「ありそでなさそうっかり①」うっかりレベル2
うっかりしている人の分類として、大きく分けて
日頃は「しっかりしているタイプ」と「おっとりしているタイプ」の2つがあると先述した。
わたしは「しっかり」していると周囲から思われているので、そんな人間がうっかりしたことをしでかすと、たいそう驚かれる。または笑われる。
笑ってもらってなんぼの「うっかり」なので、してやったりである。
さてわたしは大阪にて「うっかりバーMOON」なるものを経営している。あくまでも宣伝交流活動の一環なので趣味みたいなものである。
サラリーマンのA氏が来店した。無口だがシュールなジョークが好きな男性である。
「焼酎、お湯割で」
「はーい」
カウンターの中はわたし一人である。
ほかのお客さんとも喋りつつ、手際良く飲み物やフードを提供していく。
時にはツッコミを入れ、時には冗談を言い、キレッキレのトークを売りにカウンターを切り盛りするのである。
しかし、店名は「うっかりバー」初めて来店したお客さんは「なんでだろう?」と不思議に思うらしい。
「はい、どーぞ。」A氏に焼酎のお湯割を差し出す。
しばらくして、彼がボソッと言った。
「これは、、、湯だ」
「ギェッ!?」
焼酎を入れ忘れた。
うっかりレベル2。
ありそでなさそなうっかりである。
ちなみに、協会的にいうと「他人に迷惑をかけていない」という条件に抵触しそうなのだが、そうではない。
A氏はその「ただの湯」を出されたことを大いに喜んだからである。
A氏は無口でシュールなジョークが好きで、しかもM男なのだ。
「湯を出された俺って、、、ふふふ」
「うっかりバー」は「うっかりされたい人が集まる」アブナイ店である。
実在する。
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