見出し画像

「ええこと」を目指さない、熱源のあり方。とよなか地域創生塾第7期「DAY6 イベント・フェスをつくってみよう!」開催レポート

こんにちは!株式会社ここにあるの宮澤まさきです。10月初旬にはじまった「とよなか地域創生塾第7期」のイベント・メディアコース第6回が開催されました。2023年12月21日(木)にあーとらんどYOU2で開催された今回のテーマは「イベント・フェスをつくってみよう」。

「地域」を「創」り「生」かしていくための考え方と仲間が得られる、豊中市主催の連続講座「とよなか地域創生塾」。全10回の約半年間をかけて、具体的にプロジェクトを実行できる「知」と「仲間」を創っていき、最終的にはマイプロジェクトを発表します。

アイスブレイク前にフリーみかんで笑顔を配布中。はじまる前から楽しくなる予感しかしません!

折り返して1回目となる今回は、実際にフェスイベントをつくっているお二人がゲスト。お2人とも数千人から数万人とかなり大規模なイベントをつくっていらっしゃるので、いきなり真似して実践!となるにはレベルが高いかもしれません。

ですが、イベントをつくる裏側でなにが行われてるのか、どういうステップを踏んでいるのかなどは、小規模の場づくりにも応用できる部分がありそう。そんな視点でこのレポートも読んでいただけたら嬉しいです!

文:宮澤まさき(みやざわ・まさき)

<Profile>

伊吹 美里(いぶき・みさと)氏
株式会社RFC 代表取締役 / ロッチル(ROCKS FORCHILE)実行委員長
「子どもの未来のクリエイター」として活動。大阪市生まれ、大阪市育ち。ただ、関大一中、関大一高、関西大学と10年関大前に通い、もはや北摂育ち。子どもたちだけでなくオトナもみんながワクワクする夢ややりたいことを持てば社会は変わる!と考え、子どもの未来を創る音楽フェス「ロッチル(ROCKS FORCHILE)」を主催(2017年〜)。2020年に独立し、コロナ禍において音楽フェスを拡大。現在も大阪・東京と拠点を拡大中。また、豊中子どもSDGs新聞プロジェクトも主催し、2022年には豊中市のSDGs学習ツールを公民学連携で制作した。パーパスでつながる社会創りがテーマ。

大原 智(おおはら・さとる)氏
一般社団法人GREENJAM代表理事 / music&culture neonM 代表
1984年福島県生まれ。兵庫県伊丹市育ち。バンド活動を経て、平成22年より音楽教室「music&culture neonM(ネオンエム)」を主宰。2014年、地元伊丹市の同世代仲間とともに無料野外音楽フェスITAMI GREENJAMをスタート。「表現のプラットフォーム」と位置づけ、市民文化祭として無料開催にこだわり継続している。2017年には一般社団法人GREENJAMを設立。地域の賑わいとコミュニティの創出を目的としたイベント事業を大阪、静岡、東京、東南アジアへと展開すると同時に、コミュニティの創出から生まれた地域プレーヤーの活動の受け皿として、空きテナントを改修し提供する不動産事業「sukima不動産」や、各種地域団体への活動資金供給を目的とした「GREENJAMみらい電気」などのハード事業も進めている。

親子で楽しめる関西発の音楽フェス「ROCKS FORCHILE」

1人目のゲストは株式会社RFC代表取締役の伊吹美里さん。豊中こどもSDGs新聞を会場内に配布して、活動紹介からスタートです。

伊吹さんは、子どもたちの未来を創る音楽フェス「ROCKS FORCHILE(ロックスフォーチル、以下:ロッチル)」の実行委員長を務めています。

2017年に大阪市で初めて開催されたロッチル。勤務先の会社で行っていたものを2020年から「死んでもやりたいと思って事業継承した」そうです。コロナ禍でも「子どもたちの体験機会が奪われないように」という使命感を持って「なんとかがむしゃらにやってきた」とおっしゃっていました。

ロッチルの出演アーティストは、第一線で活躍するその道のプロばかり。中でも特徴的なのが、子どもたちとアーティストのコラボレーションです。ロッチルのテーマソングをつくってステージで演奏するなど、さまざまな共演が生まれています。音楽だけでなくいろいろなワークショップもあり、バンドの子どもたちの笑い声もすごく楽しそう。

