この会社、何かおかしい?日本の「ヤバい会社」から見えてくる会社の本来あるべき姿とは?『見てはいけない!ヤバい会社烈伝』
今回は、『見てはいけない!ヤバい会社烈伝』をピックアップします。
多すぎる会議、現実的ではないノルマ、威張り散らす上司......
会社で働いていると、これらに心当たりがある方も多いのではないでしょうか?もしかしたらあなたもそのような環境で苦しんでいるかもしれません。
現代においてもまだまだある明らかに時代に逆行している日本の会社。本書では、そんないわゆる「ヤバい会社」の実態を、25年以上取材し続ける著者が暴いていきます。
成功するための社会の暗黙のルール!?
著者は本書の究極の目標として「旧態依然とした組織の殻を壊す」ことを掲げ、そのためには若い人材を中心に、現場の社員が思うように動ける、自由度の高い組織経営に移らなければならないと述べています。
ところが、多くの会社はガチガチに固めた組織を堅持しようと必死です。著者も実際にこのような会話に遭遇しました。
果たして自分が「こうやるべき」と思うことを口にできない会社にいる意味はあるのでしょうか?
いえ、そんなヤバい会社とは、とっととおさらばして、思ったことが言えて、自分の特徴や能力を存分に発揮できる会社にいくべきでしょう。
一方で、日本社会ではこれまで、「空気を読む」ことが必要な能力であったため、この経営者の発言はしょうがない部分もあります。
しかし、その考えももう限界。「本当のことを言わない」という企業社会の暗黙のルールが、今日では巨大な不祥事として問題になっています。
自称「稲盛経営」のヤバい社長
著者にトンデモ社長の情報を共有したAさんからのメールはこんな一文で始まっていました。
「盛和塾にはまった創業者が経営する変な上場会社です。無茶苦茶な社内ルールがたくさんあります」
A氏の会社の創業者は30代の頃に入塾したといいます。
そんな創業者が経営理念として掲げる「利他」。稲盛氏は自分のためではなく、「人によかれ」と経営すれば、周りの人が協力してくれるという考えのもと「利他」を掲げています。しかし、この会社では「利他=株主様」。 そして恐ろしいのが、株式の50%を創業者が握っているということ。そうです、稲盛氏の掲げた「利他」が、この会社では創業者自身の利益を優先するものに捻じ曲げられているのです。
その他にも、「仲間のために」という稲盛氏の言葉を引用し、他部署の仕事も手伝うように強要したりと、もし稲盛氏がご存命なら、名誉毀損で訴えられかねない「ヤバい」経営を行っているそうです。
本書では、大小様々なヤバい会社だけでなく、著者が思う良い会社も紹介されているため、ヤバい会社と良い会社の事例を数多く学ぶことができます。
会社の本来あるべき姿とは?
「会社は必要なのか」
著者が企業取材を続けていく中で感じたこの疑問。
あなたも本書を手に取ることで、「会社」という存在の本質に向き合い、今後の日本企業がどうあるべきか、その未来を一緒に考えてみませんか?