていた。
え!?帰っちゃうの?
ここまで来て成田空港に帰ったら、まじで笑えるなぁ。
ドキドキである。
やがて、濃霧の中に飛行機が入っていき、着陸態勢に入った。
......
幸い、着陸直前くらいの高度で霧は晴れ、機長な巧みな操縦テクニックにより着陸することができた。ここでも胸を撫で下ろしたのである。
バスの運転手といい、今回乗り物を操縦する人にだいぶ助けられている。
なにかともあれ台北に着いた。