
第70回 KYOTOGRAPHIE international photography festival|トロントの多様性をクリエイティブに楽しむ
「KYOTOGRAPHIE international photography festival / 京都国際写真祭」は、日本最大規模の写真祭として毎年注目を集めています。今年も、国内外のアーティストが一堂に会し、写真芸術の新しい可能性を感じる素晴らしい機会となりました。メインプログラムには、10ヶ国13組のアーティストが参加し、それぞれが持つ独自の視点と表現力で観客を魅了しました。
会場は京都市内の文化的な施設で開催され、両足院や京都市京セラ美術館、京都新聞ビル、そして二条城 二の丸御殿など、京都の魅力を存分に感じられるロケーションばかりでした。歴史的建物と最先端のアート作品が融合する光景は、京都の伝統と現代文化の調和を体感する絶好の機会でした。また、京都の街そのものがアート空間となり、歩きながらも多くの発見がありました。
個人的に特に印象深かった展示が二つあります。ひとつは、ヴィヴィアン・サッセンの「PHOSPHOR|発光体:アート&ファッション 1990-2023」(京都新聞ビル地下1階)。サッセンは、幼少期をケニアで過ごした経験を生かし、色彩や光、影などが交錯する鮮烈なビジュアルを創り出しています。彼女の作品は、視覚的な刺激が強く、見る者の感覚に強く訴えかけてきます。京都新聞ビル地下1階という空間は、坂本龍一+高谷史郎の「async – immersion 2023」が発表される場所でもあり、音楽と映像、アートの融合を体感できる特別な空間でした。
もう一つの印象的な展示は、ティエリー・アルドゥアンの「種子は語る」(二条城 二の丸御殿 台所・御清所)。二条城という世界文化遺産の中で、アルドゥアンの作品はその静謐な空間に完璧に調和し、作品が持つ哲学的な深さを感じさせてくれました。展示のコンセプトである「種子を観察する」というテーマをもとに設計された空間は、非常に洗練され、植物の成長過程をじっくりと感じさせる作品群が並んでいました。この展示では、ただの写真にとどまらず、時間や生命を感じることができ、私たちの視点を深めてくれました。
KYOTOGRAPHIEは、単なる写真展ではなく、京都の街全体を舞台にしたアートイベントとして、非常に独自性の高いものです。歴史ある建物の中で、現代アートがどのように交錯し、歴史と未来が繋がるのかを感じることができる、貴重な体験となりました。来年も開催予定とのことなので、アート好きな方や京都を再発見したい方には、ぜひ足を運んでいただきたいです。
KYOTOGRAPHIE 公式ウェブサイト










