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「算数」が「世界の見方を変える」武器になる!『東大算数』
みなさんのまわりに、「この人、頭の回転が速いな……」とうらやましく感じる人はいませんか?おそらくその人は、計算をするのが速く、数字のセンスがあることで、頭の回転が速く見えている場合がほとんどです。
このような頭の回転が速く見える人とそうでない人とは、どこで差がついているのでしょうか。それは、「算数」です。初歩的な算数の勉強によって、実は大きな差が生じているのです。本書では、この算数という科目の裏側に隠された武器を、みなさんにお伝えいたします。
割り算は工夫次第で「いくらでも簡単」になる
早速ですが、あなたはこの問題に答えられますか?
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普通に暗算したら難しいですよね。「2222÷25」というのは割り切れなさそうです。でもこれ、東大生なら3秒で答えられます。
割り算の1つの性質に、「割り算の答えは割合なので、割られる数と割る数に同じ数字を掛けても、答えは同じになる」というものがあります。3÷1も、6÷2も、9÷3も、答えは同じになります。
「2222÷25」においても、25に4を掛けたら、100というとても綺麗な数になります。ですから、「2222」と「25」の両方を4 倍すればいいのです。
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ということで、両方を4倍して計算すれば、「88.88」が答えだと、すぐに計算することができるのです。
「定義思考」の活用で、考えるスピードを加速させる
では次に、新宿駅の利用者数に関するこんな問題について考えてみましょう。
新宿駅は、世界でいちばん利用者の多い駅としてギネスブックに載っている。 1日に約350万人が利用 していると言われており、これは47都道府県中10位の 静岡県の人口354万人に匹敵 する。なぜ、これだけの人が新宿駅を利用しているのか?
「静岡県全体の人口と同じくらいの人が毎日、新宿駅を使っている」…これって本当に正しいのでしょうか。言葉の定義を明確化する定義思考を活用してみましょう。今回は「利用者数」という言葉の「定義」です。
イメージで考えれば、自分の家の最寄りの駅から新宿駅に来て、新宿駅からまた最寄り駅に帰った人がいたときに「1人」とカウントしていると思いますよね。でも実際は違うのです。
この「利用者数」とは、「改札を通った回数」なのだそうです。たとえば最寄りの駅から新宿駅に来て、新宿駅からまた最寄り駅に帰った場合、2回新宿駅の改札を通っていますよね?
この場合、「2人分」でカウントされる、つまり、「約350万人が利用している」というのは、その半分の「175万人が、新宿駅で降りて、新宿駅から帰った」と考えるべきなのです。
これに加えて、乗り換えにおける改札利用もあるため、多くの人がイメージする「利用者」とはかなり異なっています。このように言葉の定義を明確にすることで、勘違いが減り、考えるスピードを加速させることができるのです。
「小学校の算数」が「世界の見方を変える」武器になる!
算数には、実は無限の可能性があります。足し算・引き算・掛け算・割り算の裏側には「壮大な世界」があります。偶数と奇数、分数と小数という簡単な数の秘密を知るだけで、「人生を左右するほど大きな知識」を得ることができます。