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世界劇団『零れ落ちて、朝』-Toyooka edition

この度、豊岡演劇祭にて作品を上演する運びとなった。
上演する作品は、今年3月に松山と京都で初演の幕を開けた『零れ落ちて、朝』という作品である。

グリム童話を下敷きに、外科医であった私の父を重ね、医師の戦争犯罪である「生体解剖実験」にメスを入れる舞台となっている。

私自身も医師であるが、加害者としての日本、医師の興味深い人間性を曝け出している。

今回は野外上演ということで、今春に劇場で上演したものを大解剖した。
当然のことであるが、劇場には劇場に適した表現が、野外には野外に適した表現がある。

劇場とは、物語を体験するために作られた人工的建造物だ。

一瞬で暗闇を作り出し、光や音をコントロールする非日常的空間である。一度座った客席からは二度と立ち上がれない、操作性の高い場が準備されている。

一方野外は、情景に身を委ねるしかない圧倒的自然物である。

暗闇や光、音などを完璧にコントロールすることは不可能であり、自然に抗うことは創作者も観客も困難だ。一度座った観客は、容易に座席から立ち上がり舞台空間と地続きな日常空間へと戻ることができる。

本作品は『生体解剖実験』を主軸に事が進むが、主要な詩(ことば)として『海』というキーワードを用いている。

海とは圧倒的自然物であり、人体の根源であり、島国である我が国の歴史と文化を語る上で欠かせないモチーフだ。
海を我々は飲み込むことができるのか、はたまた海に飲み込まれてしまうのか。

そんな緊張度の高いスリリングな環境でこそ、フィジカルは極致に達し、物語は一層飛躍を遂げることが出来るはずだ。

稽古は順調。

作品にメスを入れ、解剖し、手術は終えた。

本作品は豊岡演劇祭での上演を皮切りに三都市でツアー公演を行う。
今この瞬間しかない、ほとばしる舞台人の魂を刮目せよ。

世界劇団 本坊由華子


公演概要

世界劇団「零れ落ちて、朝」-Toyooka edition-

脚本・演出:本坊由華子 
会場:竹野浜海水浴場

<タイムテーブル>
9/16(土)18:00
9/17(日)18:00
9/19(火)18:00
9/20(水)18:00

上演時間:95分

「圧巻の演劇体験が再び!今年の秋、『零れ落ちて、朝』が海岸線に再臨!」

今年3月に好評を博した世界劇団の最新作『零れ落ちて、朝』が、早くも豊岡演劇祭にて再演が決定!
外科医である本坊の父とグリム童話『青髭』をモチーフに、医師の戦争犯罪である『生体解剖実験』と絡め、破格の語彙と圧倒的なストーリーテリングで、戦後日本の闇の病巣にメスを入れる。

閉ざされた扉の向こうは、偉業か悪行か。青髭は英雄か悪人か。
シロかクロか、そのどちらか―――――。

憎しみと苛立ちが爆撃を繰り返すモノクロの時代に、倫理が零れ落ちてゆく加害者としての日本を大胆に描き切る。
肉体と言葉を大量に浴びせ、寓話と史実が目まぐるしく交錯していく劇薬のような舞台を体感せよ。

そして、今回の舞台は日本海が一望できる海岸線。
壮大な自然の美しさを背景に、観客の心身を最大限に揺さぶる『零れ落ちて、朝ーToyooka editionー』として再誕。
今年の秋、更なる進化と深化を遂げる世界劇団を見逃すな。

<出演者>
⼩林冴季⼦(舞台芸術制作室 無⾊透明)、本⽥椋(劇団 短距離男道ミサイル)、本坊由華⼦(世界劇団)

<チケット>
一般前売:3,000円(当日:3,500円)
U24割引:2,500円
一般フォトチケット:3,500円
U24フォトチケット:3,000円
※フォトチケット…前回公演写真付きチケット

<配信>
豊岡公演のアーカイブ配信を予定しています。
詳細は決まり次第世界劇団HP等でお知らせします。

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