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異色中の異色

 今年でシリーズが始まって30年になる「古畑任三郎」。それを受けてフジテレビでは「ハッピーアワー」枠で連ドラ版の3シリーズとスペシャル版4作が再放送される。
 劇作家の三谷幸喜が手がけ、田村正和が主演したこの作品が始まったのは平成6年。これまでの刑事ドラマにはない仕掛けや、豪華俳優がゲストの犯人役を演じたという設定は真新しさを持って迎えられた。
 第一シリーズからの犯人役は次の通りである。中森明菜、堺正章、古手川祐子、笑福亭鶴瓶、坂東八十助(のちの三津五郎)、木の実ナナ、小林稔侍、鹿賀丈史、石黒賢、小堺一機、桃井かおり、菅原文太、陣内孝則、明石家さんま、沢口靖子、草刈正雄、木村拓哉、加藤治子、唐沢寿明、澤村藤十郎、山城新伍、風間杜夫、鈴木保奈美、山口智子、SMAP、緒形拳、市川染五郎(現・十代目松本幸四郎)、真田広之、松村達雄、大地真央、津川雅彦、市村正親、田中美佐子、福山雅治、玉置浩二、江口洋介、九代目松本幸四郎(現・二代目松本白鸚)、藤原竜也、イチロー、松嶋菜々子。
 よく見ると豪華で凄い顔ぶれが揃っている。犯人は些細なことで殺害に及び完全犯罪を装う。しかし、そこで決定的なミスを犯してしまう。
そのミスを盾に古畑は犯人を追い詰めていくのだ。徹底的に追い詰められた犯人が深く落ち込んでいく姿はさながら圧巻だった。
 そんな古畑の部下であるのが今泉慎太郎(西村まさ彦)。彼は時々ドジを踏むのだが、その滑稽な姿はどこか憎めない。第三シリーズから登場した西園寺守(石井正則)もスパイスとなっている。
 今のフジテレビのドラマを見るにつけ、古畑任三郎の旨みが際立って見える。製作者のしっかりした奮起を望みつつも、こうしたドラマ作りにも臨んでいただきたい。

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