元日経新聞編集委員が書いた「流山がすごい」を1分間でまとめ
千葉のチベットと言われていた流山が、どのようにして人口増加率6年連続全国トップになれたか?
「母になるなら、流山市」がキャッチコピー
陸の孤島と言われた流山が発展した一番の貢献者は、二人の市長。
一人目の市長は、田中角栄を口説いてつくばエクスプレスを誘致した秋元大吉郎。地元製造のみりんで作った焼酎を手土産に毎週のように霞が関や永田町に通った豪傑だった。
二人目の市長は、ヒューストンから来た都市計画のプロ、井崎義治。流山のポテンシャルを見込み、景観保全や自然保護の活動をしていた女性たちや定年退職したサラリーマンの支持を得て、2回めのチャレンジで市長に当選。全国初のマーケティング課を市役所内に設置し、民間人材を登用した。ターゲット層としたDEWKS(子供のいる共働き夫婦)にアピールするために「母になるなら、流山」のキャッチコピーを展開。
具体的な施策のひとつは、つくばエクスプレスの駅前に、送迎保育ステーションを設置。都内に通う両親が、子供を預けて勤務地に向かい、子供はそこから市内各所の保育所に送迎バスで送り届ける。
リクルート・東京電力などで働いているバリキャリの女性を、都心に近く、緑も多く、子育てしやすい流山が引き付けた。のちに彼女たちは、流山で起業したり、市議会議員になった。
二子玉川高島屋ショッピングセンターを手掛けた企業が、つくばエクスプレス駅前のショッピングセンターを開発し、「千葉のニコタマ」が出来上がった。
明治23年に利根川と江戸川を結ぶ日本初の西洋式運河でかつて栄えた流山。その歴史ある建造物を活用して、若い女性が起業。
常磐自動車道を利用して都心から25分の流山の耕作放棄地を活用し、有機農法を使った農業を軌道に乗せたリクルート出身の小野内のストーリーも面白い。
近年急成長を遂げている街、流山市に初の社会人サッカークラブが設立された。目標は10年以内にJリーグ。
もう一つの産業の柱が、高速のインターチェンジに近い、東京ドーム30個分の広大な江戸川の河川敷の土地を活用した巨大な物流倉庫群だ。楽天、アマゾンはここから商品の発送をしている。近い将来1万人の雇用をするそうだ。 この構想の実現にも井崎市長が一役かっている。
もしこの本に興味があれば、是非、読んでみてください。
タイトル:流山がすごい
著者: 大西康之 (元日経新聞編集委員、流山市在住)
発行日: 2022年12月20日
発行者: 株式会社新潮社
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