飲むほど夢の入り口を創る、「子どもたちのために」と言わないところがポイントですね。飲むしかない…!!「子どもの未来のプロデューサーを名乗ってる」という伊吹さん。

子どもの未来づくりがまちや世界を変えていくと思い、子どもの未来をつくることで、みんながワクワク面白い社会をロッチルを通してつくっていきたいそう。

ロッチルも「世界の未来は、子どもの未来」を掲げています。子どもたちの夢、やりたいことを否定せず応援する社会をつくりたいという思いが、プロと子どもとの出会いというスペシャルな体験の提供につながっているんですね。

またロッチルの原点には、誰も予測や方向性を指し示すことができない世界の中で「今まで通りの教えだけではいけない、そんな時代に私たち大人はなにを提供できるのか」という考えがあるようです。機会・お金・場所がないといった制限を取っ払って、エンターテイメントを通して 子どもたちとともに広い視点や選択肢を獲得していく。それがロッチルの理念になっています。

「社会課題の解決方法っていっぱいあると思うんですけど、楽しい場所であってこそいろいろな人に届くんじゃないかって。そういう想いでやっていたのがこのロッチルなんです」と語る伊吹さん。

コロナ禍での使命感が途切れてきたこと、SDGsの広がりで他にも似た取り組みをする人が出てきたことで、ただ継続することに違和感を持ったそうです。自分たちがやる意義ってなんだろうと考え直してみたことが、2023年に大阪府枚方市の遊園地「ひらかたパーク」でロッチルを初めて開催するという転機につながりました。アーティストのステージで子どもたちがバックダンサーとして踊ったり、アーティストを取材して新聞をつくったりと、豊富なコンテンツを展開。子どもたちが大人と共にイベントをつくり上げていく時間になりました。なんと、2日間で約17,000人の来場があったそうです。

ロッチルのコンテンツの中でも人気が高かった新聞づくりから派生して生まれたのが「豊中子どもSDGs新聞」。子どもたちがアーティストを取材するのを見て、取材対象のことは好きになるし関心を持ちやすいことに気づいたそうです。さらに、子どもが教える側になってほしいという日頃の感覚から、新聞というアウトプットを独立したプロジェクトとして始動することになったんだとか。子どもたちはプロの記者から取材の仕方や記事の書き方を学んで新聞をつくっているそうです。豊中市で暮らす約32,000人の全小中学生に新聞が届く一大プロジェクトになっています。

2人で1枚見て下さい!と配布された新聞。魅力的すぎて熟読してしまいますよね!

市民が自分たちの手でつくる、関西最大級の祭り「ITAMI GREENJAM」

2人目のゲストは、一般社団法人GREENJAM代表の大原智さんです。

伊丹市の昆陽池(こやいけ)公園を会場に、地元クリエイターと市民が一体となってつくる野外音楽フェス「ITAMI GREENJAM(伊丹グリーンジャム、以下:GREENJAM)」を2014年9月から始めた大原さん。2019年には過去最高となる約25,000人が来場しました。

ITAMI GREENJAMを、関係人口800人ほどで運営される関西最大級の「村祭り」であり、「個」を増幅させる文化祭だと表現されました。来場者数の多さにも関わらず、プロと呼ばれる人は全体のスタッフのうち5%ほどしかいないそう。運営メンバーのほとんどがアマチュアの市民で、プロアマ関係なく開催したいから、「僕ら文化祭やってるだけですねん」と、各々の表現を楽しめる空間を意識されてるようです。全国の企業からスポンサーを募り、入場料無料で開催することで、イベントそのものを商品化せず「お客さんのための表現」ではなく「私たちそれぞれの表現」を優先できるのがポイントのようです。GREENJAMは、アーティストによる演奏はもちろん、企業や飲食団体などの出店も楽しめ、フェスと市民祭りを合わせたようなイベントだと大原さんは言います。

関係人口:「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉です。
印象的だったのが「フェスタではなくフェスをやりたい」という言葉。

