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高校物理を微積でやるべきか?#3

前回の記事から時間が空いてしまいました。

さて、今回はどのような人に微積物理を勧めたいか述べたいと思います。
前回までの記事のリンクも貼っておきます。



そもそも微積物理って言葉に違和感を感じませんか?物理現象を記述する上で数学は切っても切り離せません。微分・積分は「数学」の学問領域として扱われることが一般的ですが、もとはというと、ニュートンが物体の運動を記述する道具として編み出したものです。

「物理学」を学ぶ上で微積分なしに議論することなどできません。ですから、微積を使う物理と使わない物理で分けて考えることは、本来の意味からするとナンセンスなことなことであり、微積物理という言葉には違和感を感じるのです。ここで言う物理学とは学問の物理のことであり、高校物理のことを指していません。

本題に戻ります。

上述の通り微積と物理は切っても切れない関係ではありますが、大学の入試問題を解く上では、ほとんどの場合、微積を使わずしても正答できるように作られているので、必須ではありません。

微積を使って学習することを推奨したい人

万有引力の位置エネルギーなど、高校物理に現れる公式の中には、導出するときに微積を用いないと正確に議論できないものがあります。これを単なる結果の暗記ではなく、理屈からしっかり理解したいと思っている人には微積を使って理解してほしいと思います。

また、微積を使うことは、多くの高校生にとってややハードルが高いように思われます。ですので、一通りの内容を理解し、微積を使わなくても解けるように練習した上で、微積を使って解くとどうなるかを考えてみれば良いでしょう。最初の敷居は高いかもしれませんが、天下りにしか議論できなかったことがすごく見通しよくなったりもします。ある程度、高校物理が習得できており、好奇心がある生徒にお勧めします。

あまりお勧めできない人

高校物理で学習する内容の物理現象がしっかりイメージできない人が微積を使ってやろうとするとさらに混乱するでしょう。初歩的な内容で詰まっている人が手を出してうまくいくことはまずないと言えます。先述したように、圧倒的多数の問題は微積なしで解けるように設計されているので、まずはそれがクリアできてからにしましょう。

また、微積を使って解くことに対して、高等なテクニックを駆使していると勘違いし、酔いしれて(?)いるように見受けられる人もいます。そういう生徒に限って、問題が解けなかった時に、なぜそれで解けないか自己解決できてないように思います。まずは、なぜそれでうまくいくのか分かった上で使うようにしましょう。そこが不明瞭な段階で使うのは時期尚早です。微積は使いこなすものであって、振り回されているようでは本末転倒です。

大学になったらいやでも使わざるを得なくなります。ですから、背伸びしてまで今やることはないと思ってください。


以上、微積を使って高校物理をやるべきかについて述べてきました。微積を使うことは手段であって目的ではありません。そこを理解した上で使える人は使えばいいと思います。


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