㊱クラハ文化祭「恋かな〜花火大会の前に〜」本番@耳ビジ➕1
ヒデアキさんの優しい人柄は昔も今も変わらないらしい。
今年、タロットの運勢的にはかなり最悪だというヒデアキさんだが「恋かな」をはじめクラハ活動においては好感度アップ!楽しそうに見える。
「教科書の音読も苦手。人様に聞かせられる代物では1ミリもない」
と言っていたはずのヒデアキさんが、なぜ思い直したのだろうか。
「悩みながら紙飛行機飛ばしますが、、、恋かな男子の部、チャレンジしてみたいと思い始めてます」
そのヒデアキさんから出てきた想い出話。ヤマネタケシさんが脚本の骨格を書いてくれた。
これを基にしながらも想像を遥かに超える素敵な胸キュンストーリーに仕上げたのはカワテツさんだ。
私が思わず「天才!」と叫んだ脚本。
リハーサルでのヒデアキさんは、緊張のあまりとにかく必死に読んでいる感じだった。
そこが素朴で良いかな?とは思ったが、相手役の宮村さんの声があまりにもよく通るのでバランスが今ひとつ合わない。
2人が別々の場所で会話しているように聴こえると、話に入り込めなくなる。特にクラハは耳だけの感覚なので難しい。
宮村さんにはスマホから離れてもらい、ヒデアキさんにはもう少し明るく喋ってもらうようにお願いした。
直前のリハーサル。2人の会話も音量もとても良くなり、聴く側がニヤニヤしてしまう。
ヒデアキさんの大阪弁がまた良い。
そして迎えた本番。
宮村さんにバグが起こるトラブルはあったが、みごとな完成形を披露してくれた。
タロットの運勢なんてあてにならないよ。
『花火大会の前に』脚本:ヤマネタケシ&カワテツ
BGM:テーマ曲
ビデアキNA「僕の名前はビデアキ。広告代理店の大阪支社で営業をしている。当時、僕は東京への出張が多く、仲がよかった会社の後輩のマリコとその友だちのチカの3人でよく会っていた」
チカ「お待たせ」
ビデアキ「おう。チカちゃん、どないしたん? 浴衣着て。誰かとおもたわ」
チカ「このあと、マリコと隅田川の花火行こうって。ビデアキさんも行きません?」
ビデアキ「花火大会ええなぁ、でも、俺は今日中に大阪帰らなあかんから」
チカ「そっか。大阪の彼女さんと約束あるんですよね」
ビデアキ「いやそういうんとちゃうけどさ。そういやマリコ遅いなあ」
チカ「さっき連絡きて30分くらい遅れるって」
チカ「散歩でもします? 浴衣美人とデートなんて滅多にないですよ」
ヒデアキ「何でデートやねん。ていうか自分で美人言うか」
ビデアキNA「僕とチカは、隅田川の河川敷を歩くことにした。実は二人きりで話すのは初めてだった」
ビデアキ「チカちゃん、何で彼氏いてへんの?」
チカ「なんでですかね」
ビデアキ「で、どんな男がタイプなん?」
チカ「そうですね。(ヒデアキを見て) ビデアキさんを」
ビデアキ「俺を?」
チカ「もうちょっと‥」
ヒデアキ「もうちょっと?」
チカ「ヒデアキさんにした感じかな」
ヒデアキ「って俺やん。まんま俺やん。大人をからかうなよ。 そんなこと言われたら、好きになってしまうやろ」
チカ「私は別にいいですよ」
ビデアキ「え?」
ビデアキ「ア、アホか。何いうてんねん。」
(マリコかぶせ気味に)
マリコ「お待たせ。遅くなってゴメンね」
ヒデアキNA「ちょうどマリコが来て、予定通り僕は大阪に帰った。
でも時々、思い出す。もしもあの時‥
SE:テープが巻き戻る音
ヒデアキ「そんなこと言われたら、好きになってまうやろ」
チカ「‥私は別にいいですよ」
ビデアキ「え?」
ビデアキ「ア、アホか。何いうてんねん。」
SE:LINEの着信音
チカ「あれ、マリコからだ。今日は急用が入って行けないって」
ヒデアキ「そうなんや」
チカ「あーあ、花火どうしようかな。せっかく浴衣着てきたのに」
ヒデアキ「‥じゃあ、ちょっとだけ付き合うか」
チカ「ほんとに? うれしい。 ‥でも」
ヒデアキ「でも?」
チカ「大阪に帰れなくなっても知らないからね」
SE:花火1発
BGM:テーマ曲