「市民文化祭みたいな形って、どうしても【市民フェスタ】みたいなものになりそうな印象があるんですけど、ほんまにフェスにしたいなって」

大原さんいわく、イベントの種類は2つに分かれるそうです。1つは、来場者数や経済効果といったわかりやすい効果を成果指標にする「消費型イベント」。もう1つは、地域にある資源や人の価値を育んで、地域の価値をどう向上させるかを目的に行われる「発展型イベント」。単発の消費型イベントでは、地域価値の向上に影響を与えられないと思うからこそ、GREENJAMは発展型イベントにすることを強く意識しているそうです。

「それぞれが、それぞれの文化祭をしたら良くて、一つになる必要はないと思っていて」と話す大原さん。だからこそ、GREENJAMでは明確な指針を設けず、それぞれの理由や想いで自由にエリアをつくることを大事にしています。

「地域プレイヤーって変な人らばっか」と言いつつ、関わる方全員へのリスペクトを持っていることが伝わってくる大原さん。

そんな大原さんですが、GREENJAMを続けてできたコミュニティに対してある疑問を感じたそう。それは、自分たちが場所をつくる限り、そこに共感する人たちしか集まらないこと。

「全然違う考え方の人とか、全然違うことやってる人とかっていう、色鉛筆で言ったら100色ぐらいあった方がいいと思ってるんですよ」

大原さんはフェスの企画だけではなく、なにかにチャレンジしたい人たちに有休物件を貸し出す不動産運用などの取り組みもスタートさせました。フェスやさまざまな活動の中で発掘されるプレイヤーに対して、場所とお金といった日常的な資源を提供するという関わりも行い、サポートに徹する動きも増やしています。その際、お客さんにするように資源をそのまま提供するのではなく、自分の表現に取り組もうとする地域の「変な人」が自らの個を発揮できる状況づくりを大切しているような感じを受けました。

イベントを始めることになった原体験は?

活動紹介の後は、株式会社ここにあるの藤本がファシリテーターとなり、クロストークの時間へ。まずは、イベントをつくることになった原体験を伺います。

伊吹さんは、大量消費・大量生産の社会に気持ち悪さや違和感を持ち始めたころにSDGsという概念を知って、「これに人生をかけよう」と思ったのだとか。しかし、これまではやりたいことが全くないタイプだったそうで、その理由は子どもの頃にあると思っていると伊吹さんは話してくれました。

「親に『歌手になりたい!』と言ったら、馬鹿にされて笑われたんです。それで『うわ、恥ずかしい』ってなって。『夢を言うとこんなに笑われるんや』って、トラウマになっちゃったんです。そこからやりたいことを言えない人間になっちゃったんですよね」

ロッチルに心惹かれた訳を一人で内省しながら考えていた時に、この気づきに辿り着いた伊吹さん。子どもたちのやりたいことかつ、伊吹さん自身もやってほしいと思う体験ができる場。そのような場はどうすればつくれるのか、常に考え続けているそうです。

最近は原体験を言うことが恥ずかしくなってきてると笑う伊吹さん。

一方、大原さんは、原体験はあんまりわかっていないとおっしゃいます。元々バンドマンとしてチャリティフェスティバルに出演する側だった大原さんは、今度は僕もこんなフェスを地元でやりたいな、とずっと考えていたそうです。

「伊丹ってすごく熱量のあるまちなので、できるんちゃうかなと思って。とりあえずフェスをどうにか実現させたかったっていうだけなんです」

場所は絶対に昆陽池公園と決めていたのですが、興行イベントはできないと言われて「じゃあ無料でやる」と決断したそうです。無料にすると、お金も物も人もないからこそいろんな人に手伝ってもらうことになり、結果的に普段関わらない人たちに関わってもらうことができました。
初年度から入場者約6,000人の光景を見た時の感覚は、言語化はしづらくとも方針に大きな影響を与えたようです。
「自分たちが楽しいというよりは、普段接することがない人たちそれぞれの楽しさが ×(かける)何十もある、みたいな。この風景はすげえなと思って」

ただ、良いイベントができただけで終わることには、無料でいろいろな人に助けられてイベントが成立している分、気持ち悪さを感じたそうです。まちに貸しができた感じがしたから、どうやってまちに返していったらいいのか。まちに貢献できる方法を模索した結果、原体験に後付けをする形で不動産などのまちに関わる事業にもつながったそうです。

イベントを運営するためのチームづくりは?

