MD Rokkor 50mm f1.4 と Planar 50mm f1.4 HFTの解像度
MD Rokkor 50mm f1.4 前期型を手に入れました.ほしかったんですよ,このレンズ.αを買ったのですから,やっぱりミノルタとツアイスのレンズを使ってみないといけませんよね.ツアイスの方はローライ Planar 50mm f1.4を既にもっていましたから,同年代に発売された同じスペックのMD Rokkorを導入です.
MD Rokkor 50mm f1.4は途中で設計変更があるんですよね.前のモデルのフィルター径は55mmで,後のものは49mmです.
Rokkorは解像度と自然な色合いが特徴のレンズだと勝手に思っているのですが,フィルター径が49mmになった時期から,解像度偏重の絵作りから海外レンズのようなコントラスト重視のものに変容したようです.自然な色合いを実現するACコートをやめてしまった”New MD"レンズにMD Rokkor 50mm f1.4 フィルタ径49mmの光学系が使われているところからも,フィルター径49mmの後期型がコントラスト重視の絵作りになったことが伺えます.
つまり,フィルター径55mmのこのレンズは,ロッコールの本流を貫いた最後のレンズといえるわけです.そう思うと,少しロマンを感じざるを得ません.それに,既にもっているPlanarはコントラスト重視の王様みたいなレンズですから,違う系統のレンズがあったほうがきっと面白いはずです.
では,遠景の描写を比較してみましょう.
F1.4
わーお,Rokkorはふわっふわですね.収差がえげつなくて,これはちょっと実用に耐えないかな.Planarは相当頑張っています.
Rokkorの遠景はふわっふわですね.ピントは道の方向看板に合わせているので,ピンぼけは無いはずなのですが…
近景を見てみましょう.
あら,Rokkorのほうが芯のある写りをしていますね.Planarはぼやぼやしちゃってる.近景はRokkorのほうが有利に見えます.
別のカットを見ましょう.
最後の木のカットを見るに,やはりPlanarの前ボケは少しザワザワするみたいですね.前ボケに関してはRokkorの勝ち.それ以外は,Planarがずっといいですね.
F2
少し絞ってやるだけで相当パリッとしますね.大差ないように見えます.拡大しましょう.
Planarの近景が随分汚い…手ブレしていないか疑ってしまうほどです.遠景においても,周辺は断然Rokkorのほうが有利ですね.Planarは周辺が流れてしまっている.ここでRokkorが逆転ですね.
別のカットです.
やっぱりRokkorの描写のほうがシャープですね.パープルフリンジもRokkorのほうが少ない.前ボケもRokkorのほうがきれいです.駐輪場のショットを見るに,コントラストはPlanarのほうが高いですね.
F4
ここでRokkorの色乗りがガラッと変わります.もしかするとRokkorはフードをつけてやるともっと写りがよくなるのかな,と思ったり.拡大しましょう.
うーん.周辺部ならRokkorが若干有利ですが,大差ないですね.僅差でRokkorの勝ちか.どちらもよく写っています.
F8
最後にF8です.
ここまで絞ってしまうともう差は見られませんね.どちらもいい写りです.
まとめ
・MD Rokkor 50mm f1.4の開放の描写は甘々.できればf2で使いたい.
・Planarは全体的に安定しているが,f2-4ではRokkorの解像感には劣る.
・Planarのコントラストは相当高い
・PlanarのHFTコーティングはACコートに比べると温かい色に写る.
どちらも描写傾向が違っていいレンズですね.ロッコールのほうが湿度を感じる写りで,Planarのほうがカラッとしている.ロッコールのほうが解像度は高くて,Planarはコントラストが高い.お国柄が出た比較でした.これからも作品作りに使っていきます.
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