⑯パイロット版脚本(その1)@耳ビジ➕1
【サスティナブル・ナイト】
BGM テーマ曲①
祐子NA 私の仕事はスタイリスト。
メディアや舞台などで芸能人・文化人の洋服のコーディネートを長年やっている。そんな私が最近、気になっているのは…
「物語のあるメイドインジャパン」を旗印にしたアパレル会社の社長斉藤拓也君。30代後半なのにしっかりした理念を持っていて♡♡♡‥・
BGM FO
SE(工場の雰囲気)
拓也「こうやって、また祐子さんと生産工場の視察に来れるなんて光栄です。祐子さんの最近の口癖って「サスティナブル」じゃないですか?
ここのシャツ、作りが結構スゴクて、かなりサスティナブルなんですよ。絶対祐子さん、気にいるんじゃないかなと思って、思い切って誘ってみたら、来てく れるっていうから、どれだけうれしかったか」
祐子「拓也くんこそ最近すごいよね。メディアにひっぱりダコだし。本まで出したでしょ?」
拓也「いえいえまだまだです。もっと日本のアパレルを根本から変えないと」
祐子NA かなりの有名人になのに、この謙虚さ。でもどんどんオーラが増しているみたい。ここだけの話、彼の横にいて喋っているだけでも
こっそりキュンキュンしてる私がいるのよね。絶対彼に悟られないようにしなきゃ。
祐子「(平静を装い)あら~! ちょっとこの生地、いいんじゃない?
ほらここ触ってみて」
拓也「ほんとだ。 これいいですね!」
祐子NA その時、ほんの一瞬、生地を触る彼の手が私の手に触れた。
拓也「あ、ゴメンナサイ」
祐子「いや。ぜんぜん」
拓也「なめらかですね。。。」
祐子「え?そ、そんな(照れて)」
拓也「いやあ、この生地、ほんと手触りサイコーだな!」
祐子NA やだ私ったら。何考えてるの。
SE (飲食店の雰囲気)
祐子NA その夜、私たちは富山湾の海の幸を肴に、おいしい日本酒を飲みサスティナブルについて熱く語った。
拓也「いやほんと祐子さんと工場視察できてよかった。今度は宮崎行きましょう。
宮崎にもいい工場あるんですよね。いやあ祐子りんと行きたいなあー。宮崎」
祐子「ちょっと飲み過ぎてない?」
拓也「なんか、久しぶりに楽しくて。祐子りんといると落ち着くんですよね」
(タクシーの車内)
拓也「JALシティで1人おろして、ルートインまでお願いします」
祐子「いいのに。送ってくれなくても」
拓也「そうはいきませんよ。ちゃんと送り届けるまでが遠足・‥」
祐子NA その時、私の肩に彼の頭の感触が‥
そう。彼は私の肩にもたれかかり、静かに寝息を立て始めたのだ。
いつも気を張ってるし、疲れてたんだろうなぁ。
なんか・・・無防備な寝顔‥ こういう顔もするんだ。
拓也「(起きて)あれ、いま僕、眠ってました?」
祐子「いいのよ。疲れてるんでしょ」
拓也「いや、ダメですよ。ダメダメ。祐子さんの肩で寝てしまうなんて。ありえない。失礼にもほどがある。宮崎、行けなくなっちゃう。‥ あー、でももうダメだ。あと1分だけ肩をお借りしてもいいですか?」
祐子NA 私の肩に心地よい重みがのる。私は、私の心臓のドキドキを悟られないように、ゆっくり彼の方に頭を傾けた。
BGMカットイン♪テーマ曲①
トヨコNA サスティナブルナイト。ただいまの出演はスタイリスト澤木裕子。声優小羽勝也。脚本・やまねたけしでした。
BGM FO