話題は変わり、どういうプロセスでイベント当日を迎えていくかというチームづくりについての話へ。

伊吹さんは今まさにチームづくりに課題を感じているそうです。消費型のイベントとして始まったからこそ、制作に関わる人、会社として関わっている人など、実行委員のグラデーションの設計が上手くいかず、温度差を感じていました。ひらかたパークでの開催に移ってからは、「実行委員の人たちと膝を付き合わせて一緒にやっていこう」と、イチからつくっていく気持ちで持続可能な形へつくり変えているようです。また、枚方に根付くことも課題にしています。実行委員の外には、学生メンバーやボランティアさんがいて、子どもたちが運営に関わる「子ども実行委員会」という仕組みも取り入れています。

大原さんのチームは「映像撮るのが好きな人とか。特になにをしてるわけでもないけど、めちゃくちゃコミュニケーション能力が高い人も。あと、市の職員さん。お花屋さんとか、福祉関係の方とかもいますね」とのこと。当日の会場にいる全員をまとめたらそうなるみたいな感じ、とメンバーの背景の幅広さに話が盛り上がりました。

実行委員の属性を聞かれてLINEを確認する大原さん。slackを使おうと思いつつ、ついLINEでやりとりしてしまうのはあるあるのようです。

GREENJAMの運営は特殊だと大原さんは言います。全体の会議は開催まで3〜4回のみで、各チームがそれぞれ定期的に会議をする部会のようになっているそう。ポイントを絞って集まって「この2ヶ月どんな感じ?」と確認しながら準備が進みます。

最初は大原さんがほとんどを進めるトップダウンでした。しかし、イベントがどんどん大きくなる中で、各チームのリーダーとの間に歪みが出てきたとのこと。「なんで大原さんこうしないんですか」「なんで私たちのセクションを気にかけてくれないんですか」という声が出てきたそうです。リーダーという役割をしている人はいても、トップダウンしてる限りは、当事者意識が薄いことが原因だと考えたそうです。

そこで、各セクションのリーダーひとりひとりと話す時間をつくって大原さんは「半ギレしてもうた」のだそう。

「俺も20,000人のフェスとか企画したこともないし、わからんし、だからイラつくし、大変やし。別にそこは俺もみんなと同じやから。」

代表の大原さんも、「各リーダーもやったことのないことに取り組むのだから、メンバー内で同じベクトルで企画できないならイベントの開催自体が難しいのではないか」と全員に投げかけました。そこから、各メンバーの意識も変わったのだそう。

「なんやろう、この現象?」と思った大原さんは、そこからチームを解散制にします。イベントが終わるたび解散宣言をし、それからイベントの方向性を話す説明会を行って、「今年も僕はやりたいです。実行委員として参加してくれるか、それとも今年はやめておくか、それぞれ考えて、どうするかまた連絡ください。」と声をかけるようにしたとのことです。すると、ほぼ全員が変わらず参加されるそうです。それぞれの意思がとことん尊重されているのを感じます。

それぞれのメンバーが意味を見出してイベントに関わる

大原さんは、トップダウンでやっていたときと今との違いとして、チームがめちゃくちゃ強固になったと感じるそう。「なぜそこまで頑張るのか?」という問いに対し、各リーダー全員が違うことを言ったのを見て、GREENJAMに関わる理由がそれぞれにあるのだと思ったのだと言います。そして、GREENJAMはなにかを実現するという分かりやすい指針があるわけではないからこそ、それぞれのメンバーの中になぜやるのかという指針があることは「最強」だと、理想にしているようです。

大原さんとリーダー達との関係性を象徴する表現がありました。

「めちゃくちゃつながってる老夫婦みたいな感じになってます。そういう関係性って『なんで結婚してくれてんの』とか、『なんで夫婦なん』とか、そんな会話しないじゃないですか。でもなぜか強固なつながりがあるみたいな。そんな感じですね」

フェスができればそれでいいという発想が、助けてくれる人たちの関わりででき上がる圧倒的な当日の風景に魅せられて変わっていったそうです。

話題は失敗談や今納得いってないこと、モヤモヤすることについてへと進みます。

伊吹さんは、コロナ禍でのイベント実施を成立させるのに必死で、みんなの思いが二の次になっていたと振り返ります。地元や関わってくれた人にコミットすることができず、叶えたい世界・つくりたいものはあるのにうまく循環しなかったのだそう。今まで長期的な視点で動けなかった実感があるからこそ、今後は企業・住民・行政をつなげるサイクルをつくる役割になっていきたいと言います。

