スペースノットブランク 『ラブ・ダイアローグ・ナウ』
2020年9月12日(土)、13日(日)にアップかんなべ 中央ゲレンデにて『ラブ・ダイアローグ・ナウ』という舞台を上演します。
2020年3月、江原河畔劇場のプレオープンにて豊岡を訪れました。その際に神鍋をご案内していただきました。アップかんなべ(スキー場)の周辺と神鍋山噴火口を拝見し、その環境にひとめぼれ(LOVE AT FIRST SIGHT)して、出会いを描いた舞台『ラブ・ダイアローグ・ナウ』(愛・対話・今)をここ神鍋で上演したいと思いました。
緑と青空に包まれて、壮大な環境と身体と言葉による舞台。今は神鍋で作っています。空間と空白を際限なく含ませて、出会いが重層化し、来るべき上演に向けて育っています。
noteに掲載いただくということで、幸せな神鍋、一日目の動向を共有させていただきます。ぜひお付き合いいただければ幸いです。
2020年9月3日(木)、江原駅に降り立った私たちは、フェスティバルセンターと江原河畔劇場へお伺いし、一通りのご挨拶を済ませたのちに「高砂」にてランチ。お寿司ランチ、海鮮ランチ、お刺身ランチ。美しいビジュアルとコストパフォーマンスに心打たれました。私たちは鮮魚とお米を堪能しました。お刺身に施されていた飾り包丁と葱の繊細な切り口、そして、何より、お米が美味しすぎて悶絶しながらいただきました。次に、豊岡演劇祭2020の総合プロデューサーを務めている河村竜也さんより、レーズンバターサンドが美味しいとお伺いしていた「キノシタ」にてデザートタイム。駅から徒歩十分余。お店(お家)のデザイン、稲穂、拓けた背景を眺め つつ、到着。店内には絵本や本が置いてあり、木の温もりと陽の明るさを感じる内装が とても素敵 で、脚と心を伸ばして一時間半 ぬくぬく しました。いただいた レーズンバターサンド、ケーキ(レアチーズケーキ、ゴルゴンゾーラチーズケーキ)は ずっと食べていたいのに 食べるとなくなってしまうのが惜しいほど絶品。レーズンバターサンドのように、自然と 笑みが ほろっ と。ころっ と。ドリンクのおかわりはおかわりお値段(200円引きだったと思います)と、目が飛び出る驚き。
レーズンバターサンドを四つたいらげて、仕舞いにプリン(かためのプリンに生クリームのコラボレーション)を注文して、美味しい時間を惜しみつつ、もっと食べたいと思いながら江原駅へ戻りました。
バスに乗って神鍋に向かう前に、日高神鍋観光協会の朝倉大地さんにアポイントメントのお電話をすると、江原駅まで迎えに来てくれることに(大感謝)。神鍋に向かう道すがら、十戸滝、二段滝、八反の滝、神鍋山噴火口をご案内いただき、改めて莫大な自然のエネルギーを浴びました。山の上から見る麓は、シルバニアファミリーの家具のように小さくて、縮尺に戸惑うほど神秘的で、山頂展望台にて 幻の神鍋キャラクター を見つけたりと、新しい出会いがありました。
宿泊場所に到着し(到着したものの江原駅に荷物を忘れたことに気がつき、再び江原駅に取りに行ったりもしました。無事に見つかり、一安心。)、お部屋の説明を受けて、夜ご飯です。毎日最高の夜ご飯をいただいています。初日は、但馬牛の焼肉! お野菜(自家製)やお米(自家製)もとても美味しくて 贅沢 そして 幸せ。ご飯のおかわりが止まらない 止まらない 止まらない。今日は滞在二日目。2020年9月4日(金)、思い出すのは食事と景色。とてもありがたいことです。身体と心は、食事からのパワー を 源に 神鍋で作っています。
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豊岡演劇祭2020がはじまろうとしています。
2020年9月7日(月)。朝から雨が降っています。
─────その日は 朝から 雨が 降っていて で まあ 僕も 傘を持って 出かけてて で 確か まあ 割とビルが 並んでいるようなところで でまあ 普通に ま 買い物の予定だったんで 歩いてたんですけど で そしたら まあ 目の前に こう なんていうか 結構荷物をね 持った人がいて で あ この人 傘持ってない人だって 見た感じでね わかって でなんか 普段 僕 あんまり そういうことは しない方なんですけど なんか 傘持ってないんですかって なんか不思議と 声が出ちゃって ていうかなんか 声かけやすそうな 人だったんですね なんか 後ろ姿で見た感じ その日は 朝から─────
『ラブ・ダイアローグ・ナウ』は、出会いの過程を描いた舞台作品です。しかし上演の中でその出会いが完結することはなく、辻褄を排していくつもの出会いの瞬間を断片的に描いています。しかしそれも断片のようで繋がっているようにも感じる。あらゆる状況を「出会い」というフィルターに通すだけで、物語が立ち上がってきます。ドラマに高揚する時、私たちは自らの歴史と物語を重ねて、その 類似 性と 相違 性のどちらにも感情を動かされています。『ラブ・ダイアローグ・ナウ』に表される出会いが完結しないのは、それが舞台に描かれる状況でありながら、私たちの人生と変わらない性質を持っているからと言えます。
─────横断歩道とか の 出会い とか の 出会い と 今関わりを持っている人たちの 出会い方って もう 全然 違うもの だと思っていて その 横断歩道ですれ違う人とかは 本当に 奇跡的な 運としかいえないような 出会いだけど 今でも関わりを持っている人たちっていうのは わりと必然的な 出会いかなと思っていて それでその 必然的に出会った人たち とは 出会い あんまり 覚えてなくって というのは こっちが一方的に既に知っていた とか 知られていたとか で はじめて話すことと 出会いが ずれる かな と思って とか 何回でも 出会える その はじめて見た時 と はじめて話した時 と はじめて心通じたな って時とか そういう なんか 出会ってからでの 段階段階 で 色んな 出会い方が あるから ひとつに出会いって言っても なんか これ って言い切れない─────
『ラブ・ダイアローグ・ナウ』には 倍返し も どんでん返し も デウスエクスマキナ もありませんが、それを見る(見た)誰かが、これまで、これから出会う誰かのことを思い起こすためのきっかけがあります。過去を予知して、未来を思い出す、そして上演を演る、見る、今。この瞬間の出会いを、豊岡演劇祭2020(時間)、神鍋(場所)で共有したいと思っています。
自己と出会い、他者とも出会い、上演を共有することでしか生まれない出会いを体感しに来ていただければ幸いです。
─────先行きがね とにかく見えない不安っていうのは 何にでもあると思いますけど─────
2020年9月7日(月)
小野彩加 中澤陽
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『ラブ・ダイアローグ・ナウ』9/12、13
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スペースノットブランク
小野彩加と中澤陽が舞台芸術を制作するコレクティブとして2012年に設立。舞台芸術の既成概念に捉われず新しい表現思考や制作手法を開発しながら舞台芸術の在り方と価値を探究している。環境や人との関わり合いと自然なコミュニケーションを基に作品は形成され、作品ごとに異なるアーティストとのコラボレーションを積極的に行なっている。
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©︎ Dan Åke Carlsson
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