ロッチルは子どもの未来をつくるという理念を掲げてはいるものの、関わるメンバー全員がその理念に共感しているかというと実は全然そうではないと伊吹さんはいいます。理念に共感して関わる人も多い一方で、「関わっている人が好き」という人が大半だそうです。

「こんなおもろい人と時間をいただきながら、一緒になにかをつくっていけるってすごく楽しいし、すごいおもろいメンバーがいて、この人らと一緒につくるっていうことが、もう今楽しくて楽しくてしょうがないっていう感じなんで」

伊吹さん自身がアーティストと子どもたちの共演に魅せられているのが伝わってきます。これからは、何者かになりたい人・なにかを悩んでいる人、関わっている大人もやりたいことを見つけられる場所になってほしいと考えているそうです。

大原さんは過去を振り返り、自分の熱量だけが高いと思い、全部自分でやろうとトップダウンでやってたら歪みが生まれたと話します。「才能のない分野はその才能がある人に任せる」ことの必要性に気づいたそう。

さらに、雨でイベントが中止になり、いろいろな人の準備・協力が簡単に崩れうることを体感した経験から、仮に中止になっても「全部やったよねって、自分自身が納得出来るところまで持っていく」ようになったそうです。

「チャレンジすると、 後悔はもうニコイチじゃないですか」

実践されている大原さんだからこそのチャレンジする上での姿勢を聞くことができました。

実際にフェスに行ったことがある方もおり、感想シェアも大盛り上がり!

「ええこと」ではなく楽しむことが熱源となる

「熱量と、素敵やなと思う人を、素敵!素敵!って言って仲間に入れる」ことが得意と言う伊吹さんに、「あんま信用しない方がいい(笑)」と大原さんがつっこむ場面も。

お話を踏まえた質問コーナーでは、大きなイベントを動かすお二人だからこそのプロモーションの仕方や企業との関わり方、営業面での質問が出ました。大原さんは気合いだとおっしゃりつつも、相手企業ごとにアプローチを変え、双方のメリットが引き出せるよう細やかで地道な調整をしてらっしゃることがわかりました。

会を振り返って、お2人とも途中で目的ややりがい、面白みが変わっていったと言います。アクションしていく中での出会いにほだされる側面が強いと藤本も言います。

「感情の変化はあってええんちゃうかなと思ってるのと、でも根底に社会にええことしたいなってことと、やっぱり子どもの未来が世界をつくるっていうのはほんまに思ってて。そこはぶれへんというか」

自分がやりたいことで、大好きな仲間とやり続けられる楽しさが溢れていて、それが結果的に社会的によい風を起こしていることが分かりました。

大原さんは、いつも感じている物足りない感じを「心の暇」と表現します。そしてそれが活動の根本になっていることに徐々に気づいていったと語ります。GREENJAMをするまではバンドなどの自分が活躍できることで心の暇を埋めていましたが、普段喋らない自分の世界の外で暮らす人たちと接することで、結果的に大きな感動がうまれたのだそう。心の暇がGREENJAMで埋まったときに感じた「豊かな感覚」を再現すべく、継続的に活動を続けているのだそうです。

いろいろなお話を聞かせていただき、お二人が本当に心惹かれるものにがむしゃらに取り組んできた道を一緒に振り返らせていただくことができた気がします。

フリーみかんは最後に食べる派の伊吹さん。大原さんはいつ食べたのか…?お疲れ様でした!

会の中で出てきた熱源という言葉がお二人を象徴していると感じます。熱量に人はついてきて、その熱情が飛び火する。伊吹さんはわかりやすい熱源を、大原さんは静かに燃える青い炎を持っていると、お互いに話していらっしゃいました。

「ええこと」で終わらない、二人のつくる場の魅力の中には間違いなくその熱を感じます。心から楽しむ、彼らのお話を聞いて会場全体の熱源の炎が灯ったこと間違いなし!この熱が今後どんな熱波を起こしていくか楽しみです!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?